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第八十七話「無人島、カップル二人……何も起こらぬハズはない」

果たしてレースの行方は……

 読者の皆様、毎度大変お世話になっております。

 今回も前回より引き続き、冒険者の財王龍ツァイ・ワンロンこと七都巳大竜が常夏の楽園ルシャンテ共和国を囲む海域よりお送り致します。


(づぉぉぉっらあぁぁぁぁ!)

(ヌゥウウウウウウウウッ!)


 前回終盤、パル殿の提案で開催されし"超・自由形競泳"……その泳者はただ二人。

 魔術で最速海洋生物カジキに姿を変えたパル殿と、シンズドライバーにて"渦巻く嫉妬スワーリング・エンヴィ"に変身した自分めに御座います。


(勝ちたいよねぇ、自分から振った勝負だしさぁ!)

(勝とうが負けようが些事なれど、勝っておくに越したことはなァァし!)


 始点のパイユ・レトラ海岸より終点の無人島迄、道程みちのりにして凡そ六十キロメートルの距離を、全力で突き進みます。

 そして凡そ数分足らずにして我々は無人島へ到着。

 さて、勝負の結果はというと……


「勝っ、たぁぁ~……!」

『負け……た、かっ……!」


 僅差乍ら、カジキに化けたパル殿の勝利に終わったので御座います。



( =甘=)<年季の違い(?)を思い知らされましたな。精進せねばなりますまい



「さ、て。というわけで無事無人島に到着したワケだけど……」

「フム……一見すると何の変哲もない、ごく有り触れた南国の無人島に御座いますなァ」


 辿り着いた島は『不穏な噂が付き纏い誰も近寄らない』とされる割には、一見して普通の、何の変哲もないただの無人島に御座いました。


「ざっと探知してみたけど、知性体はあたし達以外居ないっぽいね。幽霊とか怪物の反応もなし……

 この面積からするとそんなに大型の動物も居なさそうだし、あたしらレベルなら気を付けてれば概ね大丈夫なんじゃないかな」

「成る程。ともすればこの浜辺一帯で過ごすに留めるのが無難といった所ですかなァ」

「そうだね~……とりあえず泳ぎまくって疲れたし、暫く休憩しよっか。命令はその後に……」

「畏まりました」


 といった感じで暫し休憩を取り、互いの疲れが取れた所で"本題"に御座います。


「さて、と……それで命令なんだけどね」

「はい。何なりとお申し付け下さいませ……」


 跪き、頭を垂れ、念のために腹をも括り、パル殿からの返答を待ちます。

 果たして如何な命令が下されるのか、正直緊張せずには居れませんでしたが……


「……なんか畏まってくれちゃってるトコ悪いけどさ、そんないかにも命令チックなヤツあんま思い浮かばなかったんだよね」

(……はあ?)


 パル殿曰く、幾つかの案を思い付きこそすれ、何れも『なんか今一で、これじゃない』ように思えてしまい、悉く没にせざるを得なかったのだそうで……


「とは言えルールはルールだからね、命令しないなんてオチはないよ」

「それは安心しました。して、自分への命令とは?」

「うん。とりあえず……あたしの遊びに付き合って貰おうか!」

「……???」


 予想外に極めて平和的かつ、命令と言ってよいのかも分からぬ内容に、自分めは思わず困惑してしまいましたが……


「畏まりました。全力でお相手させて頂きます」


 すぐさま平静を取り戻し、彼女からの命令(申し出)を快諾したので御座います。


「それじゃダイちゃん、準備はいい?」

「ええ、準備万端につき何時でもれます」


 パル殿から提案して頂いたレクリエーション(?)の内容とは、浜辺での水鉄砲を用いての撃ち合いに御座いました。

 明確な勝敗の基準などはなく、ただ互いに撃ち合うだけのシンプルな内容……と聞けば、読者の皆様は『果たしてそれで盛り上がるのだろうか』と疑問に思われるかもしれません。

 然し……


「喰ぅ~らえェーいっ!」

「何の、これしきィ!」

「ちっ、相殺されたかっ!」


 実際の所、我々の撃ち合いは予想外に盛り上がり、互いに童心へ帰ったが如く(?)熱中しておりました。


「かくなる上は、これでも喰らいなっ!」

(ぬうっ、暫くぶりの水風船! しかもあの色からして避けねばマズいかッ!)


 白熱する試合の最中、パル殿が投げつけて来たのは魔術で形成した水風船。しかも内包された水には魔術により様々な効果が付与されている特別仕様に御座います。

 その色から概ね魔術の種類を察知することが可能なのですが、紫に近いピンクと緑がかった黄色の二色から察するに、それぞれ催淫と麻痺の魔術が施されているものと見て間違いないでしょう。

 双方共に持続時間は最低でも三分……喰らえば間違いなくパル殿に好き放題されてしまいます。


(倒れ伏し無抵抗なまま彼女に犯されるのも悪くはないが……ここは欲張らせて頂くとしよう!)


