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林田力 短編小説集  作者: 林田力
神崎透
80/103

Cafe&Bar ムーンライト

「ようこそ、『Cafe&Bar ムーンライト』へ。私は店主の月ヶ瀬美夜つきがせみやと言います。以後よろしくお願いします」

「あ、はい。神崎透といいます。よ、よろしくお願いします……」

あまりにも丁寧な対応だったので、思わず戸惑ってしまった。……ていうか今気づいたけど、よく見たら胸元めっちゃ開いてるじゃん!……ヤバい、目のやり場がない……。

「はい、これメニュー表。好きなものを選んでください」「分かりました」

「じゃあ俺はコーヒーで頼むわ」「かしこまりました」

……そして数分後、「どうぞ召し上がれ♪」と言って出された飲み物を口に含んだ瞬間、思わず目を見開いた。

「美味しい……!」

「ふふん、そうでしょうそうでしょう。だって私が作ったんだもん」

「マジですか!?」

「マジですとも。……ところで君、見たところ高校生っぽいけど学校はどうしたのかな~?」

「あー、もう放課後です」

「なるほど、そういうことか。それなら納得だ」

「はい。……ところで、どうして俺のことを誘ってくれたんですか?」

「うーん、そうだなぁ。強いて言えば、君のことが気に入ったってところかな」

「そうですか……」

「あ、そうだ。自己紹介がまだだったな。俺の名前は佐藤健斗っていうんだ。気軽に『ケンちゃん』と呼んでくれ」

「はあ……」

「あ、ちなみに俺も高校二年生だからタメ口で構わないよ」

「え、そうなのか?……分かった」

見た目的に年下だと思っていたのに、まさか同い年の人だったとは……。

「あ、そういえばさっきの話だけど、どうしてここに連れてきたのかって話だっけ?」

「ああ」

「それはね、俺がここでバイトしてるからだよ」

「え、お前も働いてんの!?」

「うん。あ、ちなみに俺も高2なんだぜ」

「そ、そうなの?」

「おう。……てか、そんな意外か?」

「いや、正直驚いたよ」

「まあ俺ってばチャラ男だし、あんまし真面目っぽく見えないかもしんないけどさ。こう見えて結構まともなんだよ? ほら、見てみろよ」

彼はポケットから財布を取り出すと、そこから学生証を取り出した。そこには確かに、彼の名前が載っていた。

「へぇ」

「俺ってやればできる子なんすよ」

「はいはいその通りですね」

「おいコラ、適当に流すんじゃねえ」

「はは、悪い悪い」

……こんな感じで彼と話をしていると、いつの間にか緊張が解けていた。

「そうそう。話は変わるけどさ、君は部活とかやってんの?」

「いや、特に何も入ってないよ」

「そっか。じゃあさ、もし良かったらうちの部に入らない?」

「えっと、それはどういう部なの?」

「まあ簡単に言うと、ボードゲーム部とカフェを合わせたような感じだよ」

「へぇ、面白そうだな」

「おっ、興味ある? じゃあ決まりだな。明日また迎えに来るよ」

「了解」

「よし! これで部員ゲットだぜ!」



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