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なら狂っちゃいなよヒャッハァ!

「ヒッヒィ!!!!」


「デザートは味わって食べるから、そんなに焦らなくても大丈夫だよ! ゆーっくりたべてあ・げ・る」


「や……やめろ」


なんで? 口が動いた体が動いた。

助けたいなんて思っちゃいないのに、このままどこかへ行ってくれって思ってるくらいなのに。

倒さなきゃって思ってやがる!


「あららコジカちゃん。プルプル震えちゃって可愛いね」


「だまれぇ!!」


人一人飲み込めるくらいの火炎の玉を放つ。

確実に葬れると思ったそれは、なんとまさかの反射した。

あの怪物の肌に触れた瞬間に、反発するように跳ね返ってきたのだ。


「へ?」


次の瞬間、僕は炎に飲み込まれた。

自分で放った炎に焼かれ、僕はその場に倒れる。


「フレイムシュート、飲み込み焼き尽くす炎の魔法……ま、そんなの関係ない。俺の体には魔法反射の力がある。要するに魔法攻撃は一切きかないってことだ」


僕は今考えていた。

なぜまだ僕は生きているんだって。

僕は確実に葬れるほどの威力で放ったはずだ。

だが僕は生きている。

生きているはずなんてないのに。


「さってーと? デザートをいただきましょうかねぇ?」


「嫌だ!嫌だ!まだ死にたくないィ!死にたくないんだ!俺にはまだやり残したことがあるのにぃ!ここでこんなところで死ぬのはイヤだぁあああ_____!!」


叫び声をぶつ切ったその一撃は、最後のテロリストの首を転がした。


僕は気づいた。

これが僕とアイツの違いだってことに。

ようやくだ、ようやくわかった。

まだ僕は、俺になりきれていなかった。

俺になった気でいたんだ。

だから僕にはアイツを殺そうと思えなかった。

だからアイツは人を殺せた。

タガといった方かわかりやすいだろうか。

つまりは、タガってものが理性を縛りつけ、狂気の面を押し止めている。

だから狂気で勝る者に恐怖した。

だから殺そうなんて思えなかった。

この鎖をちぎらなきゃ、このカセをはずさなきゃ。

じゃなきゃ僕は、いつまでたっても俺にはなれない!


「そうだったのか……そういうことか……今考え、今理解した。まだ俺は、僕だったんだな」


「まだ生きてたのか。デザート食ったあとにお惣菜なんて食べたくないんだけど」


「バカになるということそれつまり、狂気を演じることにあらず。それはタガを外し狂気に身を任せること……狂いに狂ってやればいい!」


そうだからこそ!


「いまここでタガを外す」


ぶっとんでくれるなよ理性ちゃん。消えてくれるなよ今の俺。

今から俺はぶっ飛びます。

片手で指でっぽうの形をつくって、人差し指をこめかみに押しつけた。


「バン! 」


その瞬間、何かがぶっ飛ぶ音がした。

弾けとんで、消しとんで、俺は本当の意味で俺になった。

そんな音がした。


「なにがなんだかさっぱりだから、さっさと死にな食ってやらねーぜ!」


ガキーン。

金属の音がなった。それは叩いたような音だった。

俺は首を腕でガードした。


「やっぱり透明かァ!」


ビクッと震えた怪物が、わからなそうな顔で見ている。


「それとも空気かどっちでもいいや!」


俺はガードした腕で、透明な何かを弾き飛ばして、そのまま怪物の頬をぶん殴った。


「お返しお返しィ! 気持ちよくてすっきりすんねぇ!」


なにがおこった。

そんなことを物語る顔をしながら立ち上がる怪物。

そーんなアホみたいな面しやがって。

俺はまだ殴りたりねぇぜ!


「ほらもう一丁!」


全力で蹴りをいれる。

持ち上がった体は天井に打ちつけられ落ちてくる。


「どっすーんってな!」


味わうはずなかったか? 味わうことなかったよな!だって超能力だろ? 負けるなんて思わないよな!


