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エマージェンシーFIVE

紗良が退院してから、すでに1週間が経っていた。

「澪先輩?どうしたんです?外なんて見つめちゃって?」

「いや、最近ちょっと暇でね」

「まあ、私たちが暇な方がいいでしょ?はい!終わりましたよ…電子カルテより絶対紙の方がいいですって」

春香は回転椅子の上で、大きく伸びをした。

「ほら、飲みな」

「あっありがとうございます」

私たちは、同時にカップに入ったコーヒーをすする。

「やっぱり、基地のよりアジトの方がうまいな」

「ですね」

コーヒーを飲みながら私は分けなく医務室のドアを見る。

黒い人影が映り、そのあとすぐに消えてしまった。

「ポルターガイストかよあいつはちょっと一服してくる」

「はーい」

医務室を出て、屋上には行かず資料室に向う。

その時、曲がり角で1人の男と当たってしまい。

資料をバラバラにしてしまった。

「あっ、すみません」

「ああ、すまん…あ!君は!」

「え?あっ!澪さん!」

目の前にいた眼鏡をかけた弱気な男は胸の前で手を絡めた。

「それより、資料バラバラだぞ?」

「あー!いったん全部回収して資料室でまとめます!手伝ってくれますか!?」

いつの間にか男の手にはバラバラになったはずの資料が手に握られていた。

「いつの間に拾ったんだよ」

「速さだけが、取り柄ですので!」

その後私達は、資料室で雑談をしながら整えていた。

「やーまさか出張の時に澪さんに会えるとは」

「どうだった?最近さ」

「なんだか、僕が担当をしている人がスナイパーとしての技量があがってびっくりしてますよ…補佐の僕も頑張らなくちゃ」

「スナイパーは2人組が基本だからな、1人の狙撃手は私は見たことないな」

「見てみたいですけどね…よし、終わった」

彼は30センチ近くある分厚い紙の塊を持って外に出ようとする。

「待て、それまた落とすぞ半分持とう」


「澪さん久々にあったのにありがとうございます」

「私の好きやってるんだ気にしないでくれ…それより聞きにくいんだが…」

「?どうかしたんですか?」

「君…結婚できたか?」

彼は、急に立ち止まり力が抜けたのかまた資料を落としてしまった。

私は、半分の資料を地面に置き残りを整える。

「いつまで突っ立てんだ?でも、よかったまだあの名前で呼べるな…リング」

「もうその呼び方をするのは、澪さんぐらいですよ仕事場が変わってもう昔のみんなとは会えなくなりましたから」

リング、この名前は昔の部隊でついた名前だ。

仕事に集中するあまり、恋愛に全く手を付けないため、一生左の薬指に指輪を付けることはないだろうと言う事でついた名前だ。

「まあ、僕は良いんですよみんなが幸せであれば」

「相変わらず、根はいいやつなんだよな…その弱気なのなおせばいいと思うんだが」

「なおしたらリングという呼び名がなくなるでしょ?」

「ああ!確かにそうだな」

資料を半分持ち、私は目的地へと向う。

「あーこの部屋知ってるわ」

「え?知ってるんですか?」

「うんだって…」

私は、中にノックもせず入りこう言った。

「よっす大佐」

大佐は、回転椅子を回してこちらを見た。

「おお、お前が来るとは珍しいな?」

「別にリングの手伝いで来たんだよ」

「リング?」

「ああ!大佐!僕の呼び名です気にしないでください!」

リングは、慌てて部屋に入り残りの資料を机の上に置いた。

「澪さん!ありがとうございました!」

リングは頭を下げ礼をする。

「いいんだよ、私は戻るわまたいつかねリング」

部屋を出て、伸びをすると急にリングが出てきて大声を上げた。

「澪さん!澪さん!大佐が!大佐が!」

「大佐!?何があった!」

私は急いで部屋に戻る。

そこには、山積みにされた資料を崩し机に倒れ込んだ大佐がいた。

「大佐!聞こえるか!?リング!医務室に運ぶぞ!手伝え!」

「はい!足を持ちます!」

私は大佐の脇腹を持ち急いで医務室に向う。

途中で一瞬緊急事態を知らせるスイッチを押し、大声で叫ぶ。

「大佐が!狩麻大佐が倒れた!至急医務室に運ぶ!AB連絡橋にいる!」

そうすると、大柄の男たちが数人部屋から飛び出して運ぶのを代わってくれた。

その間に私は春香や同期に連絡する。

「みんな!聞いた通りだ!何が原因かは分からない!全身麻酔と生理食塩水!輸血液!それとカウンターの用意もしておけ!」

「澪先輩了解です!必ず助けましょう!」

「澪先生!そんなこと言われなくてももう用意できてますよ!」

「わかったすぐにいく春香以外部屋の前で待機せよ!」

通話を切り、資料室を通り過ぎる。

部屋の前に大佐を運び終わった男たちと、同期の姿が見える。

「あの感じは心臓麻痺です!緊張緩和剤と人工呼吸器のセットはしてあります!あとラインの確保も!カウンターショックの必要はなし!後は判断をよろしくお願いします!」

「わかった!ありがとう!」

医務室のドアを開け、ベットに横たわる大佐のバイタルを確認する。

「春香!緊張緩和剤を打て!血液循環がうまく行ってない!」

「打ちます!」

春香は点滴に緊張緩和剤を打ち込む。

「これで、大丈夫か?」

「確認しましょう澪先輩」

2人とも同時にバイタルを確認する。

「……バイタル値正常、血液循環異常なし…成功です澪先輩」

「ああ、このくらい当然だ…にしても何が原因だったんだろうな?」

「きっと、働き過ぎか煙草のせいでしょう…澪先輩、大佐がお目覚めです」

大佐はゆっくりと眩しそうに目を開けた。

「ここがどこだか、わかるか?」

「ここで死ねない事だけはわかるさ」

その声を聞いた瞬間部屋の空気が一気に和らいだ。

どうも、作者のリーラーです。

突然ですが、みなさんは好きなキャラはいますでしょうか?

私も当然他の作品にたくさんいるんですけども、そのキャラが作品内でいなくなってしまう時私はすごく悲しいんですよね。

それが、私の小説でもあるわけなんですよ、しかもいなくなるキャラは何故いなくなったのかとかの設定をこらなけれはいけないわけなのです。

細い設定をした自分のキャラを葬ってしまうのはストーリー上仕方ないのですが…やはり心が痛いものです。

この作品では澪さんがいるので安心ですね。

では、リーラーでした。

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