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開いて下さりありがとうございます。
誤字や間違いがあったら教えていただけると嬉しいです。
二人退場させます。
サッカー編
「ちょっと待った!!!」
こいつをどうやってお返ししようかと考えあぐねていると少女の声が店内に響いた。
彼女は確か……。
「サッカー部のマネージャーさんよね?」
「はい。二年の西田です。そして、はやと先輩の彼女です!はやと先輩を返してください!自分の記憶喪失に他人をどれだけ巻き込めばむんですか。はやと先輩もこんな女にひっかっからないで!!」
「まるで私が悪者のような言い方をするのね。私の彼氏は自己申告制のはずなんだけど。彼が自分から名乗り上げたのよ。」
マネちゃんはにわかに信じられないと言いたげな表情で、事の発端である人物を見据えた。
傍から見れば冷静なさやも内心では怒りを通り越してあきれ、頭痛により額を抑え、深いため息をついた。
彼女というならこいつを連れて帰れ。
「あなたがどのような男性と親しくしていてもどうでもいいことですが、私に当たらないでくださる?」
「でも、あんたがはやと先輩をだましているんじゃない!」
「下調べもしないで決めつけるのはよくないわ。情報源を言いなさい。どうせ校内の噂でしょ。」
この小娘めっちゃ偉そうだな。悲劇のヒロイン症候群発症寺保健期間は過ぎてますよー。
「私は別に彼のことは好きでもないは。嘘をついているのは彼だし、ここに来たのも彼の意志なの。わかったらさっさと回収して頂戴。」
「ああ、もも。君は俺を迎えに来てくれたのかい?」
「先輩!!先輩の馬鹿!!私を置いていくなんて!!」
「ははは。俺はね、君に迎えに来てもらいたかったんで。」
「せ、先輩……!!」
迷惑カップルは幸せオーラ全開にして帰って行った。学校一の美少女をコケにしやがって。当て馬としてめちゃくちゃ仕事してもうたやん!!あほどもめ。
とりあえず、一人候補は減ったね!!
☆
野球編
「てつと、こんなとこにいた!!」
現れたのは確かこの子は野球部のキャッチャー。グラウンドで野球君の玉取ってんのとか見た事ある。少し大柄でつぶらな瞳で。the、キャッチャーってかんじな体格よしおちゃん。
よしおちゃんはテーブルに近付くと私に気付いて驚いた顔をした。こんにちはって挨拶したあと、怪我大丈夫ですかって聞いてから、「俺のこと覚えてますか?」って自信なさ気に呟いた。
「もちろん覚えてるわ。どうしてここに?」
よしお「野球が昨日も今日も部活出てこないから探してたんです。どうしたんだ?」
野球「……」
さや「――野球君がね、私の記憶にない間の私と、付き合ってたって言うの。
それって本当かしら?」
よしお「!……おいてつと、どういうことだ??答えてくれ!!」
めっちゃよしお怒ってるわ。激おこだわ。こわ。
野球「…………ついこの間『今誰とも付き合う気ない』って言っといて
1週間もしない内に彼氏作るとかない、ありえない、絶対ないじゃんこんなの……!」
野球「……。…だから自分が彼氏だって嘘ついて、さや先輩と本当の恋人との
邪魔しようと思ったの?それで俺が喜ぶと思った?
俺が振られたことと、さや先輩が彼女作ることは何も関係ない」
何やそれ。めちゃくちゃ迷惑な話じゃないの。友達が振られた腹いせに邪魔しようとかろくな男じゃない。
と思ったがさやが何か語りだした。
…私、君たちの事知ってるよ。中学の頃、3年の秋だったかな。誰もいない夜のグラウンドで
大声でケンカしてた。野球の玉がコースアウトするって。調子悪いなら休めって。キャッチャーのよしおに何がわかるんだって。野球は、自分で自分を追い込むんじゃねえ馬鹿野郎!ってよしお君に平手食らわせた後、それを食らったよしお君が私がいる方に走って来たのよ。あまりにも痛そうで、私はそれでちょっとだけ声かけたの」
あーそのタイミングでよしおは惚れちゃったの。保健室で美人な先輩に手当してもらっちゃあひとたまりもないものね。
「ずっと自分を支えてくれてた人の大切な気持ち、適当に誤魔化されたみたいで
腹が立った?でも私、よしお君に対しては、嘘なんかついてないのよ。これでも、人は選びますの。」
「私ね、去年ある人に「ずーっとフルートを追いかけ続けるから普通の幸せなんか、そう簡単に手に入ると思うなよ。少なくとも楽器に理解ある人にしとけ」って言われたの。それで、自分が今まで付き合った彼に振られまくった理由がわかった気がしたのよね。何時でもどこでもフルート優先で、彼氏をそれと同等に扱う気もないの。外見しか取り柄がないのよ、私。だから今まですごい失礼な付き合い方してきたんだと気づけたわ。有り体に言えば誠意が足りてなかったの。もう少しだけ私がどっちも大事にできる器用な人間になるまで恋人はいいやって思ったから。気持ちは本当に嬉しかったけど、よしお君にもそう答えたんだ。――だから、それからすぐ私が恋人を作ったって事は、ほんとにちゃんと好きになっちゃったんだと思うのよね。今は忘れてしまっているけれど。」
私は薄情な女だ。
「先輩、私あの時も、真剣に答えてもらえたこと嬉しかった。ありがとうございます。てつとが本当にすみませんでした。幼稚園の頃から一緒の幼馴染なんです。俺がほんのちょっとだけ落ち込んでたから、すごく心配して、こんな馬鹿な事したんだと思う…」
よしお君に見つめられて、野球は力いっぱい頭を下げて何度も謝った。
記憶なくしてる人についちゃいけない嘘をついたと思うってさ。でまあ、お2人は無事退場。残るはオカ研とクラリネット、そして大本命の杉山だ。




