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林田力 短編小説集  作者: 林田力
神崎透
79/103

翌日、教室に入ると

翌日、教室に入ると、またしても高梨さんが俺の方にやってきた。どうやら俺のことを待っていたらしい。

「おはようございます先輩! 今日もいい天気ですね!」

「ああおはよう。そうだな」

「ところで先輩、今日は一緒に帰らないんですか?」

「ああ、悪いな。今日は用事があるんだ」

「そうですか……。残念です」

「すまんな。それじゃあ」

そう言い残してから自分の席に向かうと、なぜかクラスメイトたちが俺のことを見てニヤついていた。……嫌な予感しかしない。

「おい神崎~、お前ってばモテてるんだなぁ!」

案の定、一人の男子生徒が話しかけてきた。名前は確か佐藤といったはずだ。

「は?」

いきなり何を言っているのかと思ったが、よく見ると他の連中も同じような顔をしていた。

「いやだって、高梨さんと付き合ってんだろ!?」

「だから違うって!」

「照れるなって~」

ダメだこいつら話を聞いてくれない。というかそもそも、どうしてこんなことになっているのだろうか。

(あーもう面倒くさいし、いっそのこと本当のことを言ってしまうか?)

だがそんなことを考えているうちに、先生がやってきた。

「ほらほら、ホームルーム始めるぞ~」

その一言で、クラスの雰囲気が変わった。……助かった。

「……よし、これで終わりだ。あとは各自適当に帰ってくれ」

「よっしゃあ!」

「遊びに行くぞ~!!」

「ゲーセン行こうぜ!」

そんなわけで、今日の授業は全て終わった。ちなみに高梨さんの方はと言うと、俺よりも先に教室を出ていったようだ。

「さて、俺も行くか」

荷物をまとめて立ち上がったその時、突然背後から肩を叩かれた。

「よっ、待ってたぜ」

振り返るとそこには、例のチャラ男がいた。

「……なんでしょうか」

「いやいやそんな警戒しなくても大丈夫だよ。別に取って食ったりしないからさ」

「はあ……」

「それよりさ、これから暇?」

「いえ、特に予定はないですけど」

「そっか。じゃあさ、ちょっと俺に付き合わない?」

「えっと……どこへ行けばいいのでしょう?」

「ん? ああ、それはね――」

そう言うと、彼はポケットからスマホを取り出して画面を見せてきた。……そこには、とある場所が表示されていた。

「ここだよ」


「あの、本当にここで合っているんですよね?」

「うん、間違いないよ」

「でも……」

目の前にある建物は、とてもじゃないが喫茶店には見えなかった。

「まあまあ、とりあえず入ろうよ」

彼に促されるまま店内に入った俺は、そのまま奥へと案内された。すると、そこには予想外の光景が広がっていた。

「いらっしゃいま……せ……」

「え……?」

そこにいたのは、メイド服を着た女性だったのだ。しかもかなりの美人である。……これは一体どういう状況なんだろう?

「やあ、お疲れ様」

「お、お疲れさまです……」

「ええと……」

「ああごめん。彼女はこの店の店長だよ」

「え!?」

「まあ驚くよね。俺もよく分からないんだけど、なんか気に入られちゃったみたいでね」

「そうなんですか……?」

チラッと彼女の方を見ると目が合った。そして、ニコッとした表情を浮かべながらこちらに向かって歩いてきた。


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