表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の観察者  作者: 天霧 翔
第三十六章 迫る影
1126/1143

45

「アキさん、全て聞きました。」


 ベルが世紀末覇者のようなオーラを纏い、仁王立ちしながらこちら睨んでくる。


 滅茶苦茶怖い。


「ベル、可愛い顔が化け物になってるぞ?」

「・・・は?誰が化け物ですって?」


 普段は愛らしくて笑顔が素敵なベルだから、般若のような顔は似合わないと思って言っただけなのだが、どうやら余計な事を言ってしまったらしい。ベルの表情がさらに険しくなり、今にも首を絞めてきそうな勢いだ。


「ばけ・・・」

「ふふ・・・ぶち殺しますよ。」


 うん、これ以上余計な事を言うのは止めておこう。それに化け物はベルだけじゃなく、その後ろにいるミルナ達もだからな。まさに化け物集団。あのアキに従順なアリアやセシルですらゴミを見るような目でこちらを見てくる。


 何故こうなっているのか。まあ言うまでもないと思うが、一応エクレールの娼館を出てからの事を語ろう。エリザとイリアに引きずられながら宿へと戻り、ルティアとも合流。そして人目が無い事を念入りに確認し、ベルフィオーレへと転移で戻った。


 まだ時間も夕方前だったのでエクレールから貰った情報を元にサルサドールの調査をしようかとも思ったが、今日は帰る事にした。一応ショルダードで情報収集に動く前に情報をまとめておきたかったし、ミルナ達にもちゃんと報告するべきだと思ったからだ。エリザやイリアからも特に反論はなく、すんなりその方向で話がまとまった。


 ベルフィオーレの屋敷に戻ると、可愛い婚約者達が「アキさん!おかえりなさいー!」といつものように出迎えてくれた。まあその可愛い婚約者達が般若のようになるのに時間はかからなかったのだが。まず帰るなり、アリアに「アキさんはお風呂に入ってきてください」と1日の疲れを洗い流してくるように勧められたので、お言葉に甘えて風呂へ行った。そしてその間にエリザとイリアがショルダードであった事を全て報告したらしく、風呂から出たらうちが化け物屋敷になっていたというわけだ。


「アキさん。申し開きはありますか。」

「ない。」


 迷う事なく即答する。


 正直主張したい事は山ほどあるが、ここで何を言っても意味がないのはわかっている。どうせ怒られるのだから変に言い訳せず、ベル達に好き勝手言わせておくのが一番だ。神経を逆撫でしたら説教が倍になるだけだしな。


「では・・・何故『お話』されるのかわかっていますか?」


 そしてこの子達が怒っている理由は当然わかる。


「娼館に行ったから。」

「いえ、正直そこはどうでもいいです。」


 どうでもいいらしい。アキがベルの立場だったら絶対に嫌だと思うのが、そうでもないのだろうか。


「不思議です?そもそもアキさんがそういう不義理な事をしないのはわかっていますので気にならないんです。信用していますから。」


 ベルにそう言って貰えるのは正直嬉しい。


「ありがとう。じゃあ話は終わり・・・」

「そんなわけないでしょう!!!」


 めでたしめでたしと会話を切り上げようとしたがダメだった。一瞬優しく微笑んでいたベルがまた般若のような表情になる。


「アキさん!」

「はい。」

「ここに貴方の婚約者達がいます!」

「はい。」

「それを見てどう思いますか!!!」

「えー・・・化け物大行進?」

「・・・は?」


 しまった。ミルナ達の怒っている顔が面白くてつい口が滑ってしまった。


「みなさん、アキさんは一度わからせないと駄目なようです。さっきから怒られているという自覚もないみたいですし・・・やってしまいましょう。」

「ええ、いい加減私達の怖さを実感して頂かないといけませんわね。いつも優しいミルナでないことを教えて込んで差し上げますわ。」

「アキ!ぶちころすわよ!!」

「ぶっころですー!」


 完全に神経を逆撫でしてしまった。そしてその後何があったのかは・・・自分の名誉の為にに黙秘させて欲しい。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