 決意した自分は精神を統一しながら位置を調整、水風船の軌道と飛来速度を読み取り着弾点を予測し、捕球の構えを取ります。

 最早回避は間に合わぬタイミング、結果は捕球か被弾の二択のみ。

 果たしてその結果はというと……


「はァッ!」

「なっ!?」


 自分は水風船の捕球に成功しておりました。さあ、あとはこれをパル殿へお返しするばかり……!


「なっ、と、捕ったぁ!? んなバカなっ! やば、逃げ、逃げないとっ」

「せェイあぁーッ!」

「のわ、あっ――ぶべへっ!?」


 力の限り投擲された水風船は、放物線を描きパル殿の頭頂部へ見事直撃しました。


「ぅ、ぁ……♥ や、っばあ……♥ これっ……加減、間違えたかもっっ……♥」


 散布された魔術入りの水を浴びた彼女は、魔術の作用により身体の自由を奪われ転倒。

 大層淫靡にして若干品の無い表情のまま、股を開いた状態で仰向けに倒れ伏してしまわれました。


(これぞ千載一遇の好機っ……!)


 制限時間は限られております故、自分は早速倒れ伏すパル殿の元へ接近致します。


「ぁ……ダイ、ちゃぁん♥ すっごいねェ……あんなの、受け止めて投げ返しちゃうなんてさぁ……♥」

「恐縮に御座います。……では、失礼致しますっ♥」


 仰向けのまま動けぬ彼女の股座へ近寄った自分めは、そのまま彼女の腰に巻かれたパレオを正面から軽く、スカートの要領で捲り上げます。


「やんっ♥」


 動作がスカート捲りならば、得られる興奮と相手方の反応もスカート捲りの如く……

 このまま色々と堪能させて頂くのも大変魅力的ではありますが、とは言えあくまで水鉄砲での撃ち合い勝負につき、しっかりと放水させて頂くとしましょう。


「ぁ……ダイちゃぁ~ん♥ そんな見られたら幾ら水着でも恥ずかしいってばぁ♥」

「これは失礼……思わず夢中になってしまっておりまして、ねェッ♥」

「んひゃおぁっ!?」


 油断しきった隙を突いて、至近距離よりパル殿の股座目掛けて水鉄砲を発射。

 それなりの高圧であった水流は彼女の敏感な部位に直撃、催淫魔術により性的興奮と感度の増していた彼女は、まさに激流が如く押し寄せる快感の儘に喘ぎ悶え……


「ふあっ♥ ああっ♥ ら、んめェぇっ♥」

(おお、見事な……♥)


 その度に彼女の"豊満たわわなお胸様"が激しく揺れるものですから、自分めはすっかりその様子に釘付けになってしまったので御座いますが……


「ふへ、へぇ……――隙ありッ!」

「ぉほあっ♥」


 見惚れ気を抜いたその刹那、自分は股座を狙撃されておりました。

 しかも何時の間に空気圧を強めたのかその水勢は存外強く、金的攻撃とまでは行かぬものの軽く叩かれた程度の衝撃はあり……ともすれば読者の皆様としましてはお察しでしょう、

 被虐性欲者マゾヒストの気がある自分めはその一撃を受け間違いなく"興奮して"しまっておりました。


「ぬ、ぅぅ……♥」

「んもぉ~♥ ダイちゃんったら、わかりやすく油断してくれるんだからぁ♥

 この至近距離で何の構えもせず突っ立ってるとか、攻撃してくれって言ってるようなもんじゃん♥

 えいっ♥」

「っほあぅっ♥」


 立て続けに二発目を喰らい、流石に危機感を覚えた自分は咄嗟に飛び退きます。


「あ〜らら残念っ♥ もっとダイちゃんのエッチな声聞きたかったんだけどなぁ〜♥」

「何の何の……♥ そう諦めずとも、聞きたくばまた撃てばよい話に御座いましょう♥ ただ、自分としましても今迄程簡単に狙わせはしませんがねっ……♥」


 かくして無人島の浜辺を舞台に繰り広げられた激闘(?)は、我々二人がほぼ同時に疲労で倒れる迄続いたので御座います。

尚、この後何だかんだでお互いムラついたのでガッツリ二回戦(意味深)かました挙句、

なんだかんだで夕暮れ頃にはパイユ・レトラ海岸に戻って残りの四人とも合流した模様……。

そして次回、更なる読者サービス回が牙を剥く!(いや牙剥いてどないすんねん)

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