現在今まで逃走中
「いたぞ侵入者だ!」
「めんどくさいほど数が多い!」
「どうしたんです。新生俺を見せるんじゃなかったんですか?それとも新生俺はこの程度なのですか?」
「そんなはずないでしょうカディアさん。なめてもらっちゃ困ります」
さっきから機械みたいな奴らが見えない。潜伏してるか、理由があって出てこないか……。
「くそッ!機械兵達はなぜこないのだッ!」
「どれも動かないのですッ!」
「神の魔力が途切れたというのかッ!そんなバカなッ!信じぬ、信じぬぞッ!」
なるほど。向こうから答えを持ってきてくれるなんてな。
そしてこれは思わぬ好都合。体感、あの機械兵はどこからともなくわいてくるから無尽蔵な気がしてたんだ。
想定していた難易度から大幅ダウンだ。
「接着拘束ッ!」
さっきから、ずっとこればっか使ってるせいで、ちょっと疲れてきた。そろそろバリエーションが欲しいところだけど、あいにく流石に走りながら複数考えるのは疲れるのよね。
「カディア何かアイデアない?」
「アイデア?」
「そうそう。アイツらなんとかするアイデア。同じ技ばっか使うのもいいけど、まとめて片付けたいな~、なんて思っちゃったりしてるわけよ」
「まとめて……敵の情報は?」
「神の手下。倒せない。……あと空飛んでる」
「なるほど。だから拘束にとどめているというわけですね。わかりました考えてみます」
「あざ。よろしく」
「かといって、私だって一生懸命走ってるんです。最後まで思いつかなくても、文句は受け付けないですからね」
「わかってるって。それくらいで文句いうほど、器は小さかないって」
俺一人の時は、一気に駆け抜けてたんだけど、カディアも一緒だからそうはいかない。
……一つ方法を思いついた。
「ねえカディア。お姫様だっこって知ってる?」
「聞いたことはありま……まさかやるんですか!?」
「恥ずかしがるな。戦略的お姫様だっこだ」
「自分で走れますから!」
そう言うカディアを、走りながらひょいっと持ち上げて……。
「しっかり掴まってて。それと目をつぶって考え事でもしてて」
「そのためにこんなことを!?」
「やってみたかっただけ」
「狂命ーッ!」
ちょっと怒ってる声も可愛い。
そう思いながら俺は、カディアが耐えられるギリギリのスピードを狙って走り出した。
「速いです速いです!」
だから目を瞑っててって言ったじゃん!
「まあでも、おかげで追っ手はあんな遠く。こんなに距離引き離したんだから文句ないでしょ?」
「それでも速いものは速いです!」
「それで、何か思いついた?」
話題を切り替えることにより、速いことから目をそらさせる作戦にでることにした。
「えっ……はい。えっと、凄く簡単なことなんですけど、一点に敵を集めることは可能ですか?たとえば……風とかを使って」
「風……うんできるよ。余裕の余裕で」
「あと、あの敵基地を消滅させた時の規模で、拘束することは可能ですか?」
「拘束……なるほどね。確かにそれなら一瞬だ。なーんで思いつかなかったんだろ」
「ちょっと考えればわかりそうですけど」
「バカだからわっかんねぇや」
「それでも、理解力だけは一級品なんですね」
それが武器ですから。アイデンティティってやつですもん。
「とりあえずやってみる!」
空高く飛び上がり、敵の位置をだいたい把握ッ!
マルチにロックオンを仕掛けてこれでよしッ!
あとは地面にこれを投げるだけ。
「エネミーマグネットッ!」
地面に着弾した瞬間、磁力に引き寄せられるように大勢の敵が集まっていく。
引っ張られてるようで、突然のことで、やつらは何が怒ってるのか理解できずにいる。
「いまです!」
「わかってるってば!絶対その手を放すなよ?」
さっきのやつのでっかく大きな改良版ッ!
「接着爆弾ッ!」
辺りを津波のように飲み込む粘着物質を目に焼き付けた後、安全圏に着地し、目的地へと急ぐのだった。
寝落ちかましたマーーーン!




