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第五十七話「これが俗に言う"虱潰し"だけど、あたしにとっては"蚤潰し"って方が親近感があるんだよね。昔猫飼ってた時やったことあるから」

元々大竜の顔文字 (◎甘◎) って、奴が戦闘服で身に着けてるガスマスク(ヴァルスメイト神議会の神が開発・設計・製造した凄い代物)を現してるんですよね~

で、パルティータの顔文字をどうしようかと迷った時、

いっそ実装しないって案も考えたんですけどそれだと面白くないし動かしづらいなってことで

目付きの鋭さ・狡猾さ・色気・変態っぽさ・若干クセ毛気味のロン毛とか表そうって思って

劇中で言及したような形に落ち着いたみたいな所があります。

……まあ、暫定的なもんなんですけど

 やっほー、読者のみんな。毎度本作を読んでくれてありがとね~。

 今回も引き続きこのあたし、便利屋魔女のパルティータ・ピローペインがお送りするよ。



 (州▽∀▽)<作者曰く、あたしのアスキーアートは一先ず暫定的に

       (州▽∀▽) ←コレ系統で行くってさ。

 (州=ω=)<ま、だから何だって話だけどもね~



「さて、答えて貰おうか……あんたら"夜空の虹"の元締め"センテニアル・スターズ"の本部ヤサはどこかな~?

 正しい情報を教えてくれれば悪い様にはしないってぇかさぁ~

 "願い星"の製造工場の場所も教えてくれたりとか、二度と組織に戻らないって約束できるんなら、この場で逃がしてあげてもいいんだけどねぇ~?」


 "屑星ほし狩り作戦"開始から早四日。場面はアシカリイにある宿場町の路地裏……

 例によって"夜空の虹"メンバーを二人ほど捕縛したあたしは、拷問向きの魔術を仕込んだメモ用紙をちらつかせながら奴らに交渉を持ちかけてみたんだけど……


「くっっ! なんやオドレ、ナメとんのかコラァ!」

「あのー僕たちにも組織に対しての義理とか忠誠心なんてものが当然あってですねー。そのー、なんていうんでしょうね。正直そのー、"かの御方"の理想成就に協力させて頂いてる立場なんですけどもー」


 対する二人組……荒っぽい小鬼ゴブリンの"落合"と、やたら癪に障る石像魔獣ガーゴイルの"恒松"の態度は頑なだった。

 どうやらこいつら、マジで"組織センテニアル・スターズ"に忠誠を誓ってるらしい。


「オウ! せやせや、ツネやんの言う通りや! ワテら"夜空の虹"は親分さんの優しさと正しさに心打たれて"|センテニアル・スターズ《センスタ》"に入ってんねんぞ!」

「まぁなんですねー、つまりそのー、控え目に言って組織と僕たちって一心同体というかですねー」

「せやせや! よう言うたでツネやん! ワテら"夜空の虹"は組織と一心同体!

 命懸けで組織についてくぅて決めとんねん!

 そないワテらがやぞ、オドレ如きわけわからん奴のシャバい脅しに屈するワケないやろが!

 ワテらが憎いんやったら、煮るなり焼くなり好きにせぇっちゅうんじゃい!」


 "一心同体"に"命懸け"、その上このご時世に"煮るなり焼くなり~"とはよく言ったもんだ。

 見上げた忠誠心だよ。

 けどこっちも事情が事情だ。余裕も無くなってきたし限界まで食い下がらせて貰うよ。


「まぁ~そうカッかしないでよ落合くん。別にオバちゃん、君らと無理に喧嘩しようってワケじゃないんだからさぁ~」

「馴れ馴れしくすなボケェ! てかオドレのどこがオバンやねん!? ええとこ二十か三十そこらの小娘かお姉やろがい!」

「いやぁ、実は生きていた年数で言えばオバちゃんどころかバァさんなんだよねぇこれが.。……ま、其の辺は話すと長くなるから割愛するとして、ホントにいいの?

 このままだと君ら警察サツに突き出す羽目になるってかさ〜個人的には君ら二人を雇いたいとすら思ってるんだけど〜」

「あのー、何でしょう。雇うっていうのはつまりそのー、僕らに金で組織を裏切れって言ってるんでしょうかー?」

「アホ吐かせェ! 何度も言うとるやろが! ワテらはセンスタ様に忠誠誓ってんねや! たかが二束三文の端金で転ぶワケないやろがぁ!」

「勿論それは承知の上だよ。君らのスペックを鑑みるに雇うなら相応の対価が必要ってのはあたしも理解してるワケでね」


 断られる前提で、あたしは条件を提示する。


「とりあえず前金として一人二百万アスムルずつは確定。これは最悪持ち逃げしてくれても構わない。

 仕事の出来次第で報酬増額も考慮するし、他国へ逃げたいならビットランスへの移住も全面サポート。

 その時には当然報酬もビットランスの通貨ココスキで対応するよ。

 その他住民票の偽造、冒険者ギルド、不動産屋、あとは結婚相談所なんかへの口利きとかその他諸々オプション満載で考えてるんだけど――――

「お世話ンなりやすっ、お美しいお姉様ッ!」

「何なりとお申し付け下さいませー」

「……あー、うん。短い間だけど宜しくお願いねー……」


 驚くほど早い掌返し。

 誰でもフツーに見逃しちゃうね……。


(州;ー_ー)<因みに二人曰く"センスタ"は典型的なやり甲斐搾取型の超ブラック体制で、

      『大義のための犠牲たれ』『善行に見返りを求めるべからず』

      とかそういうスローガンを掲げて下層構成員を薄給で使い潰すのが当たり前なんだってさ……



 さて、そんなこんなで"センスタ"構成員の何人かを金で雇って実質裏切らせたあたしは、各地へ巧妙に隠された麻薬製造工場を次々襲撃……


「どぉーもっ! 彼氏一筋性欲ブラックホールの、ボインな夢見るバニーガールでぇぇぇーッす! 多分本物だと思いまぁぁぁっす!」

「ぎゃああああ!?」

「バニースーツ姿の変態だぁぁぁぁ!?」

「多分本物だと思いますって何ぃぃぃ!?」


 "願い星"の製造を担う"歌う林檎"部隊の面々を護衛諸共制圧しては、脅迫(交渉)の末組織の情報を吐かせたり、はたまた金で雇って裏切らせたり、頑なに組織を庇う奴らは軽く再起不能にしてから警察に突き出すといった"屑星狩り作戦"改め通称"林檎伐採作戦"を決行していった。


(勿論工場の解体なんかも忘れてないよ。資源や設備が残ってたんじゃ、組織に再利用されかねないからね)


 結果、人員の大半を喪ったセンテニアル・スターズは程なく衰退に追い込まれ、麻薬"願い星"は特にこれといった被害(結果)も残せないまま輝きを喪い宇宙の塵と消えたんだ。

 一先ずこれで"願い星"の被害者はもう出ないだろう。ただそれでも、まだこの事件が完全に解決したワケじゃないけどね……。



(さぁて……残るは"センスタ"の幹部連中、か。奴らを始末して組織を壊滅させないことには、魔導国に安寧なんて訪れないからねぇ……!)


次回、遂に麻薬組織"センテニアル・スターズ"のヤサに突撃!

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