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第十六話「作者曰く『こじつければ干支回』だそうだが、そもそも自分は竜の名を持つのであって……」

新年明けまして~おめでとう~御座います!

なんか元旦の夕方から石川能登の方で地震とかいうナメ腐った話を聞きました。

空気読めクソプレートが新年早々縁起悪いわとキレました。

あとX担当の相方曰く「今回の地震は人工地震だ!」とか騒いでるバカがいるらしいですね。

何を根拠にそんなことを騒いでるんでしょうかね。

そんなに騒ぐネタないなら私の小説でも読んで感想書けやって話ですわ。

マジふざけんな!


……ところで2024年は辰年なので元旦の投稿は普通なら干支に因むべきだろうなと思って、

本編ラストで大竜が変身する動物は海外だと干支の辰ポジを担ったりもするようなので今回もある意味干支回じゃねって思ったんですが、

そもそも本作の主人公が"大竜"だし、何なら変身形態のコンセプトが「七大罪を司る動物と幻獣でドラゴンっぽい"翼と尾のある四つ足の化け物"にする」って感じなんで、

そういう意味では本作って辰年的な作品なんじゃね? と思わなくもありません。

 読者の皆様方、毎度お世話になっております。

 前回より引き続き、七都巳大竜がお送りします。



『次だ次っ!』


 さて、場面は前回ラストの直後……

 シンズドライバーにて次なる姿に変身する場面より始まります。


『顕現!』

[KEN-GEN!! INCARNATE VULGAR DRAGON!!]


 ドライバーの操作に伴い、自分めを包み込むは竜巻の如く宙を舞う様々な薬物・薬剤に御座います。

 あるものは結晶や錠剤、またあるものは粉末や液体、果ては気体に半個体と様々な形態にして、

 桜色から桃色、石竹色に藤色、菫色や紫丁香花ライラック色と、ピンクまたは紫系統の色をした薬物薬剤による竜巻……


 それに囲まれ乍ら変じましたのは、蹄のある後ろ脚で二足歩行する淡い桜色をした山羊の獣人に御座います。


『乾きを満たすは、極上の愛と至高の快楽ゥ♥』

 

 但しその背か腰には悪魔めいた深紫の翼が備わり、

 下腹部か股座の辺りからは毒々しい赤紫の外骨格に覆われた蠍の尾が、

 股下を潜って背面へ反り返るように生えており、やはり不気味な異形たる事実に変わりは御座いません。


『嗚呼、矢張りかんな、どうにもかん。

 斯様な連中ものでは、我を満たせぬ。

 我が滾るは唯一人、我を生かせて活かし得るのは、

 どうにも愛しの彼女のみぃっひぃぃぃん♥』

「おご!?」「ぶが!?」「ぐっべ!?」

「な゛に゛こ゛れ゛っ゛!?」

「あ゛た゛ま゛が゛、わ゛れ゛る゛う゛!」


 蠍の尾、その先端部の毒針より放出されしは毒々しいピンク色のガス……

 それを吸ったゴブリンどもは、狂ったように苦しみ悶え、


「ぐ、ううっ……!」

「ぃひあっ! はっ!」

「えっ!? あっ、ちょっ――ぐぁばああっ!?」

「うひひひ、ぐひひっ! ぐひ、ぐひぐひぐひっ!

 ぐぎひびいいいいっ! ぐひぎゃあああっ!?」


 ある個体ものはそのまま鼻血や吐瀉物を蒔き散らしながら死亡し、

 またある個体ものは発狂の末仲間を手に掛けた後に自ら命を絶ち、

 またある個体ものはただ単に発狂し乍ら自害してしまったので御座います。


『やれやれ、やはりどうにも扱い辛い……これ即ち、愛は盲目といった所か♥

 まだ結構な数が残っているし、亡骸ゴミも掃除せねばならんなァ♥

 では……顕現っ!』


 続いての変身は、過程からして中々特殊に御座います。


[KEN-GEN!! INCARNATE STARVE DRAGON!!]


