あーあ。ぶっ飛んじまったなアアアアアアアア!
「待てよ」
俺はカディアを連れてこうとしてるやつらを呼び止めた。
「なんだよそろって俺の顔みて。変なものでもついてたか?」
「どうして……どうして回復してるんだお前は!」
「さっき気づいたんだよ。強制されてるのは回復だけ。なら、記憶そのままに3分前に戻せばいいってな」
「戻すって……時間を逆行したのか!?」
「そんなバカな!?」
ほーらみてみろ。視点を帰ればこの通りだ。
これはさっきカディアに教えてもらったことだ。
俺が規制されてるだけで、他の人間なら使える。
つまり回復できないわけじゃない。
体が修復しないわけじゃないなら、ちょっと戻せばなんてことはない。
「止めてください狂命さん」
カディア?
「もういいんです。ボディガードはこれでおしまいにしましょう? そうすれば、戦わなければアナタの寿命だって減ることは無いんです。だから」
「だから……なんだ?それが見捨てる理由ってのになるのかよ。俺は、別に仕事だからって命かけてるわけじゃねえ。お前が好きだから命かけてんだ。勘違いすんじゃねえ」
「でも!」
「はいはいはい。恋愛ごっこはこれで終わり。俺たちゃさっさと退散するぜ」
「ごっこじゃねぇ。ガチだ」
「どっちだって構いやしない。なぜってそりゃお前に寿命なんて残っちゃいねぇだろうがな!あって一年、いや二年か?」
「なに勘違いしてんだ」
ビクッと震える幹部ども。
「なんだって? それじゃあまさか、俺達の想定よりお前の魔法は燃費がいいってのか?」
「それは違うな。今日使ったのは……だいたい90年くらいだ」
「ほらな。それなら……おい待て。待て待て待て!今日だと!?」
「カディア。俺がこれからするのは、すごく残酷なことだ。それから、すこしぶっ飛んだ俺になる。そんな俺を嫌いになるなとは言わない。だがしかし、そんな俺を見ないで好きだなんて言わないで欲しい」
「それならお前は……いったい今まで何年の寿命を!?」
「ぶっ飛べ」
バン。っと頭を指でっぽうで撃ち抜いた。
あーあ。やっちまったな。
あーあ。イカれちまったな。
あーあ。ぶっ飛んじまったなァアアアアアアアアアア!
「ヒヒ。ヒヒュ。ヒヒヒヒヒャヒャヒャヒャアアアアアアアアアア!」
「ノータイムボルファイヤー!」
「おいボルゲート!不意打ちなんてお前らしくないぞ!」
「だまれグルマキ!言う暇があるなら、アイツを洗脳でも催眠でもして時間を稼げ!」
「言われなくてもそれくらい……!?」
この程度。この程度の攻撃がなんだ?
「おいおいおい!幹部NO1なんだろお前。この程度かよ」
たったそれだけじゃ俺には届かねぇんだなこれが!
「まさか今の全力じゃねーのかよ!倒せるような隙一つ晒してやったのに全力じゃなかったのかよ!」
あー、今一歩下がったー。てことはビビってる。つまりガチ全力だったのか。なーんだ面白くねー。
「ダイマ!こうなったら合体技よ!」
「わかってるよベルミ!」
爆発音の実体化ァ? そりゃ威力がありそうだな。
かわしておくか。
あっれぇ?うっごけねぇな。
「お前はもう動けない!」
なんだ洗脳か。やっぱり距離は関係ないのか。
じゃあ死ね。
「ウブォオオオオオオオオオオオオ!」
へっ!俺の絶叫でぜーんぶかき消してやったぜ!
そんでぜーいん吹き飛んでやんのぷっぷーウケるwww
「実体化した爆発音を打ち消すどころか、かき消してそのまま攻撃するなんて!」
「恐ろしいほどに規格外!」
「しかしアイツはもう動けない!ターゲットを連れて逃げれる!」
「あーね。もうそれきかねーよ。対策思いついたからな」
「対策?」
「ほーら俺は今、お前の後ろにいる」
背後を振り返った目隠れちびっ子の顔!絶望って感じで好きだぜ俺!
「行けカタタマ!」
「押し潰す!」
炎とゲートは別々なのか。こうやって頭上に仲間をワープさせたりってことも可能なわけだ。
しかーーーーーーーーし!
「グッチャンプレスゥ!」
固いだけのゴミなんて、潰しちまえばいいんだよ!
行くぜ決めるぜ決めゼリフ!
