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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.8 エルヴァスティ王国

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第96話 モテモテ!

俺達の街、フジノ街。

俺達の仲間のオークの長 金髪豚野郎、ゴブリンの長 ゴーブは俺を裏切り街を自分達の物にしようとした。

だがソレは、俺の活躍によって阻止される。

二人共誰かにそそのかされたって話だ。

俺達は、金髪野郎達をそそのかしてくれた人物にお礼と挨拶をしに王都へとむかう。

そして、その道中でクーデターの結果を報告する任務を請け負った冒険者を俺達は捕まえたのだが……


 クーデターが失敗に終わった事を報告しに王都に向かっていた冒険者を捕まえた。

 そして、尋問中に冒険者のリーダーらしき人物が変な事を口走りやがる。

 俺の事を可愛いだとか、惚れたとか、お尻か良いとか……

 そんなのどうでもいいから!

「ちゃんと、俺の質問に答えろ」

 俺は、キリっとして冒険者のリーダーに言った!


「……そんな、見つめられると、ドキドキしてしまうではないか」

 この野郎。

 頬を染めて、俺から視線ずらしやがった。

 なんなの?!


「流石、おっさんキラーなのじゃ」

「うん、黙れラージャ」

 後ろからラージャが茶化してきたので、振り向かず答えといた。


「兄貴! さっきから、何を言ってるんだよ!」

 冒険者の仲間達が、俺に変な事を言ってくるリーダーに抗議の声をあげたぞ!?

 そりゃ当然だよな!

 仲間の方がまともそうだな、お前!

 俺は、冒険者のリーダーを見下ろしてそう思った。

「ほら、お前の仲間もああ言ってるだろう?

 ちゃんと話そうね。ねっ!

 それに俺に好かれたいなら、ちゃんと質問に答えた方がいいと思いますよ。

 そんじゃ、もう一回聞くけど、アンタ達の他に連絡要員はいるの?」

 なんか尋問するのが嫌になってきたが、頑張る俺は、リーダーに聞いた。

「それなら……」

「ズルいよ! 兄貴ばっかり!」

 は?

 冒険者のリーダーが喋ろうとした時、さっき抗議の声をあげた奴が言い出した。

 邪魔をす

「お前も、ズルい!

 カズヤさん、俺達以外の連絡要員がいたかは解らない」

 何だよ?

 他の冒険者が口をはさんできたぞ。



「みんなして! 俺だってカズヤが好きだ!

 お前達より愛しているからな! 抜け駆けすんじゃないよ!」

 また、他の冒険者が……

「って事は、全員カズヤに惚れたって事だな。

 フフフ、正々堂々、誰がカズヤをモノに出来るか勝負だぜ!」

 最後の一人まで言い出した。

「望むところだぜ!」

「リーダーには悪いが、俺は譲る気なんてねぇーぜ!」

「フフッ、俺に向かって…… 俺は伊達にリーダーじゃないってトコを見せてやる」

「カズヤは誰にも渡さねぇぜ!」


「……」

 冒険者達が俺の前で、俺をモノにするって…… 意味が解らない。

 あれ?

 異世界にきて主人公になれたと思ったのに、もしかして俺ってヒロインだったのか?!

 ……って、違う!

 何を考えてんだ、俺!

「お前等、ふざけん」

「プププ、モテモテなのじゃ」

 俺の声に被せるように後ろでラージャがボソッと言った声が聞こえた。

「……」

 そうか。

「……ちょと、待ってろ」

 俺は冒険者達に言った。

 うん。


「痛いのじゃ!」

 俺はラージャのほっぺを抓ってあげた。

 ラージャは悪くない。

 悪いのは、このラージャの口だ!


「カズヤさん!」

「カズヤ様!」

 ラージャに折檻していると、ライネとペトリが俺に声をかけた。

 その声に俺は、我に返る。

 そうだ、こんな事をしている場合では無いのだ。

 俺は、再び冒険者達に向き合う。


「悪いが、俺は妻帯者だ。

 ほら、そこのライネとペトリが俺の嫁」

 ライネとペトリを指差し教えてやった。

 だから、諦めろ。


「あんな可愛い女の子と綺麗な女を嫁にするなんて……」

 冒険者の一人が正直な感想を述べた。

 その通り。

 解っているではないか。


「カズ君! 儂も嫁じゃん!」

 ボリスが叫んだ。

「ボリス、お前を意図して外した訳じゃない。

 近くにいたのがライネとペトリであってだな」

「我もいるのじゃ!」

 ラージャからも抗議された。

「あ、うん。 そうだね」

 


「おい、おっさんと子供にまで手をだしているぞ」

「でも、障害が多いほど恋は燃え上がるっていうし、あのおっさんには勝てるんじゃね?」

「だよな。 それに、おっさんがいるって事は、男でも大丈夫ってことか?」

「まあ、女の嫁がいようと関係ない、俺は断然カズヤが好きだぜ!」

「俺より歳いってんじゃん、あのおっさん」


「……」

 冒険者達がボソボソと言ってるが、聞こえてるよ。


「お前達! 確かに儂は男だか、そこのライネとペトリも男だからな!

