第1話京成高校
「はぁ...」
この学校に入学してから10日にして通算8000回目のため息を吐いた。
ため息を吐くと幸運が逃げてしまうと言われているが、この高校に入学してしまったことからもともと俺には幸運が微塵もなかったと考えていいだろう。
(ホントに何でこの学校に入学したんだろう・・・・・・)
「はぁ...」
俺は8001回目のため息を吐いた。
私立京成学園高等学校。
数ある高校のなかでも特に偏差値が高く、部活動もほぼ全ての部活において全国大会進出、コンクール入賞などを果たしている日本有数のエリート女子高校だった。
女の子はみんなこの高校に憧れた。
保護者にとってもこの高校に娘が入学す私立ることは名誉な事だった。
しかし、この高校は共学校として生まれ変わることになった。
理由は不明。詳細も無し。
当然ながら生徒、保護者からの苦情は殺到、新聞にも大きく取り上げられた。
中には高校を中退する生徒までいた。
それが去年の11月の事。
そして今年3月。
共学校と生まれ変わった京成高校に、俺 岸 朱葉 が入学した。
俺がこの高校に入学した理由は単純。
元女子高だからだ。元女子高ということは先輩は全て女の子。
先輩がオール女子という神のような高校を希望しない男子はくそリア充かホモしかいないだろう。
京成高校が共学校になると分かった次の日にクラスの男子全員は進路希望を決めた。
もちろん俺も既に決めてあった進路希望を変更して京成高校を希望した。
入試までみんなドキドキが止まらなかった。
あの情報が伝わるまでは・・・。
その情報は進路希望を決めた俺達の心を打ち砕いた。
内容は入試の合格基準だった。
"全教科9割合格"というものだった。
俺は嘆いた。俺達は嘆いた。
男子は京成高校を断念した。
俺と渡辺 和樹 を除いて。
情報を聞いたその日から俺は毎日の遊ぶ時間を無くし勉強に全てを注いだ。
下から数えた方が早かった順位はうなぎ登りで上がり、中学最後のテストでは学年1位になった。
しかし俺の目標は京成高校に入学すること。1位になったあとも勉強を続け、遂に目標の京成高校に入学することができた。
合格発表に自分の受験番号が載っていたときはポロリと涙が溢れ落ちた。
努力は報われるものだと知った。
男子共の無念を叶えるため夢のハーレム高校生活を満喫しようと心に決めた。
そして入学式。
俺は気づいた。気づいてしまった。
新入生に女子がほとんど居ないことに・・・。
多分続きは今書いてるヤツが終わったら書くと思います