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第三十五話「一応、ドライバーが無くともそれなりに戦えはする」

大竜案件(クエスト)遂行編の三話目……

今回で大竜が本編で遂行した案件はエリザベート捕縛を併せて四件になりました。

当初の予定ではこの次の回から大竜とパルティータが十種類の天瑞獣について語らい乍らまずどこに行くか決める回にシフトしていくわけですが、

今日の分のPV数が200を上回るか、さもなくば何かしらより直接的な

「閲覧数関係なくクエストの話もっと書いてくれ!」って意見が一つでも私の元に寄せられれば

次回以後もクエストの話になります。

どっちがいいかはまあ……読者の皆様の反応次第ってことですね。

 読者の皆様、毎度お世話になっております。

 前回に引き続き、七都巳大竜が偽名の財王龍ツァイ・ワンロンを名乗りつつお送り致します。



「グウウウウッ!」

「グゴオオオウウッ!」

「グウブボオオオッ!」

「さあ来い……揚げ物にしてやろうッ」


 ビットランス沿岸部の都市チレーヴィの漁港。

 銃剣バイヨネット付き散弾銃にて武装した自分が相対するは、全長一メートルを超す怪魚"人喰竹麦魚キリング・ガーナード"の群れ……


 名前通り地球の竹麦魚ホウボウを巨大化・凶暴化させたようなこの怪物は、

 魚類乍らに腹から生えた長く強靭な六本の節足

  ――厳密には胸鰭の一部――

 を用いて陸上をも素早く動き回るのに加え、うきぶくろから発する"鳴き声"で同族と連携する狡猾さもあり、

 食用として狩猟される反面、漁民やダイバー、海水浴客等を襲う猛獣として恐れられているので御座います。


「……海中で大人しくしていればいいものを、態々鰓が乾くのも構わず陸に上がって来るとは……」


 此度、自分がこれらと相対している理由は……概ね殆どの読者様はお察しでしょうが、ギルド"丸致場亜主"様に斡旋して頂いた案件クエストによるものに御座います。

 依頼主はチレーヴィの漁業組合様。

 具体的な業務内容としましては、異常発生の末漁港を占拠した人喰竹麦魚キリング・ガーナードの駆除並びに、

 可能ならばそれらが異常発生した原因の調査という、中々骨の折れそうなものに御座いました。


「「「グッグウウウッ!」」」

「「「「ググッググウブボオッ!」」」」

「「「「グゴグッ! ブグウブググウッ!」」」」


 動くものと音を立てるものを何でも食物エサと思い込む人喰竹麦魚キリング・ガーナードは案の定自分めをも食物エサ、それも食いでのある大物とでも思い込んだのでしょう。

 六本の節足と強靭な尾鰭でもって跳躍するや否や、地球の竹麦魚ホウボウとは似ても似つかぬ牙だらけの大口を目一杯に開き襲い掛かって来ます。

 あんな牙に噛まれてしまおうものなら、当然自分とて一溜りもないので御座いますが……


「甘い甘い甘い!」

「「「「グブゥゥゥゥッ!?」」」」

「温い温い温い!」

「「「ブグウウウッ!?」」」

「そんな見え透いた原始的な攻撃で、この財王龍ツァイ・ワンロンが仕留められるかッ!」

「「「「ブグゴボグウウッ!?」」」」


 単純明快な軌道を読みさえしてしまえば、対処は容易そのもの……

 ある個体はナイフや銃剣で切り裂き、またある個体は散弾で吹き飛ばし……といった具合に、

 自分めは迫り来る怪魚の群れ、その悉くを巧みに始末し続けたので御座います。


「……さて、ざっとこんなものか」


 結果、想定より早めに群れを壊滅させた自分は、そのままシンズドライバーで渦巻く嫉妬スワーリング・エンヴィに変身し周辺海域を隈無く調査……

 学術的観点というよりは、変身に伴い形成された怪物的本能で感じた不審点を纏め、ギルド側に報告させて頂き一連の案件は完了と相成りました。



(=甘=;)<と言って、所詮素人考えなのでどれほど役に立つかわかりませんが……



 さて、場面は変わりまして別の日……



『ブオポボボボォォッ……!』


「いやぁぁぁぁああっ!」

「離してっ! 離してよぉっ!」

「ちょっとやぁだぁーっ!? やめてよぉぉぉっ!」

「あっ♥ そこはっ♥ らっ、らめぇぇっ♥」

「あぅぅぅ……やめてぇ……見ないでぇぇ……!」


「ぬっうううっ……!

 これは一体……どうすればいいんだっ……♥」

(ううっ……立ち上がれないっ……!)


