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童話集  作者: 服部 泉美
2/2

お父さんが歩く

父の日なので、こんな話考えました!

駄作ですが、よろしくお願いしますっ!!






 ある年の、ある父の日早朝……。

 ある家の、あるおとうさんが、布団に入ったまま、カレンダーを見ていました。そして、今日は父の日だということに気が付きました。

 おとうさんは、嬉しくて家族から何かあるのだろうかと期待に胸を膨らませ、何かサプライズがあったら、せいぜい驚いてやろうと思っていました。


 おとうさんは待ちました。



 朝食になり、午前中が何事も無く過ぎ、昼食もいつも通りの何ともないメニューで、午後に差し掛かりました。


 ここで おとうさんは、家族が今日は父の日である事を忘れている事に気付きました。

 すると、何処からともなく悲しみがおとうさんを襲いました。

 そのうち怒りが湧いてきて、おとうさんの心の中をぐちゃぐちゃに荒らし始めたのです。

 自分でも考えたくないような、嫌な言葉が頭の中を行き交います。

「俺をなんだと思っているんだ、どうしてみんな何もしてこないんだ。『いつもありがとう』を言われるだけでも嬉しくなるようなこの状況になっても、誰も何もしてこないし 言ってこない……。」

 独りでこんなことを考えていると、とてつもなく悲しく、切なくなってきて、居てもたってもいられなくなりました。


 おとうさんは、悲しみのせいで泣きたい所まで追い詰められていましたが、悔しくて家族には見せられないと、外に出てゆきました。



 すると、涙は枯れ、代わりに驚きがおとうさんの体中にあふれ始めました。


 なぜなら、外に出ると他の家からもおとうさんがみんな出てきて、道路にお父さんたちがあふれかえっていたのでした。そして、よく見ると みんな人に見えないようにしてひっそり泣いています。どうしたのかと、隣の家のお父さんに聞いてみることにしました。

 すると、みんなそのお父さんと同じように、父の日の存在を忘れられて、外に出て泣きに来ている、ということがわかりました。


 おとうさんは複雑な心境になりました。

 悲しみを分かち合う仲間が大勢いることへの安堵と、この泣いているおとうさんの数に笑いたい気持ちとが、絡み合っているのです。


 お父さんは、自分がこの人達をまとめたら、凄い勢力になるんじゃないかと思い、テレビ局やラジオ局に乗り込み放送を乗っとってしまおうと考えました。



 そして、お父さんは 何故かテレビ局にワープしていました。

 でも、お父さんはその時、違和感を感じませんでした。


 生放送をしているテレビ番組の収録へ乗り込むべく、お父さん達は 果敢に攻め入ります。


 そして、お父さんが司会者のマイクをぶん取り……

「皆さん!!見ていますか、聞いていますか?」


 ……という言葉を発した途端……。周りに大勢いたはずのお父さん達は、警官になっていました。驚きを隠せないお父さん。警官は、無抵抗のお父さんに容赦なく何人も覆い被さり、手には手錠をかけました。

 お父さんは、もう 家族に何もして貰えなくても良いから、家に帰りたい、と 思いました。




 するとここで……


 ジリリリリ__

 ジリリリリリン__


 ジリリリリ__

 ジリリリリリン__


 時計のアラームが鳴っていたのです!

 今までのは、すべて夢だったのです‼


 嬉しさで 飛び起きたお父さんを待っていたのは、大きな音の鳴るクラッカーと、食べ切れないほどのご馳走、カワイイラッピングがされたプレゼント……


 そして、








『お父さん、いつも ありがとう』






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