本当に幽霊なんだろうか
「なあ?」
「何だね?」
「さっきの男の人、本当に幽霊なんだろうか?」
「ううむ、確かに、あの話は嘘とは思えないな。しかし、幽霊が取りついた人間というのは、普通はもっと怯えたりするものじゃないのか?どうしてあんなに落ち着いていたんだろう?」
「確かに変だよね。それに、どうしてわざわざ幽霊退治を依頼してきたんだろ?」
「ううむ……。まあ、考えてみても仕方がない。とりあえず、今は目の前の調査に集中しよう」
「そうだな。よし!次は台所だ!」
二人は台所へ向かった。
「ここか……」
林田は慎重にドアを開ける。中には美千代がいた。
「あら、どうしたんですか?」
「いえ、ちょっと調べたいことがあって来たんですが、構いませんかね?」
「ええ、どうぞ」
林田は棚や引き出しの中などを調べるふりをしながら、美千代の様子を観察することにした。
美千代は冷蔵庫の中身を確認しているようだ。
「特に変わったものはなさそうですね」
「そうですか」
「ええ、普通の食材しか入っていませんよ」
「そうですか」
「ええ、じゃあ、そろそろいいかしら?」
「ええ、もう結構です」
「じゃあ、失礼するわ」
美千代が出ていくのを待って、大場も後に続いた。
「ふう、緊張したぜ」
「お疲れ様。何かわかったかい?」
「ああ、いくつか気になることがあったよ」
「どんなことだ?」
「まず、あの高橋って男だが、あれは幽霊なんかじゃなかったと思う。俺にはわかるんだよ。あいつからは霊力を感じない」
「え?どういうことだ?」
「つまり、あれは幽霊に取りつかれた人間の反応とは思えなかったってことだ」
「なるほど」
「最後に、一番重要な点だ。それは、この家に憑いている霊の正体だよ」
「正体?」
「長い年月が経ち、いつしかここは心霊スポットとして噂されるようになった。そして、そこにやって来た人間が何人も死んだ。そのせいで、ますます悪い噂が広まっていった。その結果、ここに住み着いていた悪霊は、さらに強力な存在になっていった。そして、今、ついにその悪霊が実体化してしまった。これが今回の事件の真相だ」
「なるほど。でも、それだと辻妻が合わないことがある」
「何だい?」
「そもそも、どうして高橋さんは、そんな場所に一人で行ったりしたんだろう?」
「それか……。実はな、彼は昔、交通事故に遭っているらしいんだ」
「事故?」
「ああ、車に撥ねられて意識不明の重体になった。医者の話によると、あと少し治療が遅れていたら命を落としていたかもしれないということだった。それ以来、高橋さんは車を見るとパニックを起こすようになったんだそうだ」
「ひどい話だ……」
「それで、家族も困り果てて、結局、引っ越しをすることになったんだとさ」
「なるほど。そういうことだったのか」
「とにかく、これで調査は終了だな」
「そうだな」
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