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俺と俺で

なん……だと……!?


黒「ってことは俺は、俺を倒さなきゃ戻れねぇってことかよ!」


……ソウダ。セイゼイアガケ。セイゼイ自分デ殺シアエ


主「んなのデタラメだ!んなことできるもんか!」


返答は返ってこない。言うことは無いってことなのか?

それとも逃げた?

どちらにしろめんどくさい。神ってのは、みんなまとめてあんなのなのかよ。

性格悪いな本当に。


黒「風撃・速 間合い詰め」


一瞬のうちに間合いをつめた。

反応できないこの速度……不意打ちの最適解だ。


黒「時間がねぇんだ。俺のために死んでくれ」


やっぱり結局こうなるのか。


黒「風撃・烈 王斬鼓動」


それは一定リズムの滅多切り。しかし斬撃は(のち)にくる。

そう錯覚するのは、すでに切られたことに気づかず、絶命するその瞬間にくるエフェクトで、頭でそう理解してしまう。

ゆえに、王の字に体が炸裂しようと、その真意に気づくことはない。


しかしだ。ネタがわかればなんてことはないんだよ。

こんな風にな!


黒「王じゃない……これはニ!?」


ニ撃はわざと止めなかった。だってこっちの方が面白いだろ。王がニになるんだぜ?


主「これじゃまるで、漢字がわからんおバカさんだなァ!」


絶命を狙うのは、このニ線のみ。残りは保険の四肢切断用。

死ななきゃなんてこたあない。俺にはハイパーヒールがあるからな。

ついでに魔力をバットの形にして脳天めがけてドーーーン!

あっ、防がれた。


黒「致命傷のみかわし、腕を犠牲にダメージを最小限に抑えやがったくせに、攻撃までしてんじゃねぇよ!」


主「俺は自分と争いたくない!」


黒「さっきまで殺そうとしていたくせに、今さらすぎるんだよ! 現に今も、こうやって攻撃してきてんじゃねぇか!」


主「攻め手に回らなきゃ、話す隙もないくせに!」


黒「話すったって何を話す? 神の言うことは嘘だとでも言うか。無駄なんだよそんなこと! ここから出る方法なんて、結局倒すしかないんだよ。それが最初の前提条件だ」


主「あーもうなんとなく察してた。お前が引きずってる気がしてた」


黒「だからこそ、譲る気がないなら戦え!でなければ大人しく死にやがれ!」


ダメなんだ……俺もお前も、中途半端な自分自身。だけど、互いにそれぞれの要素(理性と自身)を持っている。

どちらかが死ねば、それは欠ける。

理性を失った怪物と、自分を失った脱け殻に。

今までのぶっ飛びとは違う、ただ満たすだけ。

今までの自分自身を失った、ただのぬけがら。

そんなのどっちだってごめんだね!


主「だから断る!」


黒「受け入れろ!」


ぶつかり合う衝撃と衝動。

やはりと思う。同じ技でぶつかれば圧されるのは俺の方。

なぜかなんてわかってる。

俺はただ怖いんだ。

死が大きく近づいていくのが、たまらなく怖いんだ。

たとえあと1億と8000万年以上あったとしても、無限じゃない。あとどれくらい戦うのかなんてわからない。

だから無意識のうちに、最小限の力に抑えようとする。

それを今、もう一人の自分とぶつかり合ううちに気づいた。

そうだよな、守りたいものを守れないようじゃ、生きてたって意味ねぇよな。

本当に何のための力って感じだ。

必要な力、受け入れること……中途半端じゃダメなんだ。

心の底から必要として、体全部で受け入れる。

それぐらいの心意気でぶつかれば、無意識リミッターはぶっ壊れる。

だから!


主・黒「「雷絶帝ッ!」」


ぶつかり合う中で初めて感じた感覚。これが正面からの相殺!


黒「だからなんだ!」


主「大きな一歩だ!」


派生させる!


主・黒「「連!」」


雷絶帝の連続攻撃。ぶつかる度に弾け強い衝撃が走りつづける。

もっと行ける。もっと先に、上に、高みに!

速く!速く!速く!


黒「追い付けない!?」


隙みて派生もう一度!


主「激衝(インパクト)!」


雷のように速く、光のように一瞬に、最強の最大の瞬間火力を!

ぶちこむ!


黒「ぐふぁ!?」


よろけた!ここから叩き込み続ける!


黒「調子にのるな俺のくせにィ!」


主・黒「「重撃烈豪! 波動壊!」」


拳がぶつかり合い、空間を揺らすほどの衝撃!しかし勝てず、ならばと数メートル後ろに衝撃で圧された後に、通るところ全てを壊す波動のウェーブ。

交差すれば波は崩れ、チェーンのように連鎖する爆発。

しかし届いた。俺の方は二枚仕込み。二つ目の波がもう一人の俺を襲う。

しかし届いてたって関係ない。

俺が上回ればそれをはるかに超える火力を使ってくる。これじゃいたちごっこだ。

繰り返すじゃ決まらない。

ならば今こそ決め手を放つ!

