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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.8 エルヴァスティ王国

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第90話 凶暴

サニーの登場によって、俺達に何が起こったか?

そりゃぁ、形勢逆転だよ!

カズヤ達の家、応接室――


 縛りつけた金髪豚野郎達は一か所に集められ、床に座らされていた。

 サニーの手によりボッコボコにされ顔を腫らした金髪豚野郎。

 ゴーブとテイカーも同様に顔を腫らしている。


「そんじゃ、屋敷にまだ敵がいないか探してくる!」

 サニーが嬉しそうに部屋を出て行った。

 あんだけ暴力をふるったのに、まだ足りないってのか?

 返り血で真っ赤に染まっていたが、余程暴力が好きなんだな。

 嬉々としてたし、頭がおかしいのだろう。


「ライネとペトリの傷の手当は?!」

 床に座っている二人にセリアが手をかざしている。

 回復系の魔法をかけてくれているようだ。

 凄く便利な世界だな、おい!

「カズヤさん、僕達は大丈夫ですから」

 軽くカルチャーショックを受けている俺にライネが言った。

 痛かったろうに、健気だ。

 刺された太ももの傷も癒えているようだし、ホントに良かったよ。

 理不尽な暴力なんて、許せない。

 なんで、平和的になれないんだろう。

「そうか、ライネ。

 二人共無理するんじゃないからね」

 兎に角、二人の傷が癒えて良かった。   


「カズヤ、外は囲まれてるみたいだぞ」

 窓から外を確認したルーカスが言った。

「突発的な犯行じゃねぇな。

 段取りが良すぎる」

 屋敷の中にも、サニーと遭遇しなかったコイツ等の仲間がまだいるのかも知れない。

 駆除の為にもサニーが行ってくれたの良かったのかもな。


 ……しかし、本気で俺達を殺す気で計画してたのか、金髪豚野郎。


「すまん、ルーカス。

 こんな無様な様をお前に見せる事になってしまった」

 俺が軽い気持ちで街を見せようと思ったばかりに、ルーカスを危険な目に合わせてしまった。

「そんな事より、これからどうするんだ?」

 そっか、そうだよな。

 後悔より、現状を心配しているルーカスが正しい。

 謝罪は後にして、この危機的状況をどうするかだ。

「まっ、どうとでもなるだろ? 人質もいるし、逃げるだけならな」

「逃げるだけならって、そんな簡単なものか?」

 楽観的な俺の態度にルーカスが驚いている。

「まあね、トランシーバーあるし、外に連絡出来るから。

 でも、俺は逃げない。

 なぜなら、俺の家だから、ここ」

「とらんしーばー?」

 ルーカス、気にするな。

 既に連絡してあるし。

「この三人と、外の奴等も全員逃がさない、裏切り者は全員確保だ。

 そんでな、なんで、俺を裏切るのかちゃんと話をしなきゃ。

 俺は、サニーと違って暴力が嫌いだ」

 キリッ!

「そ、そうか?」


 ルーカスは、先程サニーと一緒になって嬉々としてオークをぶん殴っていたじゃないかと思ったが、カズヤに言わなかった。


「王子! 儂もいるんです、安心してください!」

 ボリスが言うと、王子が安堵の表情になった。

 よほど信頼しているのだろう。

「そ、そうか! ならば安心だ! 俺も戦うからな!」

 やる気があるのは良いのだが、ルーカスが変な事を言ったので注意しなきゃ!

「いや、お前弱いからちゃんと死なないように気を付けてくれたら良いからね」

 ん?

 なんか、変な顔をされたが、俺の気のせいだろう。


 しかし…… 何か忘れているような……


「我等を殺したところで、もう、お前達は終わりだ!」

 金髪豚野郎が叫んだ。

 ああ、忘れてたのって、こいつ等への拷問か? そう思った。


「よし、ボリス、悪いけど、そこの椅子取って」

 俺はボリスの横にある木の椅子を取ってもらった。

 さてと。


「えいっ!」


バキィーー!


「プギィィーー!」

 部屋に金髪豚野郎の声が響く。

 うるさいな。

 金髪豚野郎を殴ったら椅子の足が折れちゃったじゃないか。


「カズ君、何をしているの?」

「なにって、ボリス。 拷問だけど?」

 見て解んないかな?

 拷問って初めてだから要領が掴めないが、兎に角、痛めつければいいのだろう。

 どれ、もう一発。

「それなら、何か聞きだした方が良くない?」

 ボリスの言葉に俺は立ち止まった。

「拷問ってそういう物なのか?」

 素直な俺はボリスに聞いた。

「せっかくやるなら、何か聞きだした方が良いと思う」

「なるほど!」

 目から鱗。

 ボリスのいう通りかもしれない。

 痛めつけるだけだと俺が疲れるだけだ。

 どうせ疲れるなら何か得るものがないと損だ。

 コレがギブアンドテイクってやつなのかな?

