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「予定通りだね。明日からはBランクの依頼を10回だ。それを4日でやる。」
アキ達は屋敷に到着するとリビングで明日以降の打ち合わせしている。一応今日でミルナ達はAランクにあがった。ちょうどいい区切りなので、改めて予定の再確認をしている。
「明日1日くらい休息を挟んでもいいんではないでしょうか?」
ミルナがアキの体調を心配したように提案する。
「ですです、お休みしませんか?」
ソフィーも同意する。エレンやレオも頷いている。
「うーん、それでもいいけどそれは王都に行ってからにしようよ。ミルナ達と王都への旅も楽しみなんだよね。だから早く終わらせて出立したい。」
「そっか、アキがそういうなら僕はそれでいいけど。でも疲れてない?」
レオがアキに尋ねる。
「それは皆も一緒。第一リオナは平気そうじゃないか。」
「一応僕たちはAランクだし……でもアキにとっては格上相手ばっかだから疲れるんじゃないの?」
確かに実力差のあるレオ達とは疲労度も段違いだろう。体力も明らかにアキの方が劣っている。
「まあ、確かにそうかも。でも大丈夫。多分最終日は依頼には参加しないから。そこで休むよ。」
「アキ、どういうことよ。なんで最後にアキは参加しないのよ。」
アキが告げるとエレンが不満そうに尋ねてくる。
「最終日だからガランの所に武器を取りに行ったり、エスタートの爺さんと今後の打ち合わせをしたりしないといけないからね。俺だけ別行動しようと思ってる。」
「だ、だめよ!」
エレンが叫ぶ。
「そうです、ダメですわ。それなら1日、出立をずらしましょう。」
ミルナもエレンに同意する。アキが街中で1人になることを許さないらしい。
「うーん、そこはずらしたくないんだけどなあ……。駄目?」
「だーめ。」
「ダメです、許しません。」
レオとソフィーにも反対される。
「みんな心配しすぎ。嬉しいけどね。」
そう言って隣にいるエレンを撫でる。
「じゃあこうしよう、爺さんの馬車で終日送り迎えしてもらう。勿論ガランのところまでもね。それなら皆に心配かけないし、いい?」
「まあ……それなら。」
そう提案するとミルナが渋々納得する。エレン達もまだ不満そうではあるが、一応了承してくれた。
「もし何かあったら助けに来てくれるでしょ?」
アキが笑う。ミルナ達もそれを見て安心したように微笑む。
「準備は整ったかな。」
アキは庭に出て自分の訓練を始める準備をする。だがその前に少しだけ思考に耽る。
セシルから今日聞いた話を以て準備はできた。最終日に別行動する提案も無事受け入れて貰えたし特に問題はないだろう。エスタートには既に話してあるし、滞りなく進むはずだ。この計画についてはなるようになるはずなので、アキは明日の討伐依頼へと考えを切り替える。
「あと3日は依頼三昧。Bランク依頼の魔獣、俺1人でも行けるかな。」
おそらく倒すのは無理だろう、だが持ち堪える練習をする格上の相手としてはうってつけだ。ミルナ達にまた心配されるだろうけど。
「明日は魔獣のレベルを確認して、明後日にでもちょっと1人で試させてもらおうか。あとエレンやレオ、そしてソフィーにも改めて本気で手合わせしてもらおう。」
今の自分がAランク相手にどれだけ持つのか理解しておきたい。
「せめて30分は持たせたいな……。」
そんなことを考えつつ、アキは剣を取り、素振りを開始する。




