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謁見②

何故10歳になったらなのかよく分からなかったが後で教えてもらうこともできるだろう。俺が質問して機嫌損ねられたら嫌だしね。


国王陛下こと、エドワードは少し間を置いてから口を開いた。


「すまない、本題を忘れるところだった。改めて言おう。ハワード領魔物掃討作戦、本当によくやってくれた。感謝する」


ようやく本題に入ってくれたか。


「いえ、我ら親子は陛下に預かっている領地を守ったまででございます。褒められるようなことではございません」


「父上の言うとうりでございます」


「ははっ! そう言ってくれるとこちらも気が楽だ」


そう言ってからエドワードは俺に向かって言ってきた。


「アルバート、単刀直入に聞くが、君は本当に魔物達を倒したのか? ジャックが嘘を言っているようには見えないけどやっぱり5歳の子供が魔物を討伐するなんて前例が無いからね」


やっとこの質問か……。正直に答えた方がいいだろう。父上も現場を見たしね。


「はっ! 僕が魔物を倒しました。陛下、少し部屋が光りますがよろしいでしょうか?」


エドワードとその横に侍る宰相は目を合わせた後俺に向かってうなづいた。


「構わん。許可する」


「ありがとうございます。陛下。少し眩しくなりますのでご注意下さい」


そうして俺は大精霊ウンディーネこと、アクアを召喚するべく立ち上がり唱えた。


『召喚!』


すると、俺は見慣れた光景である虹色の光を目にした。謁見の間のステンドグラスを通して差し込む光との調和はえも言われぬ光景だった。


エドワードや大臣は眩しい光に目を腕で覆い隠す。


数十秒後、光が止む。


「陛下、もう大丈夫ですよ?」


「ああ、そうか。分かった」


そうして陛下と宰相は手を下ろす。


エドワードと宰相が目にしたものは別格の存在だった。


「この子は僕の契約精霊です。水の大精霊ウンディーネ、名はアクア」


そうしてアクアは陛下に向かって礼をする。


「や、やはりジャックの言っていたことは本当だったのだな。まさか書物でしか見たことがない水の大精霊ウンディーネ様と契約するとは……は、ははっ、もう何も言えまい」


そうしてエドワードは間を置いてから俺に尋ねた。


「アルバート、君は反乱とか起こしたりしないよね?」


ん?ああ、水の大精霊ウンディーネを従える俺を怖がっているのか?でもこの王国は俺の生まれた国だし別に悪いことなんてしようとも思わない。


「そんなことしませんよ。するとしたら僕が王国の貴族の一員である限り、国を守ったりすることだけです」


「そ、そうか。なら安心した」


そうしてエドワードは胸を撫で下ろした。


話がひと段落したところで俺は思っていたことを言ってみることにした。

やっぱり聞きたいしね。



「……あの陛下、話は戻りますが、なぜ10歳になったらなのでしょうか?」


エドワードは少し間を開けてから言った。


「ああ、そんなことを話してたな。実は王国ではあまり祭りというものがない。ほとんどの子供達が10歳になると学校へ入る。そこでだ。王国民全員で子供達の成長を祝おうという祭りを来年から企画しているのだが、アルバートお前は王立フォルトナンセ学園を受験する予定だな?」


「はい、その予定です」


「王立フォルトナンセ学園の生徒は祭りが始まってから職業体験をやってもらう。これは生徒達にたくさんの経験を積ませたいからだ」


そう言った後、さらに声のトーンを低くして俺に向かって言った。


「アルバート、お前には我の相手をしてもらわねばならん。我も鍛錬を怠るつもりはない。お主の力量は先ほど見て分かった。先生になって欲しい」


俺は最初、陛下が何を言っているのかがわからなかったが徐々に

頭の中で理解が追いついた。


そしてこれが俺の答え。


「えええええええええええええっっっっ!!!!!」




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