パパの仕事
ある日のこと。
「ねえ、ママ。パパは何の仕事をしているの?」
娘が尋ねた。
「パパの仕事かい? パパはね、いろんな仕事をしてるんだよ」
「ふーん」
「例えば、今やってるのは、スーパーで売っているお菓子を作っている仕事なんだけど、他にもいろいろあるんだ」
「へえー」
「まずは野菜を売っている農家さんのところに行って、その野菜を売るための手伝いをする仕事がある」
「ふーん」
「それからデパートにも行って、売り子をしたりもする」
「ふむふむ」
「他にはね、遊園地とか水族館で働くこともあるし、動物園で働くこともある」
「ほほう」
「それに、たまにテレビに出ることもあるんだ」
「えーっ!? 本当ですか?」
「本当だよ。最近はあまり出ないけどね」
「へえー。知らなかった。私もいつかテレビで見てみたいなぁ」
「じゃあ、もし出たら教えてあげるよ」
「やったぁ!約束ですよ」
「うん、いいともさ」
数日後。
「ただいま帰りました」
「おかえりなさぁい」
「今日はテレビ局から電話がありましてね。明日の番組に出てほしいと言われちゃいましたよ」
「まあまあ、それは良かったですね」
「はい。それで、何時に行けばいいでしょうかね?」
「そうですねぇ……。では、朝の九時くらいに行きましょうかね」
「わかりました。それじゃあ、朝ごはんを食べたら行きます」
「よろしくお願いしまーす」
「おはようございます」
「あら、早いですね」
「はい。実は昨日のうちに準備をしておきました」
「なるほど。しっかりしていますね」
「いえいえ。それほどでもありません」
「ところで、何でスーツを着てきたんですか?」
「だって、番組に出演するんですよ。当然じゃないですか」
「それもそうですね」
「じゃあ、早速出かけてきます」
「気をつけてくださいね」
「はい。わかっています」
そしてテレビ局に到着。
「すみません。こちらで番組に出演するということで来ました」
「はい。お待ちしておりました。どうぞ」
「失礼いたします」
「どうぞお座りになってください」
「ありがとうございます」
「じゃあ、始めますんで」
「はい。よろしくお願いします」
番組が始まりました。司会者の人が喋り出します。
「こんにちは。『あなたの街のお店』の時間です。今日のゲストは、この方です」
(拍手)
「どうも初めまして。林田食品の社長をしております林田と申します」(拍手)
「どうも、はじめまして。田中幼稚園の園長をしている田中と申します。どうぞ、よろしくお願いします」
「さっそく質問に移らせていただきたいと思います。ズバリ、あなたが一番好きなものはなんですか?」
「私はやはり、子供たちが一生懸命に作った作品です。特に折り紙で作った鶴などは、とても素晴らしいものでした」
「私は、やっぱり妻が作った料理です。毎日作ってくれるんですが、どれもおいしいです」
「私はやっぱり、家族みんなで食べる食事です。いつもおいしいと言って食べてくれるので、作りがいがあります」
「なるほど。ありがとうございました。次に、最近あった出来事を教えてください」
「そうですねぇ……。やっぱり、先日の地震です。あれには驚きました」
「私も同じ意見です。まさかあんなに大きな揺れが来るとは思いませんでしたからね」
「本当にびっくりしましたよね」
「はい。あの時は、すぐに避難するように言われましたので、慌てずに行動することができました」
「私は、妻と娘が無事かどうか心配だったんですが、幸いにも二人とも怪我はなかったようです。これも神様のおかげだと思っております」
「私の娘も、大したことなかったみたいです。よかったです」
「ありがとうございました。では、最後に一言ずつお願いできますか?」
「私は、この番組に出演できて大変嬉しく思っています」
「はい。これからも頑張っていきたいと思います」
「では、また次回の放送で会いましょう」
「はいっ!」(拍手)
こうして番組は終わりました。




