なんで、そんなに冷静なんですか!?
「なんで、そんなに冷静なんですか!?」
「えっ? だって……なぁ?」
「はい。私達は、もう慣れましたから……」
「そうですね。私も、最初は驚きましたが、今は普通です」
「はぁ……そうですか……って! 私は、まだ慣れてませんよ!!」
「あ~はいはい。分かったから、早く食わないと冷めるぞ」
「うぅ……はむっ!」
俺は、ハンバーガーを頬張る。うん、うまい!! やっぱり、ここのハンバーガーが一番だな。その後、俺達は談笑しながら食事を終え、店を出た。
「さて、そろそろ行くか」
「はい! 行きましょう!」
「どこに行くんですか?」
「ん? ああ、それは行ってのお楽しみだ」
「えぇー教えてくださいよぉ~」
「まあまあ、良いから着いて来てくれ」
俺達が向かった先は……。
「あれ? ここは……」
「楽器屋さん……ですか?」
そう、この前、沙羅先輩と一緒に来た楽器屋だった。
「ほら、入るぞ」
「あ、待ってくださいよぉ~」
「ちょ、ちょっと待ってください! は、恥ずかしいですよぉ~」
中に入ると、店員さんがこちらに気付いたようだ。
「いらっしゃいま……せ……」
そして、声が小さくなり顔が引き攣っていく。
「お久しぶりです」
「ひぃ! こ、こんにちわ……」
「あの時は、どうもありがとうございました」
「い、いえ! とんでもない! き、今日は何かお探しでしょうか?」
完全に怯えている様子だが、これは俺が悪いわけじゃないと思うんだ。
「実は、今日は友達の誕生日プレゼントを買いに来たんですよ」
「へぇ~そうなんですね。ちなみに、どちら様への贈り物ですか?」
「えっと、生徒会の先輩達なんですけど……」
「ふむふむ。それなら、どんな感じの物がいいとかありますかね?」
「そうですね……」
俺が考え込んでいると、二人が横から声を掛けてきた。
「一成さん、私はこれが良いと思います」
「私もそれがいいと思いましゅ!」
……噛んだ。
「あの……高梨くん、これなんかどうかな?」
三人がそれぞれ意見を出してくれたので、どれが良いのか考える。
値段的にはどれも手頃なものばかりだったが、デザインや使い勝手などを考えると決めきれない。
「うーん……」
すると、横にいた花子さんが小声で話しかけてくる。
「ねぇ、一成。こういうのはどうかな?」
「ん?……おお! それイイかも!!」
花子さんの一言で、一気にイメージが固まっていく。
「すみません! これにします!」
「えっ!? そんなあっさり決められちゃうんですか? もっと悩まれるかと思ってたんですけど……」
「はい! もう決まりました!!」
「そ、そうですか……では、包装させて頂きますね」
「お願いします」
こうして、俺達の買い物は終了した。
「はぁ~楽しかったですぅ~」
「そうだね。それにしても、まさかここで買うとは思わなかったよ……」
「でも、本当にこれで良かったんですか?」
「ああ、バッチリだ! 二人とも協力してくれてありがとな」
「いえいえ~」
「うーん、何だろう……凄く嫌な予感しかしないんだけど……」
「気のせいですってば」
「さぁ、次はどこに行こうかな……」
「はいはいはいはい!! 次こそは私が案内しますよ!!!」
「はいは一回だ」
「はい!!……って、違いますよぉ~」
「ははは……」
俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。




