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とりあえず「愛を囁け」と騒ぐベルを適当にあしらっておいた。
さて、今日もこれからユキのところへ行くわけだが、その前に現在の状況、そしてこれからの予定を一旦整理しておきたい。まず孤児院の候補となりえる屋敷の下見だが、それはここ数日中に全て終わった。ユキにその報告をすれば、治安向上に関する政策でアキが手伝えるであろう事はほぼ終わりだ。まあ色々と手伝える事は他にもあるのだが、あまり直接的にアキが国政に関与するのはよくないだろう。相談されたら勿論手伝うが、ユキが困っていない限り、アキが直接動く事はしないつもりだ。
そんな感じでとりあえずユキの治安対策については、王都で行った改革の経過待ちといったところとなっている。ある程度効果が見えたらエヴァグリーン王国全体に政策を広げ、その後は他国にも展開。まあ何十年かかる計画になるのかわからないが、急いでどうにかなるものでもないし、気長に待つしかないだろう。
次にオリハルコンの事に関して。こちらは現在ルティアがくだんの商人を追ってショルダードへ向かっている。今日の夜には到着すると言っていたので、明日から本格的に調査を始められるだろう。
こっちに関してはアキが動くつもりでいる。まあ単独行動は絶対に許して貰えないので、ミルナ達を連れて行く事にはなりそうだが。たださすがに全員連れて行くのは大所帯になり過ぎるので却下。ルティア、イリア、そしてあと1人くらいで丁度いいだろうと思っている。ルティアは秘密裏に動けるので外せない。イリアはユーフレインが故郷だし、連れて行ってあげるべきだろう。
ではあと1人をどうするか。
アリアやセシルは屋敷で仕事があるので留守番だ。最近はユーフレインの屋敷も増えたし、色々と彼女達の仕事は多い。ベルは王女だし、自分の身を守る戦闘力がないので却下。となると最後の1人はミルナ、ソフィー、エレン、リオナ、エリス、エリザから選ぶ事になる。まあその1枠を巡って女子会という名の戦争が行われたのは言うまでもないだろう。結果、「アキさん!私が行く事になりましたわ!」と宣言してきたミルナがいたのだが・・・却下した。実は連れていく最後の1人はもう決めていたからだ。まあそれを伝えた瞬間、ミルナに滅茶苦茶怒られ、拗ねられたのだが。
ちなみに最後の1人はエリザだ。エリザ本人は「え?私なの?」と不思議そうに首を傾げていたが、これはアキがちゃんと考えて出した結論。ミルナやソフィーでもいいのだが、うちの子達の中で一番の年長者はエリザ。彼女は社会に出て定職について仕事もしていたのでアキ以上に色々な人生経験がある。万が一トラブルに遭遇した際、波風を立てず臨機応変に対応できるのは誰かと聞かれたら、エリザだ。そしてエリザ自身、魔法も達者なので、最低限自分の身は守れるだろう。そういう意味でショルダードに同行させるのはエリザが適任者だと判断したのだ。
ミルナやソフィーは「ずるいですわ」とエリザに詰め寄っていたが、最終的には納得してくれた。まあエリザは「アキ君のせいで酷い目にあったわ・・・」とぐったりしていたのだが、それは見なかった事にした。とりあえず犠牲はうちの猫1匹で済んだので割と平和に決まったと言えよう。
「それでアキさん?今日はあの王女に会いに行くくらいですか?」
ベルが改めて予定を確認してくる。
「今日はそうだな・・・ユキに孤児院の報告をしたら終わりだな。こっちに戻ってきてルティアの報告を待とう。本格的に色々忙しくなるのは明日からだろう。」
それ以外にする事は特にない。ユキとの話し合いが終わったら別にユーフレインにいる必要もないし、ベルフィオーレに戻ってのんびりするものありだろう。明日からは暫くはみんな別行動になるからミルナ達との時間を少し取っておきたい。
「では私とデートしましょう!」
ベルがこれ見よがしに「私と遊ぼう」と誘ってきた。抜け目がない王女だ。
「あ、ずるいですわよ!アキさん!私も!私もいきたいですわ!」
「ですー!私もですー!」
出遅れたと言わんばかりにミルナやソフィーも必死にアピールしてくる。
「わかったわかった。みんなで何かしようか。エレンやリオナもね?」
エレン達はこういう時いつも一歩引いているのでアキの方から声をかけてやる。
「し、しょうがないわね!特別に私が遊んであげるわよ!感謝しなさい!」
エレンが満面の笑顔でそう宣言する。
「だからエレン、そこは普通に喜ぼうよ・・・。あ、アキ、私はもちろんいいよ?」
そしてリオは呆れ顔でエレンに突っ込みを入れつつ、嬉しそうに尻尾をぱたぱたと振る。2人ともなんだかんだでこうやって喜んでくれるのが可愛い。
「じゃあみんなちょっと待っててね。すぐ帰ってくる。」
そう言い残し、アキはベルを連れてユーフレインへ転移する。




