つつがなきFOUR
コーヒーの匂いが部屋に充満し、なんだか昔に戻ったような感覚がした。
「この匂いキリマンジャロだな」
「まだ、飲んでないのに分かるんですか?」
「このコーヒーはよく覚えている…佐倉さんが初めて私に入れてくれたコーヒーだ」
ここは、目立たない裏路地に建てられたカフェだ。
きっと私があの時家を飛び出さなかったらここの存在を私は知らなかっただろう。
「はい、できたよ」
カウンターに一杯のコーヒーが置かれる。
カランという子気味のいい音が鼓膜を揺らした。
「澪先輩?そろそろ帰りません?」
「ああ、そうだなちょっと待ってくれ」
コーヒーを一気に飲み下し、私は春香の元へ行った。
「なんか、いろいろありがとな私は基地戻って大佐の部下の様子見に行くわ」
「まっ、今はあの人だけですから〜楽ですね!」
「おう、明日も休みだから春香は休んでおけ…サリバン?奴ら借りてくぞ?」
「ああ、好きに使っていいよ」
「うぅーうぃー?」
「基地まで頼む」
「うぃー」
奴らは私たちを連れて行った。
「なんか、やっぱりなれません」
「そうか?私は人外なんて慣れてるから…まあ数こなしたらその内気にならなくなるさ」
医務室についた。
「春香はどうする?私の部屋で休んでるか?」
「猫と戯れたいですしそうします」
「わかった」
私は、部屋の鍵をあけ春香を部屋に入れたあと鍵を閉めた。
「さてと、おっ大佐!」
「よう、休暇は楽しんでるか?」
「大佐はあんまり楽しんでなさそうだな?」
「まあな、休暇といっても俺には何もすること無いからな、仕事してたほうが楽しいんだよ」
「大佐があんまり休まないから部下も休めないって、私に苦情が来てるんだが?」
「といっても、暇なんだよなー」
「まあ、私は紗良の回診行ってくるからまたな大佐」
医務室を出て、309号室に向う。
「個室だから普通に話しても問題ないな」
2回ノックし反応を待つ、数秒遅れてはーいという間延びのした声が聞こえてきた。
「紗良失礼するよ」
「あっ澪先生お疲れさまです」
紗良はベットから起きようとする。
「ああ、いいよ!そのままでね?」
私は近づき胸に繋がれたドレーンチューブの先にあるパックを見る。
「もう、出血は止まってるね…これならあと数日で退院出来るよ」
「ありがとうございます…先生の患者でよかった」
紗良は暗い声でそういった。
「?手が、震えてるぞ?大丈夫か?」
「え?なんで?…さっきまで大丈夫だったのに…」
なるほど、怖いのか退院することでまた怪我をすることが…
「なあ、紗良…君好きな銃は?」
「…ないですけど、得意なのはスナイパーライフルです」
「手ブレが気になったことは?」
「あります…なんだか怖くて…」
「いい、薬があるジアゼパムという精神安定剤だ、手ブレや訓練の不安にも効くはずだ、スナイパーライフルは手ブレがあるとまともに当たらない、君が退院する時に1週間分処方しとくから訓練前に飲んでくれ」
そういうと、紗良は笑顔を浮かべ窓を見た。
「私…怖いですけどやってみます!」
「春香〜?退院手続き終わったか?」
「はーい、やっと来ましたよ、でもなんか気になることがありまして…」
春香はそう言うと電子カルテを覗き込み、険しい顔をする。
私も電子カルテを覗き込んだ。
「なんで、ジアゼパムなんて処方してるんですか?」
「紗良はスナイパーだ、ジアゼパムがあったほうがいいそれに訓練に対しての不安もあったようだ、そうしたらなおさら必要だろ?」
「なーんだ、澪先輩が処方したなら問題ないですね」
春香はそう言うとすぐに電子カルテから、目を離し窓の外を見た。
「あっほら、紗良さんやってますよ」
外を見ると射撃場で紗良がpsg1(スナイパーライフル)で的を狙っていた。
「おお、お見事ヘッドショット!」
「やっぱり、正解でしたね澪先輩!」
旅行先で、書きました!
内容になんら関係はありません!
これからも、よろしくお願いします!