【織田信長編】第50章:外宇宙艦隊の抜錨と、他星系開拓の狼煙
多次元大財閥の結成を完了し、全経済を帝国官許の独占資本へと集金した覇王・織田信長。彼の次なる一手は、平定された多次元宇宙の境界を完全に超え、未知の知的生命体がひしめく深宇宙への『外宇宙大遠征』の断行であった。信長がタキオンモニターで睨み据えたのは、明治の世において、東洋の小国であった日本が「大艦巨砲」を掲げて外洋へと進出し、列強の脅威に対抗すべく国権の拡張を図った、あの苛烈なる大陸・海洋進出の兵法の真髄であった。「この多次元宇宙の富を握った程度で、余の天下布武が終わると思うなよ」信長は不敵に笑い、漆黒の南蛮マントを無重力の超巨大宇宙戦艦『安土』の最高艦橋で激しく爆ぜさせながら、天空を埋め尽くす超大型魔導宇宙艦隊に向けて抜錨の総号令を発した。彼の背後には、星海を渡るための巨大な空間跳躍エンジンが、青白い光の幾何学模様を虚空に描き出しながら咆哮をあげていた。「かつて地上の王どもは、未知の海を恐れ、外洋への道を閉ざして自滅した。しかし、余の天下布武の法は、未開の星系へ攻め入り、すべての資源を我が手の中に収めてこそ完成する。これより、未知の他星系文明に対し、我が帝国の法度への絶対服従と、関税自主権の割讓(じょう/ゆずる:20画)を通告せよ。我が市場の独占を拒む不届きな星人がいようとも、我が常備軍の圧倒的な連続斉射によって、その星々ごと完全に粉砕してくれるわ。この大いなる星海開拓は、世界のすべてを我が軍事と経済の檻の中に閉じ込めるための、新たなる進撃なり」信長は自らの苛烈な武断の意志を全艦隊へと示し、光速を超えた超空間跳躍を命じた。彼がすべての星系の主権を中央政府に完全に独占させ、国家の『統治権』を絶対のものとするために刻んだ近代的な最高概念が、すべての世界のモニターに映し出される。――「統治権」(とうちけん)この絶対の権能のもと、数百万の魔導宇宙戦艦は一瞬にして未知の星系へと突入し、その圧倒的な武威の前に他星系の文明を震撼させていった。『他星系の未開なる防衛艦隊が放つ超自然の光線に対し、信長軍の魔導宇宙戦艦『安土』は微動だにせず、一糸乱れぬ三段撃ちの連続斉射を開始した。青白い光の弾幕が絶え間なき斉射となって星海を埋め尽くすると、どれほど巨大な敵の戦艦も一瞬で飽和し、宇宙の塵へと砕け散った。異星の王たちの野心は、近代的な組織力と圧倒的な火力の前に、ただ平伏するしかなかったのである』信長がもたらした近代軍事システムの電撃戦により、新たな星系は一指も触れさせぬ完全な不可侵の領土となった。敗北した旧勢力の歴史は完全に断絶し、覇王の冷徹な法の前にひれ伏す新たな直轄地へと組み込まれた。「フハハ! 宇宙の果て、星海の深淵といえども、余の法から逃れることはできぬ!」信長は征服した星系の最高玉座に太刀を突き立て、豪快に笑った。「この大宇宙のすべての統治権は、この信長のものだ。逆らう者は、何者といえどもこの業火で灰にしてくれよう」【伊藤博文編】第51章:星間外交官制の確立と、万国公法の宇宙的調和一方、時空の対極で帝国環境法の制定を見届け、持続可能な立憲法治の最終調和を成し遂げた内閣総理大臣・伊藤博文は、信長が未知の他星系へと宇宙艦隊を派遣し、強大な軍事支配を推し進めていく裏で、その新しく接触した異星の文明や生命体を、永続的な「宇宙の法秩序」の中に平和的に包摂するための、新たなる星間外交機構の構築に着手していた。信長が力による一元的な征服を進めるのに対し、伊藤が目指したのは、明治の日本において陸奥宗光や小村寿太郎らが列強との間で不平等条約の改正に挑み、対等な国際関係を築き上げたあの全権外交の執念を宇宙規模に拡張し、国際法に基づいた対等な立場で利益を分かち合う『星間平和条約』の確立であった。「武力による星系の平定が外の輪郭を形作るならば、内の秩序を永続させるのは、他星系の文明とも対等に対話を行う『制度の美しさ』にあります」伊藤は眼鏡の奥の目を鋭く光らせ、万年筆を静かに構えた。彼の脳裏には、明治の日本において、西欧列強の不平等条約を改正するために近代的な法律を急ピッチで整備し、大日本帝国憲法の下で「国家の独立」と「国際法の順守」を両立させたあの外交改革の情熱が、今や多次元の全宇宙を包括する究極の統治システムとして美しく昇華されていた。「異星の民を単に軍事的に抑圧するのではない。彼らをも『宇宙万国公法』の共通ルールに従わせ、互いの主権を認め合うシステムを構築せねばならない。国家の法的な體(たい/国体:21画)を不滅のものとするため、ここに『星間外交官制』の発布と、対等な外交交渉の開始を宣言します。世界を救うのは、支配者の独断ではなく、人間の理性が創り出した客観的な法のシステムです」伊藤の筆先から、青く澄んだ理性の光が、新たな星間通商条約の文面へと迸った。明治の日本が欧米の近代法学を血肉化し、国民の基本的人権と近代的な内閣制度を確固たるものにするために生み出した最高概念が、今、全宇宙・全次元の新たな法典に刻まれる。――「外交」(がいこう)――「条約」(じょうやく)これらの近代国際政治の精髄が、旧来の宇宙で繰り返されていた「強大な帝国による未開惑星への不条理な奴隷化と略奪」の歴史を、完全に塗り替えていった。『内閣総理大臣・伊藤博文は、皇帝の勅許を得て「星間特命全権大使任命令」を発布した。これにより、すべての異星文明との交渉は、軍部の独断ではなく、内閣の『行政』に直属する優秀な外交官たちの手に一本化された。伊藤は世界議事堂に集まった各星系の代表たちを前に、静かに宣言した。「我らの『世界宇宙憲法』は、いかなる世界の民であっても等しく保護する。我らの『外交』の正当性は、一個人の武力や権威ではなく、憲法と制度に対する責任によってのみ、全宇宙の夜明けを永久に支えることである」』伊藤の万年筆が最後の星間外交条約の文面に署名を刻むと、新たに接触した他星系との境界線からすべての不穏な戦火の予兆が取り払われた。国境の宇宙港には、侵略のための軍艦ではなく、国際法に守られた安全な星間商船が整然と行き交う。力による圧政でも、神託による分断でもなく、人間の理性が創り出した「宇宙法治社会」の新たなる金字塔が、ここに完全に完成したのである。「これで、国家の法の毛細血管がさらに新たな星海へと行き渡りました」伊藤は万年筆を胸に収め、誇らしげに微笑んだ。「信長公の生み出す圧倒的な富と武力が、この条約の枠組みの中で、世界の秩序を永久に守り抜くでしょう」




