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うちの猫を慰めた後、アキ達は再度ショルダードの街へと繰り出した。しかしなんか今日はずっとエリザのご機嫌を伺っている気がするな。まあショルダードへ到着してからエリザは散々な目に遭っているから仕方ないと言えば仕方ないが。
さて、そんなエリザの事はさておき、次はいよいよ花街を見に行く予定だ。まあ今日はエリザとイリアもいるのでまだ娼館に客として行くつもりはないが、とりあえず花街の様子を見たい。後、サルサドールの店がどこにあるのかも確認しておきたい。
一応ルティアと相談して、アキ達を監視する連中については対策済みだ。イリアやエリザに対するものは基本無視する方向で、アキの様子を伺う連中のみルティアが調べる手筈になっている。彼女に任せておけば監視されるのを利用して逆に情報収集も出来る。そして本当に不味い事が起こった時だけ、ルティアが「いつもの方法」で知らせてくれる。まあ所謂アキが木の実をぶつけられるアレだ。
ただそんな事はほぼ起こらないと思ってはいる。監視している連中はアキが花街に行ったところで「まあ男だしな」と思うだけだろう。それにくだんのサルサドールもアキがユキの使いとしてこの街に入ったのは知っているだろうし、彼の店をアキが調べていても何も思わないはず。
「ねえ・・・アキ、私が花街にいっても大丈夫かな?かな?」
イリアが心配そうな表情で聞いてくる。まあイリアはイリアでこの街に来てからずっと「娼婦になればいいのに」と言われ続けてるからな。心配になるのも仕方ない。
「見た目は完全に護衛なんだから、堂々としてればいいよ。」
「そ、そうなのかな・・・?」
今日はイリアには露出の少ない服を着せ、ついでに鎧も付けさせている。誰が見てもアキの護衛だと一目でわかるようにしてある。だからイリアを花街に連れて行っても何の問題もないはずだ。まあ「女の護衛を連れてくるな」と思われるかもしれないが、その程度だろう。
「そもそもイリアは娼婦には間違われてないだろ?」
「あ・・・確かにそうかも!『娼婦になればいいのに』とは言われてたけど、娼婦だとは思われてなかったね!」
「だから堂々としてれば大丈夫だ。」
「うん!」
安心したのかイリアが穏やかな顔で微笑む。
「ね、ねえアキ君!私は!大丈夫よね!?」
今度はエリザだ。まあエリザの場合は・・・うん、問題ない。理由は今更言うまでもないだろう。ただ即答で大丈夫だと言ったらエリザは間違いなくまた不機嫌になるので、オブラートに包まないとな。
「うーん、まあエリザも美人だし?イリアと違って私服だし?そういう意味では心配な面はあるけど、俺の側にいれば大丈夫だと思うよ?」
エリザはアキの秘書として同行してもらっているので私服だ。ただエリザは元々露出が少ない服を好むので、花街に行っても変に誤解はされたりはしないだろう。まあ「ちょっと」ばかり年上というのもあるしな。
「そうかしら!それならいいのだけれど!娼婦と間違われたらたまらないものね!」
「・・・ソウダネ。」
「あら、アキ君?何か文句でもあるのかしら・・・?」
「なんもないです。」
危ない、藪蛇になるところだった。
「それより花街を見にいくぞ。」
とりあえず会話を誤魔化して、さっさと花街の方へと足を進める。
「あ、こら!誤魔化したわね!まだ話は終わってないわよ!待ちなさい!」
「あはは、アキも大変だね・・・」
文句をいいつつもちゃんと後を着いて来るエリザ。そして苦笑いを浮かべながらイリアもついて来る。




