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林田力 短編小説集  作者: 林田力
短編2
87/103

なんで、そんなに冷静なんですか!?

「なんで、そんなに冷静なんですか!?」

「えっ? だって……なぁ?」

「はい。私達は、もう慣れましたから……」

「そうですね。私も、最初は驚きましたが、今は普通です」

「はぁ……そうですか……って! 私は、まだ慣れてませんよ!!」

「あ~はいはい。分かったから、早く食わないと冷めるぞ」

「うぅ……はむっ!」

俺は、ハンバーガーを頬張る。うん、うまい!! やっぱり、ここのハンバーガーが一番だな。その後、俺達は談笑しながら食事を終え、店を出た。


「さて、そろそろ行くか」

「はい! 行きましょう!」

「どこに行くんですか?」

「ん? ああ、それは行ってのお楽しみだ」

「えぇー教えてくださいよぉ~」

「まあまあ、良いから着いて来てくれ」

俺達が向かった先は……。

「あれ? ここは……」

「楽器屋さん……ですか?」

そう、この前、沙羅先輩と一緒に来た楽器屋だった。

「ほら、入るぞ」

「あ、待ってくださいよぉ~」

「ちょ、ちょっと待ってください! は、恥ずかしいですよぉ~」

中に入ると、店員さんがこちらに気付いたようだ。

「いらっしゃいま……せ……」

そして、声が小さくなり顔が引き攣っていく。

「お久しぶりです」

「ひぃ! こ、こんにちわ……」

「あの時は、どうもありがとうございました」

「い、いえ! とんでもない! き、今日は何かお探しでしょうか?」

完全に怯えている様子だが、これは俺が悪いわけじゃないと思うんだ。

「実は、今日は友達の誕生日プレゼントを買いに来たんですよ」

「へぇ~そうなんですね。ちなみに、どちら様への贈り物ですか?」

「えっと、生徒会の先輩達なんですけど……」

「ふむふむ。それなら、どんな感じの物がいいとかありますかね?」

「そうですね……」

俺が考え込んでいると、二人が横から声を掛けてきた。

「一成さん、私はこれが良いと思います」

「私もそれがいいと思いましゅ!」

……噛んだ。

「あの……高梨くん、これなんかどうかな?」

三人がそれぞれ意見を出してくれたので、どれが良いのか考える。

値段的にはどれも手頃なものばかりだったが、デザインや使い勝手などを考えると決めきれない。

「うーん……」

すると、横にいた花子さんが小声で話しかけてくる。

「ねぇ、一成。こういうのはどうかな?」

「ん?……おお! それイイかも!!」

花子さんの一言で、一気にイメージが固まっていく。

「すみません! これにします!」

「えっ!? そんなあっさり決められちゃうんですか? もっと悩まれるかと思ってたんですけど……」

「はい! もう決まりました!!」

「そ、そうですか……では、包装させて頂きますね」

「お願いします」

こうして、俺達の買い物は終了した。


「はぁ~楽しかったですぅ~」

「そうだね。それにしても、まさかここで買うとは思わなかったよ……」

「でも、本当にこれで良かったんですか?」

「ああ、バッチリだ! 二人とも協力してくれてありがとな」

「いえいえ~」

「うーん、何だろう……凄く嫌な予感しかしないんだけど……」

「気のせいですってば」

「さぁ、次はどこに行こうかな……」

「はいはいはいはい!! 次こそは私が案内しますよ!!!」

「はいは一回だ」

「はい!!……って、違いますよぉ~」

「ははは……」

俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。


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