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地獄の使者はモテたいです!  作者: カネキ
act.5 拠点開発

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第49話 嘘でしょ?!

 この世界にきて、嫁が出来た。

 そして、嫁の実家の近くに魔物と人間が共存する村を作った。

 優秀な嫁達や幹部達のおかげで順調に村も発展していってるし順風満帆だぜ!

 マルコ達の嫁や家族がフジノ村にやってきて、工務店の建設が始まった。

 精肉や飲食、工芸品みたいなのや日用雑貨などの手作り品とかを売る屋台みたいな店舗も増えてきている。

 魔物達も金の使い方にも慣れてきたようだ

 魔物達が仕入れに人間の村や町に行くわけにもいかないので、フジノ商会が一手に仕入れを担当している。

 ネット通販で購入したり、山の麓の町で仕入れてくる時もある。


 貨幣を導入した事により僅かだが貧富の差が出始めている。

 それでもみんなに仕事があるし生活出来ないって世帯は無い。

 でも、この先働けなくなった者や生活困難者が出た場合はどうするか?

 徴収した住民税を使って村で養ってやるだけだ。

 

 畑の方も順調に生育しているようで収穫がまもなく出来るだろう。

 収穫したものはフジノ商会が一括して買い取り、村で消費する分以上は外で売るつもりだ。

 フジノ商会が買い取る事で農民達の収入になるし、村民が勝手に外で売ろうとしたりする事も出来ないからな。

 ちゃんと村では村人が買える価格で売るが、外では高値で売る。

 ネット通販で買った苗や種で作った作物だからな、絶対この世界の作物より美味しいハズだ!

 地球の先人たちが長年の品種改良して作った作物なんだ、俺は絶対の自信をもっている。


「村の発展、順調だと思うんだよね!」

 村を一通り見回った俺は握り拳を作り晴れ晴れとした表情で言った。


「コイツ、我らを連れだして散歩してたと思ったらアホ面で満足そうに言ったのじゃ」

「カズヤさんは、村の発展が嬉しいんだよ、ラージャちゃん」

 ライネがニコニコしてバカのラージャに言ってくれた。

 ライネはいつも優しいな。

 それに比べて……

「なんじゃカズヤ? その顔をやめるのじゃ、何かムカつく」

「きにするな、ラージャ」

 ラージャは直ぐムキになるので、からかうと楽しい。


「そういや俺達普通にこの世界の言葉喋ってるし、文字も読めるよな?」

「それがどうしたのじゃ?」

「いや、俺達が苦労してパソコンで作った住民台帳とかあるじゃん」

「ほとんど我が入力したのじゃ」

 しつこいな。

「入力は助かった、ラージャは頼りになるよ。

 そんな些細な事より、印刷した台帳…… ライネ達も読めたよな?」

 俺は、ライネを見た。


「え? 読めましたけど?」

「それがどうしたのじゃ?」

「いや、おかしいだろ? さんざん入力とかで苦労した後に気づいたけど、なんで日本語が読めるんだ?

 俺とラージャは転移した時に神様の配慮でこの世界の言葉を喋る事や読み書きが出来るようにしてもらえたのかも知れんが、なんでライネ達が日本語で書かれたものを読む事が出来るんだ?」

 不思議!

「さあ? どうしてですかね?」

「さあ? って、あんまり気になんないのかライネ」 

「でも、それが困るのか? むしろありがたい事なのじゃ」

「いや、確かにそうだけど…… ラージャ、ちょっと空間収納を開いて」

「何をするのじゃ?」

 ラージャが空間収納を開いてくれたので、中に入ってる俺のバックからメモ帳とペンを取り出した。


「ちょっと、待っててね!」

 ラージャとライネに言って、俺は農作業中のゴブリンや農業指導員の人間の元へと走った。

・

・

・



 丁度ゴブリンと農業指導員の人間が一緒にいるじゃない!

 俺は、手帳にサッと『フジノ村』と書いた。

 では!

「ちょっと、お前、これが読めるか?」

 農作業中のゴブリンに手帳を見せた。

 ゴブリンが手帳を覗き込んでいる。

 どうなんだ?

「……文字を読めないので」

 うん、聞いた俺が悪かったな。

 魔物が人間の言葉を知っている訳がない。

 俺が名前を付けてやってレベルアップして知能が高くなったと言っても、教育を受けていないオーガやオークも似たようなものだろう。

 学校を作って読み書き計算を教えたほうがいいな、大工の奥さんや家族に金を払って教師になってもらうようお願いするか。

 

「これ読める?」

 農業指導員の人間の男に手帳を見せた。

「なにかの… 文字ですか?」

「うん。 読めるかって聞いたからね。 どう? 読める?」

「ごめんなさい、何が書いてあるかわかりません。 どこの言葉ですか?」

 そうか……

「日本語だよ」

 俺は、手帳に書いた日本語の文字の下の余白に、こっちの文字で『フジノ村』と書いて男に見せる。

「どう?」

「ああ、これなら読めます。 フジノ村ってかいてありますね」

 これは、読めるか。

 って事は?   

