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「ふーん、そんな簡単にわかるの?」
アキがどうやってサルサドールを調べるのか気になるらしい。
「それは秘密です。」
だがそう簡単にこちらの手札を見せるわけにはいかない。それにうちのルティアは切り札だ。ユキやシズにすらちゃんと紹介した事ないのに、エクレールに教えるわけがない。というかルティアがどういう存在か知っているのはベルフィオーレでもアキやミルナ達だけ。まあエスタートの爺さんのように勘のいい人はなんとなくルティアの存在を察していると思うが、はっきりとはわかっていないだろう。
「あら残念。じゃあその辺は任せるわ。期待しておくわね?」
元々教えてもらえるとは思っていなかったのか、エクレールはあっさりと引き下がった。
「ちなみに他に黒い噂はないんですか?」
とりあえず話を進める。
もしサルサドールが本当に人身売買のような裏商売をしているのであれば、他にも後ろめたい事をしているはず。せっかくルティアを使って調べるのだから、やるからには徹底的にやりたいところだ。
「色々あるわよ。ご禁制の品を扱っているって言う噂もあるし・・・」
「ご禁制?」
「ええ、ミゼリっていう依存性の高い薬草よ。使った人を廃人にするの。存在くらいは聞いた事があるでしょ?」
なるほど、麻薬のようなものらしい。
「そうですね・・・」
だがその辺の事は正直全く知らない。ユキに聞けばわかる事なのだろうが、もともとその辺の事には一切興味がなかったので聞いていなかった。というかユーフレインにそんな物が存在しているとは思ってもいなかった。だがよく考えれば当然の事だ。地球でも麻薬の問題はあったし、こっちの世界にもそう言った物があってもなんらおかしくはない。むしろユーフレインの治安改善を目指しているのに、その辺の事に気付かなかったのは情けない。反省だ。
それにもしかしたらベルフィオーレにもそういう品はあるかもしれない。後でベルに聞いてみるとしよう。アキは領主になるわけだし、自分の領地でそう言ったものが流通するのは望ましくないからな。
「他にも脱税だったり、盗賊団への関与だったり・・・と悪い噂は尽きないわ。もしかしてその辺の事も調べてくれるのかしら?」
「ええ。そんな人間を王女殿下に近づけるわけはいきませんので。」
「ふーん・・・悪くないわね。」
エクレールはそう言いながらも他には協力してくれないのとこちらの様子を伺ってくる。
「この情報だけで十分では?」
アキがするのはあくまで情報提供。主導で動くつもりはさらさらない。というか実際にサルサドールを失脚させるのはエクレールの仕事だ。アキはその辺の結果は別にどうでもいいので、この情報をどう有効活用するのかを考えるのは彼女の役目だろう。
「まあそうね。」
一応納得はしているが、まだどこか不満そうだ。まあエクレールとは協力体制をとるのだから、もう1つくらいおまけで何かメリットを提示してあげるべきなのかもしれない。
「あと王女殿下にエクレールさんの事を伝えておきましょう。」
「・・・ならいいわ。交渉成立よ。」
それならいいでしょと頷くエクレール。
正直ユキに変な人を紹介するのは好ましくないが、彼女なら問題ないだろう。話した感じ腹黒いし、計算高いが、直接害はなさそうだしな。それに夜の世界の人間に繋がりを持っておくことに損はないはずだ。
「ではそれで。私は早速サルサドールについて調べてみます。」
「お願いするわ。彼の行動範囲や傾向について教えておくわね。」
その後、エクレールといくつか情報交換をした。最終的にエクレールはエクレールでサルサドールを調べ、アキはアキで調べる事になり、数日後にもう一度情報交換をする方向で話はまとまった。
「じゃあ話はこんなところですかね?」
「そうね。もう帰る?」
「何を言ってるんですか・・・まだもふもふするに決まっているでしょう!!」
ちなみにエクレールとの話し合いの最中、彼女が用意してくれた獣人の娼婦達はずっとアキの側にいてくれた。つまりずっともふもふは隣にいたのだ。それなのに尻尾にも触れず、耳にも触らず、しょうもない情報交換に時間を使わされたのだから、ここはご褒美の時間があるべきではないだろうか。いや、あるべきだ。
「そ、そう・・・まあ好きにするといいわ・・・」
引き攣った顔で答えるエクレール。
「アキ君!!!話が終わったのなら馬鹿な事言ってないで帰るわよ!!!
そしてエリザが今にも飛び掛かってきそうな勢いで詰め寄ってくる。
「えー、やだ。」
そう言ってアキは隣にいた狐っ子の尻尾を掴む。すると「やーん・・・えっち」と色っぽい声をあげて甘えてくる狐獣人の女の子。
やはり可愛い。
「こらっ!何してるの!帰るわよ!!!」
「じゃあこれ連れて帰っていい?」
「駄目に決まってるでしょ!!!良いって言われると思った!?」
抵抗したが無駄だった。結局エリザとイリアに無理矢理娼館から連れ出され、引きずられるようにして宿に連れてかれた。




