言葉について
私は、人の揚げ足を取るのが好きです。
朝日が瞼を貫通した。
これは眩しい。この眩しさだったら朝に間違いないだろう。
適当な理由だが、最もこれが原始的な時間の解釈だ。
目を開けると、朝日が目を刺してくる。
まぁ、“本当に”刺されたら死ぬが。
朝一に行くのは週に2回程だ。
一人暮らしの人間にとって、安いとはありがたい事だ。
しかし、こう毎回ありがたいと思ったら、あんまり“ありがたく”なくなってきそうな気がする。
ありがたいとは、有り難い……ってか。
これは安い。よし買おう。
む、キュウリも美味しそうだ。それに安そうだ。
なになに、『20ヶ個 150円』
……………け?
天気予報がやっている。
あっ、隣の県が雨だ。この調子なら明日は雨かもしれない。
しかし今日は晴れだ。雨も降らない。太陽マークが付いている。
いや、“太陽が”降ってきたら怖いものがある。
自転車に乗って学校までひた走る。
上り坂、下り坂。自転車通学は決して楽じゃない。
自転車自体、乗ってて楽な物なんかじゃない。
名は体を表すから、危険な乗り物なのだ。
“自分で転ぶ車”ってのは。
卵が先か、鶏が先か。
そんなよく聞く言葉を、とある友人が聞いてきた。
即座に「ンなこと知るか」と答えようと思ったが、そこでふと気がついた。
卵が先か、鶏が先か。そんなのは考えてみれば至極単純なものだった。
答えは“卵”だ。
自信満々に答える俺に対していささか不可解な顔をした友人が何故かと尋ねた。
「だってよ、鶏が誕生する前から生きてた魚とかの卵ってのがあるだろ」
筆箱の中を整理してみた。
シャーペン、シャープの芯、消しゴム、カッターナイフ、定規、カラーペン、修正液。
はたと手が止まる。
俺の“筆箱”と呼んでいた物の中には、筆が一本も入っていない。
というか、それ以前に布製なので“箱”と呼べるかどうかも怪しい。
鉛筆貸してくれ。
隣の席の奴がそう言ってきた。筆箱を忘れたらしい。
とりあえず筆箱の中を探してみてから言っておく。
「“鉛筆”じゃなくてシャーペンで良い?」
鉛筆か。
そういや、小学校の時は使ってたな。
今となってはとても懐かしい。
鉛筆削りで削った記憶とか、すぎ先端が丸くなって書き辛いと思った記憶とか。
でも、鉛筆って軽かったよな。
“ナマリ”筆のくせに。
カツカツ、サー、カッカッカッ、……カツカツ。
そろそろ前髪前線が後退しはじめている初老の教師が熱弁をふるいながら黒板に様々な記号を書き込む。
白で書き、赤で書き、黄色で囲い、青で塗る。
カラフルな化粧をしている黒板の下地は、相も変わらず“緑色”に見えた。
なぁ、お前ってテレビ何見るんだ?
普段あまりしゃべらないクラスメートにそんなことを聞かれた。
即答。
「そにー」
帰りのHRが終わった瞬間、ドアから知らない奴が現れた。
そいつは周囲を見回してから、木村はいるか?と俺に聞いてきた。
とりあえず、答えなくてはなるまい。
「いらない」
さて、さっさと家に帰りますか。
そう思って下駄箱から靴を取り出してスリッパと履き替える。
踵までしっかりと履いてから改めて下駄箱を見る。
おそらく、この下駄箱に“ゲタ”が鎮座する日は永遠に来ないだろうと思う。
特に面白い番組がないので、親父臭くもニュースを見てみた。
「なぜ国会は狂ったような政策を……」
国会の人達が“狂った”政策をしているのか、見ている人達が“狂って”いるのか、判断できる“正常”な人はいるのだろうか。
もっとも、そう考えている俺自身も正常かどうか、まぁ、怪しいところがあるが……。
情報技術社会。
なんだかニュースの中でそんな言葉が出てきた。
インターネット、携帯電話、電子メール……。言えばキリがないだろうが、そういったのが普及している社会のことらしい。
情報か。そういえば情報ってどんな意味だったっけ?
“情けなくて報いる”
……いや、絶対に違うだろ。
漢字からの意味が分らないと言えば、他にもある。
例えば、一人暮らしになってから急に多くなった新聞や保険の勧誘。
その人達は去り際に必ずと言っていい程にある物を渡してくる。
名刺だ。
残酷だと思う。
……何がって?
“名前を刺す”なんて、残酷じゃないか。
夢を見る。
夢、よくそれは「都合の良い」ものとしての代名詞にされる。
……それなのに、俺は夢の中で恐竜に食われてしまった。
夢を見た。
夢、あれは結局、自分にとって“都合の良い”ものではない。
はい、投稿テストです。意味などありませんでした。