「作業の手を止めてゴメンね、でも助かったよ、ありがと」

 二人に礼を言って、向こうで待っているラージャとライネの元へと走った。

・

・

・



「お待たせ! ライネ、コレ読んでみて」

 俺は手帳の次のページに『本日は晴天なり』と書いてライネに手帳を見せる。

「本日は晴天なりと書いてありますが?」

 これが何か? 的にライネが答えてくれた。

「いや、日本語だよ」

「カズヤ、ライネが日本語を読めるのは、お前も知っておるじゃろ?」

 ラージャがヤレヤレと言った感じで俺に言った。

 バカめ。

「あのな、あっちにいる農業作業員の男に日本語を見せても読めなかったんだ」

「だから、何なのじゃ? 元々文字が読めないのじゃ」

「いや、こっちの文字で書いたら読めた」

「じゃあ、なんでライネが日本語を読めるのじゃ?」

 ラージャが驚いて聞いてきたが、

「そんなの解らないよ。

 ……もしかしたら、俺の嫁になったから身内認定されて読めるようになったのかも!」

 キリッとして俺はラージャに教えてやった。

 ラージャが納得いってないって顔をしている。

「なんで、嫁になったら日本語がよめるのじゃ?」

「俺が知るか。

 大体、それが困るのか? むしろありがたい事じゃないか」

 ラージャが俺に言った言葉を返してやる。

「確かにそうのじゃが、なんかムカつくのじゃ」

「そういうなよラージャ。

 日本語が解るなら、ライネもパソコン使えるんじゃね?

 使い方を覚えてもらえば、俺達の作業が楽になる!」

 ラージャが目を見開いてライネを見て、俺を見た!

「カズヤの癖に冴えてるのじゃ! そうなのじゃ! 我だけ苦しむのは嫌なのじゃ!

 ライネ! さっそくパソコンを教えるのじゃ!」

「僕もあの道具を使えるようになるんですか?」

 ライネがとても嬉しそうだ。

 ペトリやボリスが自分の仕事を持っているのに自分だけ取り残された感があったのだろう。


「そんじゃラージャ、空間収納!

 俺とラージャは個人用のパソコンがあるしライネ用のパソコンを購入しようぜ!」

 ラージャがいるとネットに繫がるからファイル共有も出来るしな!

 多分俺のスマホが関係しているのだろうけど。

 ちなみに、ラージャが一人の時にコッソリ自分のパソコンからネット通販で買い物しようとしたが出来なくて落ち込んでいたのを陰から見ていて俺はガッツポーズをしたのは良い思い出だ。

 そうじゃ無かったらラージャに個人用のパソコンなど与えない。

 俺が自分のパソコンで試してみてダメだったからな! 買い物は俺のスマホでラージャの空間収納に入っていないと出来ない仕様らしいぜ。 

 そんな事を考えつつライネのパソコンを購入した。


「買ったのか? パソコンちゃんと買ったのじゃな!

 行くのじゃ、ライネ! 直ぐに教えるのじゃ!」

 よっぽど入力を俺から押し付けられたのが嫌だったのか?

 まぁ、ライネが直ぐに出来るとは思えないが、良かったね。

「ちょっと、待って! 空間収納を閉じないで!

 あと一つ買い物させてくれ! 車! 車買う!」

 焦ってラージャを引き留め言った。


「……」

 ラージャがこれ以上ないというくらいに嫌な顔をしている。


「お前に運転は向いていないのじゃ」

 ラージャが吐き捨てプイっと… ちょ、ちょっと待てって!

「町に行くのにも楽だし、家族を乗せてドライブ出来るし、長距離の早く移動できるから!

 練習するから!」

 俺はラージャさんに土下座してお願いした。

「ラージャちゃん、カズヤさんがこんなに頼んでるんだから…」

 ありがとうライネ。 もっと言って。


「頼んでいるからどうなのじゃ?

 我は、もう事故はこりごりなのじゃ。

 それに、燃料はどうするんじゃ? 要るんじゃろ? 地獄の車みたいに生きている訳じゃないのじゃろ?」

 ラージャの癖に! ……しかし、その通りだ。

 買った時に入っているガソリンが切れたら…… 買えば良いんだよ。


「ラージャ、燃料ならさ、ネット通販で……」

 あ、あれ? 売ってない。

 売っていないものなのか?

 どうしたら…… どうしたら良いんだ?

 俺は、膝から崩れ落ちた。


「……ガソリンスタンドで入れれば良いんだよ」

 ボソリと呟く。


「カズヤ…… お前は、何を言っているのじゃ? そんな物がこの世界のどこにあるというのじゃ?」

 ラージャが項垂れ座り込んだ俺の肩に手を置いて優しい声で言ってくれた。

 多分、俺の頭がおかしくなったと思ったのだろう。


「諦められっか!

 空間収納にガソリンスタンド無いのかよ!」

 立ち上がって俺は叫んだ。

「いや、そんなものあるわけが無いのじゃ!」

「だろうけど、無いのかよ!」

「言ってる事が無茶苦茶なのじゃ!」

「無いと思うから、無いんだよ! ほら、ここにガソリンスタンドって項目があるじゃないか!」

 全く!


 ん?


 え?


 ……あった。


「嘘ぉぉぉーーー!」

 信じられず思わず叫んでしまった。

何たるご都合主義!

だが、困らないからコレはコレで良い。

俺は素直だからな、あるがままを受け入れる。

って事で、次回も、乞うご期待!

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