最強冒険者は異世界でも無双します
第一章最強達の集い
第二話眷属の脅威
「まあ、戦ってみれば分かるか」
俺は、そう言いながら鑑定する。
邪神の眷属 レベル???
表示されたのはそれだけだった。
「あれ、何かおかしい。一体どうなってんだ」
俺は、疑問に思いながらも戦闘態勢に移る。瞬間俺のいた場所へと魔法が飛んでくる。
「つ・・・!ノーモションかよ」
この時点で俺は、異変に気づくべきだった。全
てのモンスターには、大なり小なり攻撃前にそれ
に沿った攻撃モーションがある。唯一それが無い
のがこのゲームのラスボスだけだ。
「バーニングストーム」
俺は、魔法を放つ。しかし邪神の眷属には、全
く攻撃が通らない。
「ち、やっぱりダメか。さてどうしたもんか」
ソロである以上タメが長い攻撃は出来ない。となれば、一撃の攻撃力を上げて削り切るしかない。
「身体強化。魔力強化。貫通付与。限界突破。防御力弱体。移動阻害・・・」
俺は、今出来る様々な強化や弱体化をする。
「ワールドエンド」
大賢者のみが使える究極魔法を放つ。炎、水、土、風を複合した魔法であり1日に一回しか使えない必殺技でもある。
「グギャー」
邪神の眷属が叫ぶ。濛々と立ち上がる土煙に視界は遮られて見えないが確かな手応えを感じていた。
「頼むからこれで倒れてくれよ」
祈るような気持ちで土煙が晴れるのを待っていた。しかし、土煙の先には絶望が待っていた。
「オォォォー」
邪神の眷属が叫びを上げると同時に触手が飛んでくる。
「物理防御」
咄嗟に防御魔法を発動するが最も容易く防御を撃ち破る。
(あっ。これはダメだ)
俺は、その瞬間死を覚悟する。しかし、これでも大賢者と呼ばれている。そう易々と死ぬ訳にはいかない。最後の切り札として死と共に発動するスキルをお見舞いする。
辺りが真っ白に染まる。その後空間が歪み全てが黒に飲み込まれる。
「ブラックホール」
その言葉を最後に俺の意識は途絶えた。
「邪神の眷属の死亡を確認しました。討伐者に恩恵が与えられます。プレイヤーをスキャン開始・・・。失敗しました。再度スキャンします。・・・失敗しました。プレイヤーの死亡確認。データを再構築します。・・・成功しました。恩恵として異世界に転移します。」
そんな声を聴いているものは、誰も居なかった。その言葉の後、光に包まれながら彼のアバターは、姿を消した。