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一章 2話

あの日から数日…

新八は原田の組と共に見回りをしていた。


「どうしたんだろう 永倉組長」「いつもの永倉組長らしくないな」


隊士の言う通り、あの日から新八は、心ここにあらずだった。


「新八、お前雪に恋したろ」「!!!、し、してねぇよ!」


それは、嘘だ…


本当は恋をしていた。


稽古の時も飯の時も、寝る時も彼女の事を思い出してしまう。


「おい、新八!!」「何だよ」「あれ!!」「アッー!」


そこには、水色の着物を着た雪が、団子屋から出てきた。


「今日も綺麗だな…!!」


黒い影が原田の横を通っていった。


原田には、すぐ何が通ったかわかった。


新八だ…


「組長!?」

「ったく、あいつは…」


その頃、新八は雪を追いかけて、話しかけることに成功していた。


「じゃあ、妹芸妓たちの為に団子を買ってたのか」

「はい、永倉さんは見回りは大丈夫何ですか?」

「大丈夫だ(多分、後でしばかれるな…)」

「そうですか」


雪は、安心した顔をした。


「あと…」

「え」


新八は、彼女の頭をなぜて微笑んだ


「新八でいいぜ」

「え、ですけど」

「敬語もなしな、同じ年なんだしよ」

「…はい」


そんないい時間を黒い影が、潰した。


「兄貴、あいつです!!」

「何だ お前ら」

「テメェ新選組の永倉だな」


不逞浪士(ふていろうし)達に気付き新八は雪の前にでた。


浪士達の目は、まるでネズミを追い詰めた猫のようだった。


「だったら、なんだ?」

「丸吉の(かたき)をとらしてもらう」


次々と、刀を抜いていく浪士


「新八さん…」

「下がってろ 雪さん」

「はい…」

「死ね~!!」


浪士達は、新八に斬りかかるが、簡単に倒されていく


「すごい…」

「よそ見してる場合じゃないぜ、お嬢さん」

「!!」


新八は、まだ浪士を倒していた。


「きゃっ」

「!!」

悲鳴が聞こえた後ろを振り向くと


「放して!!」「雪さん!!」


雪の手首を浪士2人が掴んでいた。


「幕府の犬のくさにこんな女を連れてやがるぜ」

「雪さんを放せ!!」

「テメェが、俺達に大人しく倒されたらな!!」


倒れていた浪士は、新八を囲んで刀を構え直した。


「ダメ…新八さん」

「大丈夫だ、そんな顔するなよ雪さん」

「死ね新選組!!」

「…やめてー!!」


その時、冷気を感じた…


下を向いていた顔をあげる


「え…」


そこには…


凍った浪士達と


右腕だけが凍った雪さんがいた


「雪さ…」

「来ないで!!」

「…雪さん」


彼女は泣きそうな目で俺を見つめた…


「来ないで…下さい」


そう


彼女は雪女であった。

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