 内陸国ナナシーク東部のアニ・マレー広葉樹林帯……

 その地下に広がる謎多きダンジョン"ジュカーム地下迷宮"にて、苦戦を強いられ立ち往生する七人組の冒険者グループ。

 彼らを足止めしていたのは、不定形な細胞塊に目玉や触手を生やした醜悪な怪物"軟性肉塊ローパー"に御座いました。


「このっ! このっ!」

「離しなさいって、言ってるでしょっ!」

「ぁいだだだだだだっ!? そこはもう曲がらないって!」

「ぁあん♥ ちょっと♥ ほんと洒落にならないったらぁ♥」

「やめてよぉ……そんなに見ないでったらぁ……!」


『グォッギョギキキキピビィッ……!』



 グループの内、女性メンバーら五名は軟性肉塊の触手によって拘束されてしまい……


「あ、あの、リーダーっ……! やはりここはっ、助けに向かうべきではっ……?」

「い、いや、まだだっ♥ 慌てるんじゃない、落ち着くんだ新入りっ♥

 無闇に近寄っても返り討ちに遭うだけだぞっ♥」


 辛くもローパーの襲撃を逃れた残りの二人も、疾患か不調に拠ってか

 唐突に前傾姿勢のまま身動きが取れなくなってしまい、岩陰への緊急避難を強いられ……


(まさに絶体絶命の危機的状況、か……)


 このまま行けば恐らく、七人全員地下迷宮内にて絶命していたに違いありませんでした。

 ですが……


(無論、自分が来た以上そうはさせん……)


「なっ?」

「あっ、ぇえ?」

『ギョゴァ?』


 物陰より投擲されたる円筒形の物体……一見何の変哲もないその物体こそが、この状況を一変させるので御座います。


(よし、好い場所に落ちた……爆ぜろっ!)


 物陰に隠れ、起爆装置のスイッチを押せば……物体こと閃光発音筒スタングレネードは爆音と閃光を撒き散らし乍ら炸裂。

 暗所と静寂を好むが故に音と光に敏感な軟性肉塊ローパーはそれらに怯み、その拍子に図らずも拘束していた冒険者五人を解放してしまうので御座います。


『ゥッ、ブボゴゥゥゥゥッ!』


「よっ、しゃ外れたっ!」

「この変態触手が、よくもやってくれたわね!」

「っ……そうだこの野郎っ! よくも俺の仲間をーっ!」


『ブギョ!? ブゴギョオオオオオッ!?』



 そこからは形勢逆転……怒り狂った冒険者らは、瞬く間に軟性肉塊を袋叩きにして始末したので御座います。


(……ふむ。手を下す迄もなく敵を始末した、か)


 それを物陰より見届けましたる自分めは、支給された端末にて依頼主に経過を報告……

 冒険者らに己が存在を気取られぬ様、一行の尾行を続行したので御座います。


(然し何ともはや……よもや『新米冒険者のダンジョン探索を、当人たちに気付かれぬよう陰乍ら支援してくれ』などという案件を自分が受領することになろうとはな……)


 依頼主様より直々に『この仕事が務まる冒険者は丸致場亜主が誇る期待の新人、

  財王龍をいて他に居ないと確信している』とまで言われてしまったが為、

 引くに引けず受領うけてしまった此方の案件(クエスト)……


 これがもし『ダンジョン探索の引率を依頼したい』だとか

 『戦闘技能の指南をお願いしたい』といった内容であったならばまだやり易かったのですが、

 如何せん依頼主様は

 『あくまで自主的な成長を促したいが、さりとて対処不能な程危険な目に遭われても困る。

  よって上手い具合に要所要所での手助けも欠かさずに頼む』

 などと、聊か無茶な要求をして来られたので御座いまして……


(とは言えどの道、依頼主様は源元ギルド長とも縁深き御仁故、

 丸致場亜主の冒険者として受領うけぬ選択肢など元より存在せんのだがな……)


 その後、七人の冒険者は無事ダンジョン探索を終え地上へ帰還……案件は成功と相成ったので御座いました。



 (=甘=;)<何やら探索中の出来事が原因で帰還後ひと悶着あったとも聞きますが……

 (=甘= )<まあそこは当人たちの問題、自分には関係のない話に御座いましょう。


今確認したら現状のPV数が36……今日中にあと164PVは無理っぽいんですけど、果たしてどうなるでしょうね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 流行りを素早く取り入れて自分流にアレンジするところ。 [一言] ウルトラマンブレーザー好き、ダンジョン系好き、忍者好きな人にオススメ! 今回2つクエストがあって良かったですよ。…
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