新春初笑い 短編のお年玉
「お父さん、あけましておめでとうございます!」
「お、おう」
「どうしたの? 新年から元気がないよ……そんなことより」
「なんだその手は」
「決まってるじゃない、お・と・し・だ・ま☆ ちょーだい!」
「残念だがな、今年のお年玉は中止になりました」
「ええ~。どうしてよ!?」
「実は経営困難でな。牧場が倒産してしまったんだ。父さんが倒産なんちゃって」
「だからラマ専門の牧場なんて止めようっていったんだよ!」
「流行ると思ってんだよお」
「ラマのブームを狙うとか、ニッチにも程があるよ! あとさっきのギャグ、面白くないからね?」
「うっ、うるさいうるさい。そんなにお年玉が欲しいというなら現物支給だ。ラマをくれてやる~」
「ンーーーーー(ラマの鳴き声)」
「うぎゃああああ。唾吐いた。くっせえ!?」
「ほれほれ、今年の干支はラマだから、めでたいぞ」
「今年の干支は巳だよ!? 十二支のどこにラマがいるのよ!」
「文句をいうなら、ラマをもっともっと増やしてやろう。さあ行けラマども」
「ンーーーーー(ラマの鳴き声)」
「ンーーーーー(ラマの鳴き声)」
「ンーーーーー(ラマの鳴き声)」
「やっ、やめて頂戴。お年玉は要らないから、もうラマで脅すのは勘弁してぇぇぇ」
「ふははは。これぞ、お年玉ならぬ、脅しラマだー」