「美」
美しくなりたい
身も 心も
誰よりも美しくなりたい
誠実で 純粋で
清潔で 透明で
そんなふうになりたい
手の届かない
叶うはずのない
卑しい願いだと
わかっているのに
この身はもちろん
この心さえも
誠実とも 純粋とも
清潔とも 透明とも
無縁であると知っているのに
この名を背負っているからこその
この字を背負っているからこその
どうしようもなく 途方もない
そんな願いだ
美しくなりたい
身も 心も
誰よりも美しくなりたい
そう これはきっと
この一生全てをかけても
永劫手に入れられない答えだ
こんにちは、葵枝燕です。
『「美」』のご高覧、ありがとうございました。
どこかでいったように、私は私の名前(筆名である“葵枝燕”ももちろんすきなのですが、ここでは本名という意味で考えていただきたいです)が大好きです。それは、そこに込められた意味が唯一無二のモノに思えるからです。そんな私の名前には、“美”という字が入っています。そこに込められているのは「美しく育つように」という両親の願いです。多分、外見だけではなく、中身も美しくあれということなのでしょう。でもそれは、少なくとも今の私には似合わないものに思えたのです。私は、身も心も美しくなんてありません。それでもきっと、それを一生追求していくのかもしれません。そんな思いを、詩にしてみました。
この詩を書いたのは、二〇一七年七月二十七日のことです。本当は、その三ヶ月後の私の誕生日に投稿する予定でいたのですが、存在を忘れていたのか、その気をなくしてしまったのか――そんな理由で放置していました。それを今日、十二月十二日に投稿しようと決めたのは、今日が漢字の日だから――です。この字も、私を表す漢字には違いありませんから。
ご高覧、ありがとうございました。