「な……なにがおこってるんだ! なにがァアアア!」


なにも起こってねぇよ。ただ殴って蹴っただけだ。


「許さない、許さないぃぃいいいい! 殺す殺す殺すぅ! 絶対にぃ!」


コイツ、まだ勝つ気でいんのかよムカつくなぁ。

あ、そうだ。完膚なきまでにボコせば抵抗する気も失せるだろ。

俺はさっきの魔法と同じ容量で巨大な塊を作り出す。


「魔法はきかないって言ったの聞いてなかったのか! バカだなァお前!」


「ああ、俺はバカだ。自分で決めてそうなった。だからこういうことを思いつく!」


俺はその塊で、怪物を叩き潰した。

グハァなんてよく聞くものをはきながら、潰れている。


「魔法反射はきかないのか! 魔法なのに!」


「違うねぇ。知ってるか? 魔法ってのは魔力が形を変えたものだ。これはただの塊だ。魔法に変わってないなら反射できねぇってこったぁーな!」


やっべぇハイってやつになってやがる!脳からアドレナリンふきだして、超絶気持ちィぜこりゃあなぁ!


「ん? お前なんで汗かいてんだ?」


俺は気づいてしまった。怪物の額から、透明な液が流れていることに。


「それってよ、血じゃねぇよな。怪物の血は知らねぇが、人間元になってるなら赤いと思うんだがさぁ、じじゃあそうならもしかしてお前怖いのか? 」


呼吸が荒くなってきたってこたぁ図星か。


「なんだ怖いのか? 俺が? さっきまでの調子はどこいったんだよ! あ、もしかしてお前も怖くなっちまったんだな。どうだ怖いか? それが死だ」


ああきっと、コイツはさっきの俺と同じなんだ。

死が急に間近に感じて怖くて怖じ気づいてんだ。


「だがそれは常に隣にあったものだ。明日にも死ぬかもしれない、明後日にも来年にも、かならずいつか襲いかかるものだ。いつだってそばにあって、それがやっと見えただけなんだ。それだけで恐怖する。だから俺は受け入れた」


死に怯えて生きるより、そっちの方が気楽でいいんだわ。

そういうのは、死にそうになってから考えるべきなんだって。


「今度はお前の番だ。さっさと死を受け入れろ!」


俺は何度も塊を叩きつけた。

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も!!

叩いて潰して、汚い皮を残して。

死ぬまで。

こんなグロいことになったのは、半不死身みたいな生命力を見せられたからだ。

俺は答えてやっただけ。

生にしがみつくなんて無様なもんだ。

さーてと、帰って寝るか。

そうやって惨劇の場から帰ろうとした時に、目が止まる。

それは財布だった。


「テロリストの財布じゃん。身元がわかるものだけいれときゃ盗んだって平気だろ」


持ち主が死んだんだから、もらったって文句ないだろ。

ヒーフーミーヨーとしけてんなー。

ってなんだこりゃ。

善組織 戦闘員 アルハーテ

意外にもそれは名刺だった。

なんでテロリストが組織の名刺持ってんだ。

バッカじゃねぇのか?

……何を思ったのだろうか。

僕はその名刺を一枚抜き取り、お金を握りしめて出ていった。

なんでこんなことしたのかわかりやしない。

けどきっと、俺にはまだわからないことがあるんだ。

バカにはバカなりの考えが、俺にはまだわからない。

理解したい、その考えを。

理解しなくてはならない。

だから俺は、この組織を探すことにした。

死体だらけの学校を出て、俺は家に帰ることにした。

とりあえず、今日は寝る。


「ねっむ……」


(ちなみに校長は生きてます。ラスボスだからねしょうがないね)

勢い全快で書いた結果、正直自分でも驚くほどに速筆になってしまった。

そんな速筆ってほどでもないけど、とりあえずねる。

明日用事あるから、うんたかたらたらやって寝る。

ぐーすかぴーぐーすかぴーーーーーー


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