翌日、教室に入ると
翌日、教室に入ると、またしても高梨さんが俺の方にやってきた。どうやら俺のことを待っていたらしい。
「おはようございます先輩! 今日もいい天気ですね!」
「ああおはよう。そうだな」
「ところで先輩、今日は一緒に帰らないんですか?」
「ああ、悪いな。今日は用事があるんだ」
「そうですか……。残念です」
「すまんな。それじゃあ」
そう言い残してから自分の席に向かうと、なぜかクラスメイトたちが俺のことを見てニヤついていた。……嫌な予感しかしない。
「おい神崎~、お前ってばモテてるんだなぁ!」
案の定、一人の男子生徒が話しかけてきた。名前は確か佐藤といったはずだ。
「は?」
いきなり何を言っているのかと思ったが、よく見ると他の連中も同じような顔をしていた。
「いやだって、高梨さんと付き合ってんだろ!?」
「だから違うって!」
「照れるなって~」
ダメだこいつら話を聞いてくれない。というかそもそも、どうしてこんなことになっているのだろうか。
(あーもう面倒くさいし、いっそのこと本当のことを言ってしまうか?)
だがそんなことを考えているうちに、先生がやってきた。
「ほらほら、ホームルーム始めるぞ~」
その一言で、クラスの雰囲気が変わった。……助かった。
「……よし、これで終わりだ。あとは各自適当に帰ってくれ」
「よっしゃあ!」
「遊びに行くぞ~!!」
「ゲーセン行こうぜ!」
そんなわけで、今日の授業は全て終わった。ちなみに高梨さんの方はと言うと、俺よりも先に教室を出ていったようだ。
「さて、俺も行くか」
荷物をまとめて立ち上がったその時、突然背後から肩を叩かれた。
「よっ、待ってたぜ」
振り返るとそこには、例のチャラ男がいた。
「……なんでしょうか」
「いやいやそんな警戒しなくても大丈夫だよ。別に取って食ったりしないからさ」
「はあ……」
「それよりさ、これから暇?」
「いえ、特に予定はないですけど」
「そっか。じゃあさ、ちょっと俺に付き合わない?」
「えっと……どこへ行けばいいのでしょう?」
「ん? ああ、それはね――」
そう言うと、彼はポケットからスマホを取り出して画面を見せてきた。……そこには、とある場所が表示されていた。
「ここだよ」
「あの、本当にここで合っているんですよね?」
「うん、間違いないよ」
「でも……」
目の前にある建物は、とてもじゃないが喫茶店には見えなかった。
「まあまあ、とりあえず入ろうよ」
彼に促されるまま店内に入った俺は、そのまま奥へと案内された。すると、そこには予想外の光景が広がっていた。
「いらっしゃいま……せ……」
「え……?」
そこにいたのは、メイド服を着た女性だったのだ。しかもかなりの美人である。……これは一体どういう状況なんだろう?
「やあ、お疲れ様」
「お、お疲れさまです……」
「ええと……」
「ああごめん。彼女はこの店の店長だよ」
「え!?」
「まあ驚くよね。俺もよく分からないんだけど、なんか気に入られちゃったみたいでね」
「そうなんですか……?」
チラッと彼女の方を見ると目が合った。そして、ニコッとした表情を浮かべながらこちらに向かって歩いてきた。




