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幕があがれば、ぶっとぶ合図

「そんな顔して、急にどうしたんだい? 」


「えっ、なんか変な顔してました?」


数日前のことだった。

期間でいえば、善組織に突撃してからカディアが家を訪ねてくるまでの間のできごと。

あれは、やることがなくてとっても暇をしていたあのころだった。

俺はその時のことを思い出していた。


「してたとも。それはもうこの世の終わりみたいな顔をね」


いったいどんな顔だよ。


「それにしても、まさか君が訪ねてくるなんて思わなかったよ。えぇっと……狂命君でいいのかな?」


「手がかり欲しくて店主に聞けば、まさかその人が転生者だったなんて思いませんでしたけどね」


今、目の前にいる小太りなおじさんは吾郎さん。ケーキ屋の店主にしてパティシエにして転生者だ。


「違うよ狂命君、私の場合は転移だ。言うほど変わらんがね」


生まれ変わりか神隠しかの違いなんて、たいしたことはない。

どちらだって、異世界に行く手段なんだから。

いや、気まぐれな時点で手段なんて呼べないか。

行く手段ではなく、()()()()()()に言い換えさせてもらおう。

これならば、個人的にだがしっくりくる。

決して自信がないわけではない。念のためだ。


「懐かしいな。君が転生する前の日本はどうだったのかね? 」


「でっかい鉄の塊が線路を走って、県から県へ移動できたり、傷つけない戦闘機に乗って外国へ行けるようになったり、なんでも出来るようになりましたって」


「謎なぞかな?しかし残念。私がこっちへきたのは、どうやらそんなに昔のことではないようだ。電車も飛行機も、私がいた頃にはあったからね」


「なーんだ。つまんね」


「そうだ、もし自分と同じ人がいたら聞こうと思ってたことがあるんだった」


「なんです?先輩が後輩に聞きたいことなんて……あっ、今の流行りの飲み物はタピオカです」


「そんな話はどうでもいいんだ」


どうでもいい!?


「聞かせてくれ、今のガンダムはどうなっているんだ」


えっ、ガンダム?


「えぇっと……まだシリーズは出てて、ガンプラとかSFとかSDとか……一番新しいのだと、百合要素がある学園ものと思わせてのいつものガンダムでした。……あと立像がたったり動いたりしてました」


「なんと……そこまでとは……というより、同じ同士と会えたことがこんなにも嬉しいなんて……」


ガンダム好きの転生者たちの思い出話は、弾んだし楽しかった。その他にも、いろんなこと話したし話して

もらったし、とにかくこの時間が、すっごく長く感じたんだ。


「そうか。そんなにも変わっていたのか。そんな話ばかり聞いていると、懐かしいと同時に……なんだか、帰りたくもなってきてしまう」


「それは同じです。俺だって、あの時勢いで死んだりしなきゃ、あの作品の続きが見れたのかなって、なんだか後悔してるような気がします」


「でもきっと戻れない。戻れたとすれば……あの時だけ。あの時そう願っていれば、私は……戻ることができたのかもしれない。でもあの時にはすでにもう、戻れないほどに大切な人ができていた。離れたくないなんて思えるほどに、大切な人が……」


「できたかもしれないって、どういう……」


そう聞き返したとたんに吾郎さんは、はっとするようにこちらを凝視する。


「そうか……君はまだ途中なんだね」


途中?


「君はまだ、役目を果たしていない。果たせばきっと、君の力と引き換えに願いを一つ叶えてくれる」


「力って……なにか力を持ってたんですか?」


「ああ。時間超越なんて大層な力だったが、その力は今はもう無いんだ。君もなにか持ってるんじゃないかね」


確かに……俺は持っている。

その力を言い表すなら無数の弾丸。

弾丸を全て撃ち切った時、俺は死ぬ。

そんな気がしているのではない。

これは事実で、当たり前のことなのだ。


「この力は……確かに特別です。でも、使えば使うほど死に近づいてく……もしそれが遥か遠くだったとしても、当たり前にしたくないんです。なんだかそれは、死ぬために生きているみたいで、好きじゃないから」


「その力で何をするかは君の自由だ。なんだってそれは君の力なんだから。使おうと使うまいと、それを止める権利はない。しかし、否定しよう。君がその力を持って生まれた以上、それは使うことを強制されている」


「それは、役目ってやつが関係してるんですね」


吾郎さんはそれに頷いた。


「君は運命の中でそう定められてしまった。つまり、これから役目を果たすまでに必要な力なのだ」


「俺に必要なのは否定ではなく、どう使っていくかを考えること……受け入れること……」


「でなければ君は、運命に殺されるだろう」


その言葉は、心のそこからの本気だった。

先輩ができるであろう、一番重要で重大なアドバイスだった。


「アドバイス、ありがとうございます。もう一つ質問いいですか?」


「なんだい?」


「どんな願いを叶えたんですか?」


吾郎さんは快く答えてくれた。


「パティシエの才能が欲しかったんだ。私が欲しかったものは、なりたかった夢の才能だったから」


間に合ったぜ……セェエエエエッフ!

ちなみにここのケーキ屋は、カディアと行ったケーキ屋。

新しくできたばかりっていうのは、吾郎がいろんな人にケーキを知ってもらいたいからいろんなところを転々としてるかららしいゾ。

つまり狂命は最近できたと知らずに店のケーキを食べてたことになるよ。この引きこもりが!

あっ、やべ。アトガキ書いてたら2分すぎちったよテヘッ!

それじゃあみんなまたねー

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