「……圧縮! 完・了」
「カタタマァアアアアアアアアアア!」
「そんな!俺の爆発でさえ傷つかない鋼鉄の体が!」
「たかが鋼鉄、潰せば等しく全てゴミ!」
「0距離音撃!」
なるほど。音の実体化とそれを自在に変化させているのか。
だから今ばらっばらになって、地面に落ちてグチャグチャになろうとしていると。
「復活の隙は与えねぇ!グラビティ!」
重力を操作して押し潰そうって魂胆か。なるほど確かに回復は難しい。
「死にやがれぇ!」
爆発に巻き込まれた俺の体は焼きつくされた。
回復は制限されているし、戻すってのも、同じ方法で好きではない。しかしだ。思いついたのだ。
回復魔法が使えないのなら、一時的に必要のない体になればいい!
「フェニィイイイイイイイックス!」
不死鳥になればいい!
「あの姿! まさかそんなことまで可能だっていうの!?」
「だが重力操作からは抜け出せねぇ!グルマキの能力で動けねぇのも事実!今のお前にどうすることだってできねぇだろ!」
否、否否否! 否定しよう!証拠に俺は今、お前の頭を潰したぞ。
「ダイマアアアアアアアア!」
「そんな……どうやって……」
「俺が耐えられても、コイツは耐えられねぇんだよなア!」
「まさか、反射!?」
「違ーう。共有したんだよ。あんな気持ちいいもの、俺だけが味わうなんてもったいないだろ?」
状況共有しただけでこの様か。あっけねぇ。
こうやって地面に潰れてどんな気持ちか聞きたかったなァ。
「そんな……効いてないっていうの!? ダイマの能力も、グルマキの洗脳も!」
「あっそうだ。俺お前のその能力好きだぜ? だから同じように返してやることにした」
「えっ? やっ……やあ……やだ……助けて……ダイマ……ボルゲート……ボス……」
ぷっ。おーできたできた。とはいっても、実体化とは違うけど。
おーおー、見事に頭吹き飛んでら。
「攻撃するな!」
「なんだ。お前まだ生きてたのか。……あーそっか。そういえば攻撃してなかったねごめんごめん」
「うるさい! お前なんて死んじまえ!」
おっと体が勝手に動いて死のうとしているー。
「そうだ!そうやって死ね!おとなしく死ね!死ね!君のせいだ!君のせいで、今でも頭に響くんだ! 彼女の声が、カーラの声が!頭の底で殺せと訴えてくる!だから死んでくれよオオオオオオみんなのためにぃいいいいい! 」
あっ、なるほど。コイツ、あの女のことが好きなのか。罪なやつだぜまったくよお。
「な……なんで?どうして僕の腕は吹き飛んだんだ?」
「どうしてって。そりゃ死んだからだよ」
「は?お前なに言ってんだよ。さっさと死ねって聞こえ」
「はい死んだ」
「はへ?あっ……あっ……あぁ……どうして僕の足があ……攻撃できないはずなのに……死ねって命令してるはずなのに……」
「だから言ってんだろ?俺はお前を攻撃してない。俺は死んだって」
「ひぇ……まさかお前……書き換えたのか!? 自分の中の常識を……言葉の意味を自分の中で書き換えたっていうのか!?」
「ごめーとー!そもそもの話、自分の中の認識を変えれば何でもできるって気づいたんだよ」
ほんと、遠回りなことしてたのがバカらしくなるくらい革新的だった。
「さーてと、お前に挨拶してやるとするか」
「やめろ……やめろ……やめろ!挨拶するな!近づくな! ……!そうだ、殺せ! 俺を殺せ!どうだ、言葉を書き換えたのなら殺せの意味だって変わってるはず! どうだこれでお前は」
「いえっさーファッキュー!」
うぇ!きったねー!清掃の人きっと大変だろうなー。
あ、そうだ。……よし。
「カーラって人、お前のこと好きじゃないぞ! じゃなきゃあの暴走野郎のことであんなキレたりしないからな!片思いなんてだっせぇな!」
よし、これで洗脳の恨みは帳消しにしといてやろう。俺優しいし。
そういえばカディアと燃え燃え男が居なくなってる。
だいたいの居場所がわかるからいいや。
さっさと行こう。
最後の台詞。あれは完全にブーメランです。ネジぶっ飛ぶとあんなことまで言えるんですね尊敬するなー。
そんなこんなでこの時間。俺は寝る。いや、すでにもう寝てるのさHAHAHA!




