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異世界の観察者  作者: 天霧 翔
第二十八章 国家会議に向けて②
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「で、家名は決まったのか?」

「もちろんですわ!素晴らしい案が沢山ありますのよ!」


 ドヤ顔のミルナが溢れんばかりの胸を突き出す。「胸を張る」・・・うん、まさにミルナの為にあるような言葉だな。


「一応聞いてやろう。」


 先程までのやり取りを聞いている限り、しょうもない案な気がするが。


「私は『レインバース』がいいと思いますの!」


 それはミルナの家名だろ。どこが素晴らしい案だ。


「ずるいです!アキさん、ここは『クレイアス』にしましょう!」

「そ、それなら『エンフレン』でもいいわよね!ね、アキ!」


 全くよくない。ソフィーもエレンも結局自分の家名を言ってるだけだ。


「リオナ、なんとかして。」

「えーっと『ボルクス』も良いと思うんだけど・・・どうかな?」


 リオナ、お前もか。可愛く尻尾を振っても駄目だぞ?


「アキさん、ここは間を取って『エスぺラルド』がいいかと。」


 今度はベルだ。どこの間をとったらそういう考えるになるのか。そもそもミルナ達の家名を採用するわけがない。そんなのを採用したら対外的にはアキが婿入りしたように見えるし、それは色々と問題あるだろう。


 そういえば・・・婿?


「なあベル、結婚したらベルは俺の嫁になるのか?それとも俺がベルに婿入りするのか?」


 ミルナ達の馬鹿な案のおかげで思い出した。


 ベルは王女だ。そんな彼女を嫁に貰うのか、アキが婿入りするのかで大分話は変ってくる。エスぺラルド第一王女であるベル。エルミラとルベルシアの間に他の子供はいない。つまりベルが王位継承権第一位。一応エルミラも側室や妾などはいるらしいが・・・今のところベル以外の子を授かるには至っていない。他に継承権のある王女や王子がいない以上、アキがベルに婿入りし、王配になるのが当然の流れではないだろうか。そしてその場合、アキはエスぺラルド性を名乗る事になるだろう。


 だがベルの態度を見る限り、どうも彼女は嫁に来る気満々のようだ。さらに今日、侯爵の爵位を受け取った際、エルミラ達は「家名はどうするか?」と聞いて来た。もしアキを婿入りさせる気なのであれば、わざわざ家名なんて確認しないはず。エルミラやルベルシアもベルを嫁に出そうと考えている気がする。


「そういえばその話はしていませんでしたね。」

「どっちなんだ?」


 アキとしては正直どっちでもいい。今更ベルと結婚しないという選択肢はありえない。王配になる必要があるならなるし、ベルが嫁に来るならそれでもいい。


「もちろんアキさんのお嫁さんになります!」

「ベルが嫁に来るのか。でもそれだと王位継承権を持つ者がいなくなるよね?大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ?」

「そうなのか・・・?」


 王位は世襲制のはず。そして現在、王位継承権はベルしか持っていない。


 そんな彼女を嫁に出すのは不味いのでは?


「あ、なるほど。アキさんはこの国の王位について少し思い違いをしているみたいですね。」

「え、どういうこと?」

挿絵(By みてみん)

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