12
翌朝アキはソフィー、レオ、エレンに囲まれてお叱りを受けていた。
「なんでアキさんだけ外で寝てるんですか!」
「アキ、そういう自己犠牲は嫌いなんだけどな。」
「あんたテントはどこいったのよ!」
ミルナは自業自得ですとアキを助ける気はないようだ。
「エレン、大変だ。テントはなんか飛んでった?」
「なんで疑問形なのよ!」
「ソフィー、今日も可愛いね。」
「か……かわ……。ってアキさん!ご、誤魔化そうとしてもだめですからね!」
「レオ、焼き鳥作ろうか?」
「許す!……さない!」
エレンとソフィーに睨まれたレオはすぐに意見を戻す。
「チッ。」
「あんた今舌打ちしたわね!」
これはさすがに逃げ場がない。彼女達を丸め込める言い訳が思いつかない。いや、あるにはあるが……あまり使いたくない。
「悪かった、反省はしている。」
正直に謝るしかないと判断してアキは頭を下げる。3人の怒りが少し収まったように見えた。
「後悔は?」
ミルナがタイミングよく口を挟む。
「してない。」
「アキさん!もう許しません!」
ミルナのせいでソフィーの怒りが再燃する。エレンとレオも同様にご立腹だ。ミルナを睨むが、いたずらっ子のような笑みを浮かべて「反省しなさい」と目でアキに語りかけてくる。前言撤回、丸め込める手を喜んで使おう。
「聞いて欲しい。実はのっぴきならない理由があったんだ。」
「特別に聞いてあげます。なんですか?」
ソフィーはぷんぷんという擬音語が似合う、そんな表情でアキを見る。
「『ここで寝たら私と2人きりになれますわよ?……嫌なんですか?』ってミルナに誘惑されてさすがに断るわけにもいかなくて……。」
アキは目を伏せながら演技をする。どうせ律儀なミルナの事だからアキを試すのを事前に共有しているはずだと考えた。昨晩のささやかな仕返しなので、ソフィー達の怒りをミルナにはありがたく受け取ってほしい。
「ミルナさん……あれ本気でやったんですか?」
「ミル姉?あれをやるの承諾した覚えはないんだけど?」
「ミルナ!……ばかじゃないの!」
ソフィー、レオ、エレンの怒りの矛先が予想通りミルナのほうへ向く。今度はミルナが3人に取り囲まれる。
「アキさん!裏切りましたわね!」
「おなかすいたなー。」
「無視しないでください!」
「ミルナ下手だったなぁ……。ムードのつくり方が不自然を通り越して神様も魂飛魄散していたよ。途中で笑いそうになったんだぞ、どうしてくれる。」
「やめて、それは言わないで!本当に恥ずかしいから!それに今仕返ししなくても……ひどいですわ!」
今度はアキが自業自得だという目でミルナを見る番だ。




