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異世界の観察者  作者: 天霧 翔
第三十一章 故郷巡り
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 その後、ひとしきりエレンにしばかれた。まあいつも通りある程度手加減はしてくれているのでさほどダメージはない。


「さて・・・」


 アキは改めてミルナ達をじっくり観察する。みんながそれぞれ色とりどりの水着を着ており、とても華やかだ。アリアは実にいい仕事をしてくれた。眼福だ。


「うー・・・やっぱり恥ずかしいですわ・・・あんまりみないでくださいませ・・・」


 ミルナが恥ずかしそうに呟く。


 そんなミルナは白色のビキニを着ている。なんていうかもの凄く色っぽい。


 というかエロい。


「ミルナ、似合ってるぞ。」

「ほ、ほんとですの・・・?」

「うん、ナイスおっぱい。」


 まあ言うまでもなく、胸が凄い。水着が今にもはち切れそうな勢いだ。


「アキさん!!!それで褒めてるつもりなんですの!?」


 だがミルナが色っぽいのはその爆乳のせいだけではない。太ももや腕、そしてお腹も良い感じに肉がついている。瘦せすぎているわけでもなく、太っているわけでもない。丁度いい具合だ。男が好きな体系と言えばわかりやすいかもしれない。


「もちろん。エロイぞ、ミルナ。」

「全然嬉しくないですわ!?見ないでくださいませ!!!」


 そういってリビングにおいてあるソファーの後ろに隠れてしまう。普段は積極的で事あるごとに「既成事実ですわ!」とか言ってくるのに、いざという時は純情だからミルナは可愛い。


 さて、とりあえず次だ。


「ベルも似合ってるぞ。」


 ベルの水着は濃いブルーのビキニ。普段のドレスと同じ色でとてもよく似合っている。もしかしたらアリアはみんなの普段着の色に合わせて水着を作ったのかもしれない。ミルナやソフィーもそうだったし、多分そうなのだろう。


「そ、そうですか・・・?でも下着みたいで・・・やっぱり恥ずかしいです。」


 ベルが少し恥ずかしそうに頬を染める。


 だがベルはミルナのように取り乱して恥ずかしがる様子はない。このあたりはさすが王女という事か。肝が据わっている。まあ一国を背負っている立場なのだからちょっとやそっとで動揺したりしないよう教育されているのだろう。


「そうか?まあ海で遊ぶと時に着る服だと思えば恥ずかしくないさ。」

「そ、そうかもしれませんが、こんな肌を晒すなんて・・・まあアキさんだから別にいいんですけど・・・」


 ベルはいつもロングドレスを着ているし、胸元くらいしか露出がない。きっとここまで腕や足を出す事に慣れていないのだろう。だが水着を着ているからわかる。ベルも相当にスタイルがいい。全体的に引き締まっているし、出ているところはちゃんと出ている。


「ベル、素敵だぞ?」

「えへへ・・・ならよかったです・・・頑張って着た甲斐がありました。」


 嬉しそうに微笑むベル。


 ベルを褒めるのはこれくらいでいいだろう。それより他の子達も水着を着てくれたのだからちゃんと褒めておかなければ。


「みんなも似合ってるぞ。」


 これは社交辞令ではなく、本心だ。


 エリスは青、リオナは紫、エリザはワインレッドのパレオタイプの水着。そしてイリアは赤、セシルはピンク色のビキニだ。やはりアリアはみんなの普段着の色に合わせて水着を作ったらしい。


「ところでリオナにエリザ、尻尾どうしてるんだ?」


 ちょっと気になったので聞いてみる。


「え、わ、私?えっと尻尾穴があるからそこに・・・ほら、こんな感じ・・・」


 そういってリオナは後ろを向いてお尻を見せてくれる。


 確かにリオナの言う通り、水着のお尻部分に穴が開いているようで、そこから尻尾が出ていた。


「なるほど。」

「あんまみないでよ・・・?」


 リオナは少しだけ涙目になりながらそう呟く。


「ああ、悪い。」


 いくら尻尾を見たかっただけとはいえ、リオナからしてみればお尻を見られているのと変わらない。女性の臀部を凝視するのはデリカシーに欠ける気がしたし、早々に目を逸らす。


「私もリオナちゃんと一緒よ。み、みせてあげないけどね!」


 そういってエリザはミルナ同様ソファーの後ろに隠れてしまう。


「見ないから出て来い。」

「いやよ!恥ずかしいもの!」

「せっかく可愛いのに。」

「そ、そのうち!慣れたら出るから!」


 まあエリザの言う通り、確かに着ていればすぐ慣れるだろう。それにどうせこれから海で遊ぶんだ、その時にじっくり見ればいいか。


「もちろんエレンも可愛いぞ。」


 アキの背中に隠れていたエレンにも声をかける。


「う、うるさい!」


 ちなみにエレンは黒色のビキニを着ている。普通に似合っているし、可愛い。まあエレンはスクール水着的なのを着ても似合うと思ったし、アリアはそのくらいの嫌がらせくらいはすると思ったのだが、意外や意外。普通の水着だ。


「だから似合ってるって、うるさいは酷いだろ。」

「う、うるさいわね!こっちみんな!変態!」


 顔を真っ赤にして怒るエレン。


 だがエレンに関しては、本当に普段着とほとんど変わらない。強いて言うなら足を出しているくらいだ。ここまで恥ずかしがる理由がわからない。


「はいはい。」


 まあエレンもそのうち慣れるだろう。今はそっとしておくとしよう。


 これで全員・・・じゃないな。


「ところでルティアとアリアはどこだ?」


 見当たらない2人を探す。


「ん、ここ。」


 いつものようにアキがルティアの名を呼ぶと、ルティアはスッと姿をみせる。


「ルティアは・・・」


 改めてルティアを見るが・・・まさかのこっちがスクール水着だった。


 だが確かにルティアは胸も体も一番小さいので、非常によく似合っている。


 さすがアリア、よくわかっている。


「ん。どう?」


 だが感想を聞かれるのは正直困る。水着は似合ってはいるが、別にセクシーではない。子供っぽくて可愛いとは思うが、それを言うとルティアは絶対に拗ねるだろう。


「可愛いよ?」


 父親が娘を褒める気分だ。


「せくしー?」

「そうだね?」

「むふー・・・おとなのおんな!」


 アキがそう言うと、嬉しそうに鼻を鳴らすルティア。棒読みだった気がしなくもないが、満足してくれたらしい。


「それで・・・肝心のアリアはどこだ?」


 アキはリビングを見渡すが、やはりアリアの姿は見当たらない。さっきからアリアがいないと思っていたが、やはりリビングにはいないようだ。水着を作った張本人は一体どこへいったのか。


「アリアさんは・・・逃げましたわ。」


 アキが首を傾げていたら、ミルナが教えてくれた。


「なんだと?」

挿絵(By みてみん)

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