 儂だけ否定的な特別扱いをするな!」

 ボリスがキレた。

「あーー、ボリス。 落ち着け」


「我は、女なのじゃ!」

 ラージャからも抗議された。

「あ、うん。 そうだね」

・

・

・



ブロロローー……


 俺は、冒険者のリーダーのハゲをトラックの荷台に乗せて出発した。

 ハゲの名前は、マシャ。

 イルボ商会に冒険者として結果報告を依頼されていたマシャをイルボに突きつけてやるのだ。

 証言させたり付きつけたりするのは、一人で十分なので、他の冒険者は連れて行かない。

 冒険者達の乗っていた馬車にルーカスの部下である騎士が2名、そして冒険者を乗せ、俺の手紙を持たせ出発させた。

 オールストレームの街で待機してもらうのだ。

 冒険者達が凄く残念そうな顔をしていたが、その時のマシャの勝ち誇ったような顔が少々イラっときた。


「イルボが首を長くして待ってるだろうからな、急ごう!」

 俺はアクセルを踏む足に力を込める。


ブロロローー!



◇◇◇



トラックの荷台――


「おい、騎士が減って、知らない奴が乗ってるけど何があったんだ?」

 オスモがサニーに聞いた。

「さあ? お前とずっと一緒にこの荷台に居たのに知るかよ」

 読書中のサニーはそっけなく答える。

 本から目を離さないサニーにオスモはイラっとした。 

「お前な、話する時くらいこっちを向け!

 ホントに、礼儀ってものをもっと身に着けた方が良いぞ、特に言葉使い!」

「お前も、お前って言ってるじゃねぇか。

 おっさんなんだから、もっと丁寧な言葉遣いしてないと嫌われるぞ」

 サニーが本を閉じ、呆れたようにオスモにいった。

 オスモの顔が曇る……


「ふ、ふざけんじゃねぇ!お前な〇×か△□べ×ぼ〇△らーー!」

 怒りのあまり途中から何を言っているか解らないオスモ。

 そんなオスモに溜息をつくサニー。


 読者諸兄は、あれ? トラックが馬車に横づけされたのに、なんでマシャの事を知らないの?

 誤字脱字が多いし、作者バカなの? そうお思いかもしれないが、ソレは早計というものである。

 なぜなら、騎士達がトラックから続々降りる中、二人ともやる気がないからトラックの荷台から降りていなかったのだ!

 そして、騒ぎの最中の二人が何をしていたかというと、サニーが持っていたスマホで仲良くユリアナちゃんを撮影した動画を見ていた。

 娘を隠し撮りしてて気持ち悪いなコイツと思いながらも、愛娘の愛らしい姿に頬が緩むオスモ。

 当然、カズヤ達と冒険者のやりとりなど知る由も無いのである。

 余談だが、動画の中にユリアナちゃんの着替えしている映像がある事をオスモは知らない。


「ふうーー、ふうーー」

 発狂し、散々叫んだオスモはちょっと疲れた。

 だが、落ち着きを取り戻していく。

 こんなクソみたいな男の為に自分が疲れるなんてバカバカしいと思えるようになった。

 ふう、ヤレヤレ、こんなバカは相手しない。

 それが一番だとオスモは思った。


「ん?」

 落ち着きを取り戻したオスモは、サニーが読んでいた本に目をやった。

「お前、さっきから一生懸命見てたけど、何の本だ?」

「汚すなよ」

 サニーが真剣な顔をして本をオスモに差し出す。

 渡された本を手にしたオスモ。

 恐ろしく精巧な作りの本。

 表面がツルツルしていてカズヤが雑誌だと言ってたのに似ているとオスモは思った。

 しかし……


「黒髪の可愛い女の子……」

 表紙の写真を見て、一抹の不安を覚えるオスモ。

 昔のオスモならば、こんな精巧な絵! と驚愕するのだろうが、カズヤ達と一緒に暮らしている為、記念撮影とかで写真には慣れ親しんでいた。

 パラパラとページを捲る……


「こっ、コレって?!」

 いたいけな黒髪の少女があられもない姿で、ああっ、こんな事まで!?

 その衝撃写真の数々に戦慄と恐怖を覚えるオスモであった。


「綺麗だろう?」

 ドヤ顔で聞いてくサニー。


「お前、こんないたいけな少女の、こんな写真!

 貴様ぁ、ユリアナの事を、えっ?! あれか!

 その、あれだ、よからぬ妄想を! ぶっ殺す!」

 オスモが近年一番の怒りを見せる。

 愛娘の貞操は俺が守る! 的な勢いでサニーに言ったオスモ!

 だが!

「馬鹿野郎! それは、合法ロリだ!

 ガチのロリのユリアナちゃんと違って、成人女性!

 つまり、まがい物だからセーフ!

 俺は常識人だからな。

 その辺ちゃんとわきまえてますよ、フフフ」 

 ユリアナちゃんの着替えを盗撮していたサニーが言った。

 サニーの持っていた本は、小柄な成人女性モデルのロリ系エロ本だったのだ!


「あ、うん。 そう……」

 オスモは、ダメだ、コイツと思った。



ブロロローー……


 カズヤ達を乗せたトラックは、王都を目指す。

冒険者のリーダー、マシャを連れて行く事にした。

イルボの奴、俺とマシャが一緒に居るとこを見たらどんな顔をするんだろう?

未だに信じられないぜ、イルボ。

なんで、俺達に害するような真似を?

って事で、次回も、乞うご期待!

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