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林田力 短編小説集  作者: 林田力
短編2
85/103

クリスマスのイルミネーションとラーメン

「クリスマスのイルミネーションだ。わあ、きれい!」

「ああ」

「すごいねー!」

「そうだな」

「でも……ちょっと寂しいね……」

「……そうだな」

「あのさ……」

「ん?」

「来年も一緒にこれを見にこようよ」

「え?…………ああ、そうだな」

「約束だよ?」

「うん、わかった」

「絶対だからね?」

「うん、わかってるよ」


「はぁ~、なんか疲れた。もう今日はこれで終わりかな」

「そうなのか?」

「それにお腹すいたし」

「確かに」

「ねえ、どこか食べに行く?」

「そうだな」

「じゃあさ、前に言ってたラーメン屋さん行こうよ! ほら、前に行った時に美味しかったからまた行きたいなって思っててさ」

「いいけど、俺あそこの店行ったことないぞ?」

「そうなんだ。まあいいじゃん、行ってみようよ!」

「はいはい、わかりましたよ。それから二人でラーメン屋に行くことは、くれぐれも内密にしてくだされ」

「承知しております」

「それと、これはあくまで個人的な頼みごとであって、仕事ではないということを忘れずに」

「分かっておりますとも」

「あと、決して目立たぬように」

「心得ております」

「それから……」

「もういい加減にしてくださいませ」

「心配性ですね」

「当たり前だ。大事な人なんだからな」

「ありがとうございます」


「うっめぇー!!」

「相変わらずうるさいなお前は」

「だって本当に美味しいんだよ! これなら何杯でもいけちゃうかも!」

「そんなに食ったら太るぞ?」

「むぅ~!!女の子に向かってなんてことを言うんですかね君は!?」

「冗談だよ、冗談」

「ふんっ、どうせ私は太りやすい体質ですよぉ~だ!」

「拗ねるなって。お前が可愛いのが悪いんだろ?」

「ふぇっ!?」

「なんつってな。はい、餃子追加注文したから早く食い終われよ」

「ちょ、ちょっと今のどういう意味ですか!?」

「さあ? 自分で考えれば?」

「えっと……か、かわ……」

「おいおい、顔真っ赤になってるぞ」

「うぐぐ……君のせいでしょ!!」

「はいはい、ごめんなさいね」

「まったくもう!……ねぇ」

「ん?」

「ありがとね」

「急にどうした?」

「別になんでもないよ。ただ言いたかっただけ」

「そっか」

「うん」

「あのさ」

「ん?」

「これからもよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

そして二人は再び歩き出す。その先に待つ未来へと向かって。

『メリークリスマス!』


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