ゴーストバスター!
俺の家には幽霊がでるらしい。
自分では気がつかなかったが、町中で噂の的になっている。
確かに古いしボロいんだが、幽霊などみたこともない。
仕方がない。
今夜は寝ずに確かめてやろうじゃないか。
待てども待てども何も起きない。
はっきりいってすごいヒマだ。
・・・いや、門の所に誰か来たぞ?
暇だったしどれ、いっちょ驚かしてやろうじゃないか。
うわあ、見るからに怪しい家ね。
何が出るかわくわくするわ。
学校で噂のお化け屋敷、一目見ようと家を抜け出して来たんだけど正解ね。
それじゃ、ちょっと失礼しま~す。
ギギィィィ
も、門の音凄いわね。
油きちんと注してんのかしら?
気を取り直して、中に入ってみましょう。
「わっ!!」
「きゃ~~~っ!!!」
はっはっは!
小娘め、ちょっと驚かしただけで逃げていきやがった。
あ~愉快愉快。
お、また誰か来たぞ。
どれ、また驚かしてやるか。
ふむ、ここが依頼の家か。
どうせ低俗な地縛霊じゃろう。
今ごろわしの法力に怯え、ビクビクしてるじゃろうし、簡単に祓えるのう。
楽な依頼じゃて。
では、いざ参らん。
「ばあっ!」
「ぎぃゃああああ!!!」
あっははははははっ!
あの婆さん、着物着て大仰にぬさなんか持ってる癖に、変顔して驚かしたくらいで逃げやがって。
根性ねえなあ。
あ~愉快愉快。
お、またまた誰か来たな。
もういっちょ驚かしてやるとするか。
ほう、ここが例の。
さ迷える魂がいるのならば、神に仕える身として放っておくわけにはいきませんからね。
いや、別に幽霊を視てみたいとかそんな理由じゃないですよ?
私はあくまで務めとしてですね…、とにかく違いますからね!
それでは、幽霊探索ツア…ゴホン。
神に仕える者の務めを果たしに参りましょう。
「ココカラサレ、痴レ者ヨ!」
「おやおや、こんな時間まで起きて悪戯ですか。いいですか?いついかなる時でも神は見ておられるのですから、規則正しき生活を・・・・・・」
うえっ、酷い目にあったぜ。
あの変人神父め、小一時間も説教していきやがって。
まったく、神なんて知るかってんだ。
こちとら無宗教だってーの。
おまけに話聞いてないとわかった瞬間十字架で殴ってきやがって。
あ~痛え痛え。
お、今度は二人組が来やがった。
さっきは大変な目にあったからな、あいつらで憂さ晴らししてやろう。
「せんぱ~い、お化け屋敷の取材なんかやめましょうよ。今時そんなのはやりませんよ?」
「うっせえ、新人は黙ってついてこい。俺だってこんな面倒な仕事嫌だよ。部長の野郎押し付けやがって。大体お前は幽霊が怖いだけだろうが。」
「しょうがないじゃないですか。怖いもんは怖いんです。はあ、着いちゃったじゃないですか。先輩、いざとなったら守ってくださいね?」
「わざとらしく上目遣いなんかしてんじゃねえ。ほら、仕事なんだからシャキッとしろ。」
「は~い。じゃ、行きますか。」
「ジャーン!幽霊参上!」
「うわああああっ!」
「でたぁ~~~!!」
あはははははは!
見たかあの顔!?
ぷぷぷっ!
おっ、なんか落としていったぞ?
取材手帳?なんだこりゃ?
なになに“洋館変死事件”だと?
参ったな、俺はもう死んでたのか。
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