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異世界の観察者  作者: 天霧 翔
第二十九章 国家会議
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「みんな、ミレーに行く準備は出来た?1週間くらいは戻れないからね?」

「「「「はーい!」」」」


 大丈夫ですと返事をするミルナ達。


 今日もうちの子達は元気だ。


 国家会議を2日後に控え、アキ達はミレーへと転移した。当日の移動でも全く問題はないが、数日前に現地入りしておいた方がいいとベルが言うので、早めに向かう事にしたのだ。


「私もだいじょうぶです!」

「大丈夫だよ!」

「私も問題ございません。」

「アキおにーちゃん!大丈夫!」


 シャル、ナギ、ジーヴス、ユミーナもそれぞれ返事をしてくれる。今回は彼女達も連れて行く。せっかくなので全員での旅行だ。


「じゃあ出発。」

「「「「おー!」」」」


 ユーフレインでユキから爵位を貰ってから数日が経った。


 今日までもっとバタバタするかと思いきや、結構時間を持て余してしまった。当初はエスぺラルドとサルマリアの王族達を転移でミレーへ連れて行く予定だったのだが、それをする必要がなくなったので、余計暇になったのだ。何でも両国とも馬車で向かう事にしたらしい。


 エルミラ曰く、


「いいんですか?転移じゃなくても?」

「うむ、最初はそのつもりだったのだが・・・よくよく考えればわしらだけで行くのはおかしな話だろ?護衛や使用人を連れて行かないのはさすがに不自然だ。」


 との事らしい。


 言われてみれば至極もっともな事で、各国の王族達だけがミレーに集まっているのは不自然極まりない。アキが不用意に転移魔法で王族達を連れて行ったりなんかしたら、周囲の貴族や護衛達は大騒ぎする事は請け合いだ。それに護衛を連れていかないと、彼らのミレーでの行動も制限されてしまう。いくらベルフィオーレが平和だとはいえ、王や王妃が護衛や側仕えも連れずに出歩くのは不味いだろう。


 そもそも馬車で旅をするのも王族・貴族としての義務の1つだとエルミラは言った。アキはあまりピンと来なかったが、「護衛や使用人を連れて旅をし、各地でお金を落すのは大事なんです」とベルが説明してくれて納得した。確かに王や貴族が移動するとなれば大所帯になるだろう。旅の途中で立ち寄る村や街に多大なる恩恵があるのは間違いない。


 ちなみにアキがベルの護衛でミレーに初めて馬車で行った時は、数人の使用人や護衛達しか連れていかなかった。あの時はアキ達がベルの護衛についていたからあれで許されたのだ。本来であれば数十台の馬車で、数百人が移動するのが普通らしい。


 そしてサルマリアへ行った時は、馬車1台という少なさだった。当然これも例外中の例外。そそもそもアキやミルナ達のような複数人のSランク冒険者が同行するのはありえないからだ。それにこの時はベルは王女としではなく、「平民であるアキの婚約者」として付き従っていたので、特別に許された事なのだとか。


「アキ君も今後はなるべく馬車を使うようにな。」

「はい、善処します。」


 だがそんなアキも先日貴族になってしまった。これからアキは侯爵として行動する事になる。幸いにもアキやミルナ達はSランク冒険者なので護衛を大量に付き従える必要はないらしいが、移動する際は出来るだけ馬車を使って欲しいとの事だ。


 面倒だが仕方ない。


 まあ使用人は今回のようにアリアやナギ達を連れて行けばいいし、特に問題はないだろう。ただ移動時間がかかるというデメリットが増えるというだけだ。それにどのみちある程度ベルフィオーレやユーフレインの事が落ち着いたらオリハルコンは封印するつもりだったので、自由に魔法が使えないという不便になれるのには丁度いい。本当であればいずれユーフレインとは完全に関係を断って、ベルフィオーレに腰を据える予定だったのだが、ユキが「王女頑張るからこれからもベルフィオーレにつれて行きなさい」と条件を出して来たので、オリハルコンの完全な封印は難しそうだ。


 とりあえず馬車での移動は次回からだ。今回は転移でミレーに移動する。


「ミレーに到着。転移は楽だなー・・・」


 まあ次回以降もプライベートな用事なら転移はバンバン使うつもりではいる。ユキのせいでオリハルコンの完全な封印が無理なのだから有効に使っていくつもりだ。

挿絵(By みてみん)

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