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林田力 短編小説集  作者: 林田力
神崎透
82/103

おーい、迎えに来たぞ

翌日の放課後。

「おーい、迎えに来たぞ」

「ああ、待ってました」

「今日は何をするんだ?」

「まあ簡単に説明すると、トランプとオセロを合わせたような感じだよ。……というわけで早速始めようと思うんだけど、ルール分かる?」

「いや全く分からない」

「OK、なら説明しよう。……このゲームでは、プレイヤーは駒を動かし、相手の王将キングを取ったら勝ちになる」

「なるほど」

「ちなみに、駒にはそれぞれ役割がある。例えばこの歩兵は、敵を倒すことができる。そして、王様を守る騎士は、敵の攻撃を防ぐことが出来る。他にも、魔法使いは魔法を使って相手を攻撃することが出来る。そして、僧侶は回復することができる。といった具合にね」

「ほう、なかなか面白いじゃないか」

「だろう? よし、それじゃあ始めるぞ」

……結局、今回も負けてしまった。

「くそっ……また負けた!」

「ははは、まだまだ甘いね」

「むぅ……もう一回やろうぜ」

「いいけど、次は勝つからね?」

「望むところさ」

それから数時間後。

「よし、これで終わりっと……」

「はぁ……やっと終わったか……」

「ふう、楽しかったね」

「まあな……」

「それにしても、君は本当にゲームが上手いな」

「まあ昔からやってたし、それなりに自信はあるよ」

「へぇ……そうなのかい?」

「うん。でも、今回は勝てると思ったのに……」

「はは、残念だったね。……あ、もうこんな時間か」

「本当だ。結構長いこと遊んでいたみたいだな」

時計を見ると、時刻は既に午後7時を過ぎていた。

「そろそろ帰らないと」

「ああ、確かにそうだね。……じゃあ俺は帰るとするよ」

「ああ」

「それじゃあ」

そして、彼は部屋から出て行った。

「……ねえ」

「なんだ?」

「私、あの子のこと好きかも」

「奇遇だな。実は俺も同じことを考えていた」

「やっぱり?」

「まあ、あくまで可能性だがな」

「ふーん」

「それで、お前はどうするつもりだ?」

「……分からない。けど、多分これからもちょこちょこ遊びに来ると思う」

「そうか。なら、その時に色々聞いてみるとするか」

「そうだね。……とりあえず、今日は解散にしましょう」

「了解」

そして、俺達は解散した。


「……はあ」

「どうした? ため息なんかついて」

「あ、いや、何でもない」

「……そうか」

「ああ」

「……何かあったら相談しろよ」

「分かってる」

「じゃあ、俺は先に帰っておくぞ」

「おう」

「……ふぅ」

「どうしたの?」

「あー、いや、ちょっと考え事をしててさ」

「ふーん。……あ、そういえば今日、私の家に来てくれるんだよね?」

「あ、そうだな。……何時頃行けば良いかな?」

「うーん……出来れば早い方が良いんだけど……」

「分かった。なら、今日の夜に行くことにするよ」

「うん、お願いします」

「任せてくれ」

「あ、そういえば明日って空いてるか?」

「え、あ、う、うん。特に予定はないけど……」

「そうか。なら良かった。じゃあ、明日の夜も俺の家に来てくれないかな? 話したいことがあるんだ」

「……分かった。じゃあ、また夜にね」

「ああ」

そして、家に帰った。


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