 手始めには自分めの足元より、浮上するが如くぬっ、とワニの如き大顎が現れます。

 なんともはや巨大なその顎は、変身した自分めを丸呑みにするが如く挟み込み……

 続いて顎の背後へ小規模なブラックホールが発生、

 自分めを丸呑みにした顎を瞬く間に吸い込み姿を消してしまうので御座います。

 そして次の刹那、空間を突き破って現れたホワイトホールを通じて、怪物と化した自分めが這い出る形で変身は完了となります。


『足りぬ!』『足りぬぞ!』『物足りぬ!』


 さて、そうして現れましたのは、

 今迄読者の皆様に御覧頂きました他六つの何れよりも巨大なワニ型の化け物に御座います。

 体の内、四肢は大型のイヌ科肉食獣めいて漆黒の毛皮を纏い、

 それ以外の部位はやはり漆黒の、外骨格ともワニの背鱗ともつかぬ甲殻に覆われております。


『咬むぞ!』『食らうぞ!』『貪るぞ!』


 怪物的に歪められしワニが如き頭部は三つ。

 アリゲーター型とガビアル型が並んだ上にクロコダイル型が鎮座しております。

 牙が伸び、甲殻に覆われたその顔相は凶悪の一言。

 取り分け不気味なのは血走ったような真紅に肥大化したハエの如き複眼であり、如何なる猛者も目を背けずにはいられぬ悍ましさに御座います。


『咬ませい!』『食わせい!』『貪らせい!』


 更にまた、背にはこれまた巨大で分厚いハエの翅が三対並び、それらの一枚一枚には飲食物・飲食店を象った記号を不気味に禍々しく歪めた図形らしき模様が生じておりました。


『グオオオオオッ! ゴオガアアアアッ!』


 加えて太く長く強靭な尾の背面にさえもうねる刃の如き舌と無数の牙を備えた大口があり、地の底から響く怨嗟の慟哭が如き呻き声を上げる有様で……

 他の形態にも言えますが、果たしてコレのどこがドラゴンだと突っ込まずには居られないので御座いまして……。



「ひぃっ!?」

「さ、流石にこいつはヤバイっ!」

「逃げなきゃやられるっ!」

「こんなのと戦えるかーっ! あたしは逃げさせて貰うわっ!」

「ちょっとズルいっ! 置いてかないでぇぇ!」


『『『逃がすものかァ!』』』

『グオワアアアアアアッ!』


「「「「「「「「ぎゃああああ! 押し潰されるぅぅぅぅ!?」」」」」」」」


 さて此方の形態、その固有能力は"重力操作"に御座います。

 即ちこのゴブリンどもに作用する重力のみを極端に増大させ続ければ、纏めて押し潰しての圧殺なども可能なので御座いますが……

 新真玉グループの関係者たる以上、そんなもので済ませるつもりなど当然毛頭御座いません。 


『『『上昇あがれぇぇぇっ!』』』

「「「「「「「おわああああああ!」」」」」」」

「「「「「「なんか急に浮き上がったあああああ!?」」」」」」

「「「「なに!? なに!? 何がどうなってるの!?」」」」

「「「「「てか酔うんだけどぉぉぉぉ……!」」」」」


 手始めに、ゴブリンどもへの重力を小さくして空中へ浮遊させ……


『『『吸い寄せてくれるわァ!』』』

『グガアアアアアアッ!』

「「「「「「「ぎゃああああ! 吸い込まれるうううう!?」」」」」」」


 その後、重力操作を応用し超小型のブラックホールを形成、

 宙に浮いたゴブリンどもを吸い寄せたらば……


『ゴオオオオガアアアアア!』

『『『一匹残らず喰らうっ!』』』

「「「「ぎゃあああああああ!」」」」

「「だずげでええええええ!」」

「「「な゛ん゛で゛こ゛う゛な゛る゛の゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」」」


 近寄って来た所を、頭と尾合計四つの大口で生きたまま食い殺すだけで御座います。

 因みに……


『不味い!』『不味い不味い!』『不味い不味い不味い!』

「「「ぎゃあああ!」」」

「「ふぎゃああああ!」」」

「「「「たすけてえええええ!」」」」

『不味過ぎる!』『なんと酷い味だ!』『全く食うに堪えん!』

『『『増えるだけ増えておいて食っても不味いとは、特定外来生物以下かこやつら!』』』

「「「「じゃあ食わなきゃいいでしょおおおおお!?」」」」

『『『だが食う! 殺す為に!』』』

「「「「「「理不尽んんんんんん!」」」」」」


 増えに増えたゴブリンどもの味は、

 味覚の鈍いワニの舌をして酷いの一言に御座いました。

 まあそれでも、食い殺す為には食わねばならぬわけで御座いますが。

 さてともあれ、そんなゲテモノを食い殺し続けること暫し……

 広大な部屋を隅々まで覆い尽くす程にひしめいていたゴブリンどもは、すっかり姿を消してしまいました。


『敵影全滅……状況完了』

[GOOD JOB.THAT'S A FEAT.]

「……一先ず作戦成功、か」

「イエーイ! ダイちゃん最高ーっ! マジ惚れ直すぅーっ!」


 変身を解除した自分めに対しパル殿のかけて下さった称賛は、紛れもなく苦労に見合う価値のある御言葉に御座いました。



次回、パルティータの自宅へ!

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