 違うか。

 まあいい。

 しかし、何か他に忘れているような……

 その内、思い出すか。


「ねぇ、何を聞けばいい?」

 金髪豚野郎に聞いたが、答えない。

 なんたる強情な態度!


「尋問など無用!」

 セリアがゴブリンの持っていたナイフを手に近づいてくる。

 かなり怒っているようだ、


「ちょっと待てって! そんなので刺したら死んじゃうじゃん!」

 慌てて俺はセリアに言った。

「当たり前だ、殺すからな」

 なんて暴力的な答え!

 俺は、そんなセリアの考えに驚きを隠せない。

 さんざん殺すって考えたけど、やっぱ実行には抵抗がある。

「セリア、暴力は暴力しか生まない。

 人と獣の違いは、話合えるって事だぞ。

 ちゃんと話をしない内に結論を急ぐんじゃない」

 人として俺は諭した。


「えっ?」

(数秒前に、椅子で金髪豚野郎をぶん殴ってたわよね、あなた?)


 俺の言葉にセリアも感じる所があったのだろう。

 俺の顔を見て口をパクパクしていた。


「ボリス、ちょっといいか?」

 俺は金髪豚野郎から離れてボリスを呼んだ。

・

・

・



「さてと、そんじゃ、金髪豚野郎。

 なんで、こんな事をしようと思った? 正直に喋ったらお前達の事を考えてやる」

 戻ってきた俺が聞いたが金髪豚野郎が顔を背ける。

 無駄か……


「お前などでは、この街を守る事など出来ないからじゃ!」

「ほう……」

 ゴーブが口を開いた。

 俺は誰から聞いても良いんだ。

 真実が知りたいだけだからな。


「やめろ、ゴーブ!」

「黙れッ!」

 叫んだ金髪豚野郎にビンタした。


「いいか? セリアがお前等を殺そうとしたのを止めたけどな、お前等を許した訳じゃないんだぞ、この野郎!

 殺るなら、俺の手で始末するから止めただけだ、バカ野郎!」

 俺が叫ぶと、金髪豚野郎が黙って俺をみていた。

 話を聞く気になったか?


「あのな、俺は、お前の後ろに誰がいようと、どーーでもいいの。 解る?

 嫁を傷つけるなって言ってんだよ、この」

 ペチンと金髪豚野郎の頭を叩いた。

 そして、腰を落とすとジッと金髪豚野郎の顔をみる。

 目線を逸らした金髪豚野郎の頬を叩く。

 こっちをみろよ……


「……す、すいませんでした」

「ホントに解ってんのか、この野郎!」

 もう一度頭を叩く。

 情けない顔しやがって。


「そんじゃ、聞こうか」

 ポケットに手を入れタバコを取り出す。 

「ほら」

 タバコを咥えてライターで火を点けながら聞いた。

 早くし

「はい?」

 この野郎……

「はい? じゃねぇだろ、この野郎。

 早く言えよ! この野郎!」

 火を点ける手を止め、金髪豚野郎の頭を叩いた。

「あんまり俺を舐めてんじゃねぇぞ、この野郎! 解ってんのか、この野郎!」

 立ち上がり、金髪豚野郎を蹴り何度も踏みつけてやる。

「すいません! 許してください! やめてください!」

「止めてくださいじゃねぇだろ、この野郎!

 俺達を殺そうとした癖に無事で済むと思ってたのかこの野郎!」

 俺は体勢を崩しながらも殴り、そして蹴った!


「カズ君! 死んじゃうから!」

 ボリスが後ろから俺にしがみついてきやがった!

「離せ! ボリス!」

「金髪豚野郎、早く喋ろ! 殺されるぞ!」

 暴れる俺を抑え込みながらボリスが言った。

「バカ野郎! コイツ等は、体で理解させないと解んねぇんだよ!

 誰がボスで、誰にたてついたのかを!

 俺が、お前等を守れない人間か解らせてやってるだよ!」

「だからって、これ以上は?!」

「うるせぇ、ボリス!

 金髪豚野郎、テメェの親分は誰だ!

 言ってみろ、この野郎!」

「カズ君!」


チラッ  


「……」


 確認したが、金髪豚野郎が黙秘を続けている。

 ゴーブとテイカーもだんまりかよ。

 クソッ!

 ヤクザ映画の真似して頑張って脅してみたのに……


(おい、ボリス、どうしよう?)

(カズ君、もう直ぐ落ちるから、その調子で!)

 ボリスと揉み合いながら小声で会話した。


「お、俺達…… は、彼奴に言われて……」

 は?

 金髪豚野郎が喋り出した!

 てか、彼奴ってなんだ?

彼奴ってだれなんだ?

こんな計画、金髪豚野郎達だけで進められないだろう?

手際が良すぎるし、何度もその時が来るまでの間に訓練なり打合せを重ねていたって事だろうしな!

って事で、次回も、乞うご期待!

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