表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/73

42_抜け殻の照葉

私、小鳥遊たかなし照葉てるはは、朝のホームルーム以降、全く記憶がない。

あまりにも衝撃的すぎることが起きた。

起こってしまった・・・

既に起こってしまった。


セリカくんに許嫁が現れました・・・

許嫁って婚約者?


これは事実。

変えられない。

変わらない。


『許嫁』ってことは、『付き合ってます』を通り越して、『将来結婚します』ってことで、『親公認』ということよね・・・


『何の障害もなく、幸せです』ってことよね。

私が入ったら、私の方が『障害』ってこと・・・(涙)


たしか、朝の千早ちはやちゃんとの話では『私がセリカくんにいつ告白するか』という話だったはず。

その話から1時間もしないうちに、一気に地獄に転落してしまった。


出来る事なら、時間を巻き戻したい。

でも、どこまで巻き戻せば間に合うの!?


今朝かな?

春休み前?

1年前?

それとも中学生の頃?


ああ・・・時間を巻き戻すなんて現実的にはできないこと。

いくら考えても現実は変わらない。


そういう意味では、千早ちゃんはいつも現実的。

千早ちゃんが言っていることは、いつも事実だった。


もっと早く、彼女の言葉に耳を傾けていれば・・・


何度も『たられば』ばかりが浮かんでは消え、消えては浮かぶ。



少し建設的に考えてみよう。

私に有利な点を考えてみよう。

きっと私も有利なところがあるはず。

私の家とセリカくんの家は近い。


はて、堀園ほりぞのさんはどこに住んでいるのだろう・・・

ああ、私は堀園ほりぞのさんのことを何も知らない。


孫子さんもびっくりだ。

敵を知り、己を知れば百選危うからず。

敵のことも自分のことも知らない私は・・・


じゃあ、堀園ほりぞのさんと私の違いを考えてみよう。

有利な点が見えてくるかもしれない。


見た目について考えてみる。


堀園ほりぞのさん→飛び切り可愛い

私→普通


ダメだ。

次!


立場について考えてみる。

堀園ほりぞのさん →許嫁 →親の結婚の許可(有)

私 →幼馴染 →親の結婚の許可(無)


負けてる!

次!


身長について考える・・・

堀園ほりぞのさんは、私よりちょっと背が低かった。

セリカくんと並ぶと頭一つ分くらい背が低かった。

ちっちゃくって可愛かったなぁ・・・


ぶるんぶるん。

ダメよ。

自分の良いところを考えないと!


はあ・・・あんまり有利なところが思いつかない。

じゃあ、何が悪かったのか・・・私の罪を数えよう。


春休みの使い方を間違えた?

毎日セリカくんに連絡すればよかったのか・・・


私がセリカくんのことを好きだってバレてしまうのが恥ずかしくて、一度も連絡できなかった。

送らなかったメールは数知れない。

今も私のスマホの未送信フォルダにたくさん残ってる。


ちょっと待って。

堀園ほりぞのさんとはいつから結婚の約束をしていたの?

春休み前にはそんなことは何も言ってなかった。


高校に入ってから?

中学?

それとも出会った時には既に??



私とセリカくんの間には、何の約束もない。

指輪みたいに形のあるものもない。


小さい時には一緒に遊んでいたけれど、中学生になってからは一緒に出掛けたこともない。


むこうが『許嫁』ならば、こっちは『幼馴染』。


同じことをぐるぐる考えているだけ。

何も進んでない。


分からないことは堀園ほりぞのさんに聞いてみよう。

はっ!気づけば放課後!


教室には誰もいない・・・

私はこの日、堀園ほりぞのさんにもセリカくんにも何も聞けなかった。

ちょうど、千早ちはやちゃんが迎えに来てくれたので、何とか大丈夫なように振舞って帰った。


照葉ちゃんどうなるのか目が離せないよ・・・


ブックマーク登録すると、更新のお知らせがきます。

ぜひ、タップ(クリック)してください。


すごくブクマと評価が増えているので、

ストック6回分になったんです。

もうちょっとで1日10回更新ができるのに・・・


ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