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魔女奇談  作者: イオタ
1/2

CASE1 犬と女の子

この物語は、基本、ホラーandバッドエンドです。

そういうのが嫌いな方は、読まないほうがいいです。


読まれた方は、感想を送ってもらえると嬉しいです。

「ペロ、ペロ、目を覚まして!!」


あたしが揺さぶっても起きない。

ペロは死んじゃったの??


ペロは、あたしが飼っている犬の名前。

ペロはあたしが小さい頃から、飼っていた犬で、小さい頃から一緒にいたの。

でも、今はもう息すらしてない。

ただ、眠ってるように見えちゃう。


「ママ、ペロはまだ死んでないよね??」とあたしが聞いても、

「ペロはもう死んでしまったの。眠っているペロはもう起きないの。」


パパは、「ペロはもう目を覚まさないんだよ。だから、ペロをゆっくり眠らせてあげなさい。」


「そんなの嘘よ! ペロはただ眠ってるだけよ! 明日になればペロは目を覚ますわ!」


あたしは強く、強くそう言った。

そうしないとペロが目を覚ますと信じたから。

涙をこらえてそう言ったの。



ママとパパは、あたしを慰めようと必死。

でも、あたしは信じない。

ペロが死んだなんて、信じない。

ペロはただ眠っているだけ。 いつもみたいに、眠っているだけよ。


「明日、きちんとお別れをするから、ペロと過ごしなさい。それがペロとの最後の時間だよ。」とパパはそう言う。


ママは、「あなた・・・。」と言うけど、あたしは何も言わなかった。

だって、最後の時間なんてこないもの。ペロは目を覚ますわ。


「あの子には、死を受け入れる事も大事な事だよ。だから、今日はペロと一緒にいさせてあげよう。」


「わかったわ・・・。」


そういうと、パパとママは寝室へ行ったの。










どれくらいの時が経ったかは分からないけど、リビングであたしはペロを自分の膝において、ペロの頭を撫でたの。

そうすれば、ペロは甘えてくるから。


「ペロ、ただ眠ってるだけだよね? 明日になれば、きちんと目を覚ますよね??」

「いいえ、ペロは永久に目覚めないわ。死んじゃったから。」


パパの声でもない。ママの声でもない。

あたしが振り返ると、そこには黒い着物を着たお姉さんが。

あたしは声を出そうとするけど・・・・声が出ない。


でも・・・ペロが死んだなんて嘘よ。


「嘘じゃないわ。あ・・怖がらなくても大丈夫。あたしはサユ。あなた、可愛がってた犬が死んじゃったんでしょ??」


あたしはただうなづくだけ。

でも、どうしてこのお姉さん、ペロの事を知ってるんだろう?

今、冷静になってみてみると、このお姉さん結構、美人・・。

色白で髪の毛が茶色で沢尻エリカさんみたいな顔をしてる。


「美人? あたしはかわいいのほうがすきなのに・・・・・ま、いいか。

今から、あたしの言う事をよく聞いて?

 あたしは、あなたの願いを3つだけ叶えてあげる。

 でも、そのかわり、あなたの願いが叶ってどんな事が起こっても、あたしは責任はとらないの。いい??」


「本当にお願い事を叶えてくれるの?」

あたしは声を出した。だってびっくりしてるんだもん。


「嘘は言わないのがあたしの主義。何べんもしつこく言うけど、3つまでなら願いを叶えてあげる。そのかわり、何が起きてもあたしは知らないし、責任もとらない。」


「じゃあ・・・。」あたしが言葉を発しようとすると、「ペロは死んでる。でも、生き返らせる事は可能よ。あなたの願いなら。」


ペロは・・・。

「死んでなんかいない? あなたは内心分かっているでしょう? ペロは永久に目を覚まさない。」


「じゃあ、今、ペロを生き返らせてよ!!! お願い!」

あたしは涙をこらえて強く言った。


「OK。」

サユはそう言うと、ペロの頭の上に手をのせて・・・何か小声で言う。




「・・・よし、明日ペロは目を覚ますわ。生き返るわよ。」

「本当??」

「嘘はつかない主義なの。」

「でも・・・。」

「じゃあ・・・はやく眠ってペロのところに行きなさい。そうすれば分かるから。」


「・・・ありがとう、サユ。」

「どういたしまして。あ・・・あなたそういえば名前は?」

「あたし? あたしは上原美由〈うえはらみゆ〉。」

「美由。いくつ?」

「11歳。」

「そう・・・・。美由、あなたの旅路に幸あらん事を。」




「おやすみ、サユ。」










ん・・・・寝ちゃった。

変な夢見ちゃった・・・ペロは??


「ワン! ワン!」


あたしが目を開けた先には、元気なペロの姿があった!

「嘘・・・・!!」


「ペロ!」とあたしが声をかけると、ペロがあたしに抱きついてきた。



「パパ、ママ大変なの! ペロが目を覚ましたの!!」

「嘘だろ?」

「信じられないわ。」


「早く来て!!」


パパとママはびっくりしていたけど、あたしと一緒に喜んでくれた。




「お願い事はあと2つね。」

クスッ。


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