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「ええ、彼女達に話しを聞かれるのは構いません。」
どうするかとは言ったが、正直悩むまでもない。そもそもアキの「王女殿下御用達の商人」という肩書自体が嘘だ。そしてユキからは「アキの好きにしていいわ」と言われている。つまり、大っぴらに「俺はユキと親しいんだぞ」と公表するつもりはないが、別に隠す必要もないと言う事だ。だからアキがユキの命令でショルダードに来ていて、サルサドールと商談があると言う事が知れ渡ってもなんら問題はない。
「あら、いいの?」
「ええ、それよりもふもふと戯れる事の方が大事です。」
エクレールが念を押してくるが、悩むことなく即答する。ここで変に躊躇したりすると本当の目的は別にあると疑われかねないからな。
「そ、そうなのね?」
アキの返答を聞いて頬を引き攣らせるエクレール。多分「こいつマジなの?」とか思っているのだろう。
だが当然そんなわけがない。
アキの事は「王女御用達の商人」そして「ふもふ大好きの変態」だと思わせておいた方が都合がいい。さすがに一癖も二癖もありそうなエクレールをそう簡単に騙せはしないだろうが、幸いにもエリザが隣で「アキ君!またそうやって馬鹿な事を・・・!この変態」と騒いでくれてるので、アキの発言に信憑性が増すというものだ。というかエリザは演技ではなくこれを素でやってくれているから余計に効果的だ。
つまり何が言いたいかと言うと、アキは決して可愛い狐や犬獣人の娼婦達をもふもふしたいから話を聞かれてもいいと言っているわけではない。これはあくまで緻密な計画に基づいた行動。そう、別にもふもふをしたいわけではないのだ。まあこの後おもてなしをされるから、思う存分心行くまでもふもふするつもりではあるが、それは全部演技だと言う事をここに主張しておく。
「ええ。もふもふが私の生き甲斐です。」
「アキ君!!いい加減その口縫うわよ!!!」
「エリザが怖いにゃ。」
「なっ・・・ぶっとばされたいのね!?そうなのね!?」
顔を真っ赤にしてエリザが怒鳴ってくる。
しかし本当にエリザは良い味を出してくれる。ちょっと鬱陶しいが、彼女のこの反応を見れば誰もがアキをもふもふ好きの変態だと勘違いしてくれるだろう。まあエリザはあくまでアキの秘書として連れてきていて、こういう反応をしてもらう為ではなかったのだが・・・結果的には良い方向に転んでくれたから良しとしよう。
「「「おまたせしましたー!!」」」
丁度その時、先程アキが指名した獣人の子達が食事や飲み物を持って戻ってきた。
「いいタイミングね。それでアキ・シノミヤさん?お腹は空いているかしら?」
「アキでいいですよ。」
「では遠慮なくアキさんって呼ばせてもらうわね。」
「はい。そして丁度小腹も空いたところです。」
「そう、それはよかった。じゃあ貴女達、しっかりおもてなしするのよ。」
エクレールが娼婦達に声をかけると、可愛いもふもふ達が一斉にアキの側に集まってきた。
「お隣失礼しますね!」
「じゃあうちはこっちに座りんす!」
「あ、ずるい!じゃあ僕は・・・!」
「私も私も!」
うーん、天国かな。
「みんな可愛いね。とりあえず・・・尻尾触って良い?」
とりあえずエクレールとの話を進める前にもふもふタイムだ。エクレールを欺く為の演技は大事だからな。演技は。




