表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の観察者  作者: 天霧 翔
第二十八章 国家会議に向けて②
634/1143

5

 結局ミルナ達の喧嘩が終わるまで30分程かかった。まあ喧嘩と言ってもいつものじゃれ合いだ。喧嘩するほど仲がいいという奴だな。


「うんうん、みんな仲良しで俺は嬉しいよ。」

「アキさん、目が腐ってるのでありませんか。私達のどこが仲良しに見えるのですか。」


 やれやれとアリアが溜息交じりに呟く。


 うん、わかってる。そもそもこの子達が仲良く出来るとは未来永劫思えない。そんな事はわかってる。だけどその言い方は何かムカつく。それに目が腐ってるはさすがに酷くないか?


「まあ・・・いつも言ってるけど程々にな。」

「わかってますわ。ここにいる誰か1人が欠けてもアキさんは悲しみますもの。みんなそんな事は当然わかってますわ。」


 ミルナがくすくすと笑う。


 まあ仲良くはないが、お互いがお互いを「アキの大事な人」だと認め合っていると言ったところだろう。それならもう少し歩み寄って友達くらいして欲しい物だ。


「なら仲良く・・・」

「それは無理ですわ。」


 当然と言わんばかりの顔でアキの言葉を遮るミルナ。


 やっぱり仲良くするのは即答レベルで無理らしい。


「それよりアキさん。」

「どうした、ベル?」

「お金の調達方法は決まりましたが・・・ユキさんへの説明はどうするのです?」

「ああ、そっちか。」


 ユキに正直に話すのか、適当に誤魔化すのか決めてなかったな。ただこっちについては正直考えるまでもない。アキの中ではもう既に決まっている。


「正直に話して謝るよ。怒られるだろうけど、変に隠すよりはいいだろう。」


 ユキに隠して嘘がバレた時の方が最悪だ。せっかく築いた信頼関係がなくなってしまう。それなら正直に話して怒られた方がましだろう。


「ふふ、そうですね。それにユキさんなら『其方だから特別に許すわ、でも今回だけだから!』とか言って許してくれると思います。」


 そうだろうか?さすがにそう簡単に許してはくれないと思うが。強かなユキの事だ、見返りに何かしらの手伝いくらいはさせられる気がする。


「無理だろ。流石に何かしらの要求はしてくると思うぞ?」

「・・・」

「どうした?そんなきょとんとした顔をして?」

「いえ・・・アキさんってそう言えば馬鹿でしたね。」


 ベルが呆れた表情を浮かべている。というか何故悪口を言われたんだろう。オブラートに包むどころか、面と向かって馬鹿とか言われたんだが。


「酷くない?」

「酷くないです。馬鹿に馬鹿って言っただけです。そんな事よりこれからどうするんですか。剣の製作依頼?それともユキさんに謝罪に行きますか?」


 そんな事とか軽く流れたんだが。なんか納得いかない。


「剣の製作依頼はもうした。だからこの後受け取りにいくよ。その後シズに渡しに行こう。多分夕方までには全部終わるだろうから、夜にユキのところへ謝りに行く。そうすれば今日1日で全部片付くだろ。」


 まだ昼前だし、時間的にも余裕がある。


「あら?アキさん、拗ねてます?」

「いや別に。」

「ふふ、お可愛い事。私に馬鹿って言われたから拗ねてるんですね?」


 くすくすと楽しそうに笑うベル。


 鬱陶しい。ベルが執拗にアキを弄ってくる。いつもいじめるからその仕返しか?まあ自業自得だと思わなくもないが・・・ベルの弄りを甘んじて受け入れるのはなんか癪だ。


「ふむ、久々にアレをやるか・・・」

「・・・え?」


 ――フサァ・・・


 そうアレと言ったらアレだ。ベルの下着召喚。


 これをやるのは実に久々だ。転送・召喚魔法を覚えた頃はしょっちゅうやっていたのに、最近はすっかりご無沙汰になっていた。初心忘れるべからず。


「ちょ!?いきなり何してくれてるんですか!!!」

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