第2話「策略」
中岡と下村に案内されてきたのは、
被服室だった。
そこにずらりと並んだ、防弾チョッキに
マシンガン、ライフル、ロケットランチャー・・・。
本当に戦争を仕掛ける気か。
こんなものぶっぱなしていたら、何人もの死傷者が
出てしまうに違いないだろう。
しかし、ここでこいつらに逆らったら確実に殺される。
冷たい防弾チョッキに袖を通しながらそんなことを思う。
「おい、とっとと着替えろよ。女子は戦闘には参加出来ないから、
戦地で、負傷者の手当と、武器の補充管理を行え。念のため、
防弾チョッキは着ておけ。準備が出来次第戦地に赴く。」
下村が淡々と話す。
そしてついに、耐えられなかったのか
笹野が下村に食ってかかった。
「ねえ!一体どういう事なの?何でこんなことを?あなたたちの目的は?」
「そんなこと、君が知らなくていい。こちらの指示に従え。
そんなに君は死にたいのか?」
そう言い残し被服室を後にした。
どうやら何も教えてくれる様子はない。
「あ!後、お前ら!その武器で俺らに反抗しよったって無駄だぜ?
何せ、こっちの操作でお前らのことなんか、あの野部クンみたく
爆破させちまうからな~。んじゃ!」
と言って中岡も去っていった。
まさか・・・。いつでも俺たちを殺せるというのか?
ただのハッタリか?いやそんなはずはないか、
現に野部も爆破された。
しかし、よくよく考えてみると
俺たちを爆破したところで、戦力が減ってしまい、
戦況は悪くなるのではなだろうか。
俺たちを爆破するメリットなはい。
ピンポンパーポーーーーン
「これより、生徒は監督官に従い戦地へ赴いて下さい。」
ピンポンパーポーーーーン
ついに・・・戦いが始まるのか?
と、その時だった
ポケットに入っていた携帯電話が
バイブレーションし始めた。
こんなときに誰だよ。
携帯電話の画面に目をやると、
中学時代の友人である達也からメールだ
『なぁ!学校同士で戦争するらしいけど
どうやら、俺の対戦校、お前のとこだ。
俺はお前らと殺し合いなんてイヤだぜ?
どうにかなんねーのかよ。』
まさか、敵軍だったとは。
そう言えば、黒板に掲示してあった
参戦校の確認をしてなかった。
どうする?どうすれば───
待てよ。そうか。
メールを返信し
顔をあげた。
「皆!話がある。この下らない戦争を俺たちで
ひっくり返すぞ!」