主「爆裂真拳!」


黒「ここにきてそれかよ!おもしれぇな!」


主「マッハの速!」


使われる前に詰めきる!


黒「はええだけだ」


見切るのも、対応できるのもわかってる。だから!


主「双・爆炎!」


右と左の自分の拳をぶつけ合わせれば、予想外の想定外、隙だらけの瞬間を作りだせる!


黒「煙幕なんて時間稼ぎを!」


煙りをはらおうとしたその瞬間!これをぶちこむ!


主「滅炎熱衝(フレイムショック)!」


青紫色の炎が放たれる。


黒「俺のしらねぇ技なんて!しかしどうだ、熱さなんて感じない。痛みもだ! 即興の失敗作だったな!」


それはどうかな。


黒「このままとどめ刺してや……る!? 体が……思うように……震えている……のか……これは恐怖……いったい何になぜ!?」


炎はお前を焼きつくしたりはしない。ただ入り込む。そして、可能性のトラウマを植え付ける。

見えるか。お前の目の前にいる人が。

わかるか。そいつが誰なのか。


黒「脳裏に写るコイツは誰だ!? あ……あ……瞳に写るお前は……カディア!」


違うな。彼は昔はカディアであり、今はカディアではない。


黒「そんな……間に合わなかった……そんなことが!」


炎がみせるトラウマは、ゆっくりと記憶の奥底へと刻み込まれる。

純粋なやつほど術中にハマる。

このバカ狂いのようにな。


黒「あった!」


膝から崩れ落ちていく。もう一人の俺は、耐えきれなかったのだ。

戦う理由を失った。


主「どうした。戦わないのか」


黒「いや……いや……もう……いやだ……」


主「なら俺の勝ちだ。ここから出しな」


……断ル。


そんなこったろうと思ったよ。神なんて自分勝手の快楽犯だ。

唯一神なんて名乗ってるくらいだ。それ以外の生き物なんて、全部ゴミくらいに思ってんだろ。


……ソウ。元々出ス気ナドナイ。目的ヲ見失ウマデナ


カディアが太陽に飲み込まれるまでってことね。

くっそほどにゴミだなコイツ。


主「どうせ運命がないってのも嘘なんだろ」


……ソレハナイ。役目ニアワセテ自動構築サレルノダ。決マッテイルノハ、死ヌコトダケダ


主「それが全ての生命の生きる意味」


……ハッキリ言オウ。全テノ生物ハ、死ヌタメニ生キテイル。子孫ヲ残ソウト、イジメラレヨウト、大キナ偉業ヲナソウト、ソレラ全テハ過程ニ過ギズ、記サレタ運命ニ過ギナイ。寿命、補食、自殺、他殺、病気。

全テノ運命ノ行キ着ク先ハ死デアル。

何カガ死ヌ度ニ魂ハ天ニ帰リ、何カガ生マレル度ニ魂ハ転生スル。

ソウヤッテ世界ハ回リ続ケ、ソウヤッテ世界ハ存在シ続ケル。

神ガ創リ出シタ箱庭ヲ持続サセルタメダケノ存在。

生物ノ存在価値ナンテソレダケダ


主「しかし俺はここにいる」


……ナンダト


主「死ぬために生きてるとか、そんなのどうでもいいんだ。実際そうだし、それが嫌で生きるための目的を見つける。たったそれだけの事だし」


……ソウデアロウ?


主「けど俺は違う。お前が言ったことが本当なら、俺は役目ってのを果たすために生まれてきた。死ぬだけが俺の価値じゃない」


……ナニガ言イタイ


主「お前は間違ってるし、それを何とかするのが俺の役目だってこと」


……ソンナ訳アルカ。人ガ神ヲ倒ス役目ヲ与エラレルナドト


主「おい黒」


呼んでのに無反応かよ。


主「何とか言えよ絶望野郎。まだ終わってないぞ。それ、俺が植え付けた幻みたいなやつだから」


また無反応。いつまでイジケてんだよ。


主「はやく立て俺!でなきゃ本当に間に合わなくなるぞ!」


……。


黒「本当に……まだ間に合うのか……」


主「そういってんだろ黒」


黒「そのあだ名は止めろ、俺が偽物呼ばわりされてるみたいで腹立つ」


主「なんだよ。いつまでも俺!なんて呼んでたって分かりづらいだろ? そんなに言うなら、俺にもそんなあだ名つけろよ。それなら文句ないだろ?」


黒「白」


主「よし。受け入れる」


黒はゆっくり立ち上がった。


黒「それで白。どうするんだよこの状況で。絶対絶命なんて次元の問題じゃねぇだろ」


主「勝算はある」


黒「勝算ン~? なら言ってみろよ」


主「お前も知ってるはずだぞ。それだけ有名なやつだからな」


それ以前に俺だからな。


黒「なら言えよ。なんなんだその有名なやつって」


俺が思いついた勝算。それは___


「フュージョンだ」


「は?」

よし! なんか終われそうな感じがあるぞ!

悪組織のうんたらは2とかセカンドとかGとかつけて再始動させた時にやればいいや。


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