1話 赤ん坊エクスラ
~研究所~
秘密裏に赤ん坊にクリアを導入する試みがあった
研究員
「赤ん坊にクリアを同化させまくってますが、
依然として研究結果が出ませんなぁ」
余裕綽々でスムーズに赤ん坊へとクリアを同化させていく
うるさい声は、ミュートにしているので研究員は何とも思わない
新人の研究員が聞く
新人研究員
「ところで、これ何の研究なんですか?」
研究員
「あぁ、君は確か新人だったか
発狂兵器と人間兵器の確立の為だよ」
発狂兵器は、クリアに支配された状態
人間兵器は、一体化した状態
新人研究員
「確立?」
研究員
「そう、これによって兵器者を量産させようって寸法さ」
新人研究員
「でもそんな事したらまずくないですか?」
研究員
「うん、まずいから新人がある程度研究に踏み込まないと話さないんだよ
新人の研究員の近辺調査もしてからね」
新人の研究員は一斉に上空の角にあった自動機銃に狙われる
新人研究員
「もしかしてバレてます?」
研究員
「うん バレてるよ」
研究員が合図を送ると一斉に掃射されて新人研究員は死ぬ
このようにして慎重かつテンポよく赤ん坊にクリアを同化させる研究をしていた
新人研究員
「残念 まだ生きてるよ…
そして、あなた達はここで終わるのです…」
最後の力を振り絞り、ボタンのようなものを持ち出し押す
サイレンが鳴り出す 何かの脅威を知らせる音だ
研究員
「上空か!」
上空へのモニターが映る
モニターには大型機動兵器が映っていた
研究員
「十字星連想兵器じゃないか!」
十字星連想兵器とは、上空で脅威を監視する大型機動兵器だ
北、南、東、西と監視するように上空で浮遊している存在だ
研究所はこの時、脅威者として指定された事で存在抹消される事を認識した
研究員
「殺される前に残さないとな」
研究員は残りの時間で赤ん坊とクリアを生存させるように助ける
十字星連想兵器
「脅威者確認、排除開始」
十字星連想兵器によって脅威者指定されてそのまま一斉にスコープロックオンされて
拡散ビームを放射され続ける
拡散ビームが一斉に放射されて
通り魔的に十字星連想兵器は過ぎ去る
研究員も実験体も全て木っ端みじんとなっている
そして残骸の中、生き残っていた赤ん坊が一人
クリア達
「うるさい赤ん坊だ」
「だがこいつしかいないよ」
「私達は生者にしか寄生出来ないからねぇ このガキしかいないわ」
「赤ん坊だから乗っ取れるぞ」
「致し方ない こいつを乗っ取って、今までの報復をさせて貰う」
「研究所で酷使された分のツケを世界に払ってもらおう」
生存していた実験として集められていたクリア達が結合し出す
クリア達
「泣く事しか出来ない人間よ」
「せいぜい俺達にこき使われてな」
「私達が生かせてあげるんだから感謝しなきゃね」
生者に結合する為、生存していた赤ん坊にクリアは同化進化し出す
赤ん坊
「ぎゃあああああああああああ!」
赤ん坊は同化進化して見る見るうちに大きくなり出す
クリア達
「おおおおお、こいつはいい!」
「これなら楽勝に破壊尽くせそうだな」
「じゃあテストといきましょうかね」
そして瓦礫の中で悲鳴によって地面にヒビを割らせて、
残っていた死体を灰と化す
クリア達
「いい破壊力だ」
赤ん坊エクスラは
そのまま町に繰り出しては破壊をし尽くした
何を求めているのか悲鳴の赴くままに動いていった
~レンジャー国~
有識者達
「この赤ん坊は何を考えているのか」
「発狂兵器であるだけだ 危険な脅威者だよ 脅威者は殲滅あるのみだ」
有識者達は、国の存亡の為に大型機動兵器を呼んだ
上半身は人間で下半身は馬
大金をはたいて呼んだこともあり強力な助っ人だ
有識者
「大金をはたいて呼んだのだからちゃんと助けてくれよ?」
キシオー
「あったりめぇよ 俺の大型機動兵器舐めんなよ?
さぁてと、獲物はあそこだよ 俺の愛しい奴隷ちゃん」
トサカ頭のキシオーは大型機動兵器の本体である馬を舐める
有識者達
「大丈夫なのですか?」
「案ずるな、大型機動兵器は兵器者の成れの果てだが、意識はある奴らもいる 発狂兵器よりは理性はマシな方だ」
大型機動兵器は同化進化が激しい兵器者の成れの果てである
キシオー
「今まで壊してきた発狂兵器からしても普通じゃねぇか」
キシオーは自信満々
赤ん坊の方へと向かう
町が半壊しており、赤ん坊が進むにつれて綺麗に破壊されている
キシオーは冷や汗をかく
馬を走らせる
赤ん坊エクスラ
「ぎゃあああああああああああ!」
キシオーは悲鳴のノイズを描き分けて一目散に赤ん坊の地面についた手に乗り走らせる
キシオー
「おうおう、好き勝手やったなおい!今までの破壊分、俺がお仕置きしてやるからな!」
キシオーが槍を持ち、
そして赤ん坊の肩付近にいくと馬を飛び上がらせて
槍を放つ
クリア達
「愚かしい人間だな」
「今までよく生き残ってこれたな」
「それだけ発狂兵器が弱かったんでしょ」
放った槍は涙で弾かれる
涙と唾を同時にぶっかけられてキシオーは身動きが取れない
クリア達
「馬だったのが仇になったな」
「まあどれだけ抗った所で無理だよな」
「私達の感情はあなたの力に余裕で勝っているのよ」
キシオー
「くそ!くそ!」
キシオーは馬の脚で地面を掘り起こして
地面の中へと隠れる
クリア達
「むーだ♪」
「さよなら」
赤ん坊エクスラのグーを振り落とされて地面ごと撲殺される
有識者達
「大型機動兵器でもびくともしないのか…」
「十字星連想兵器に頼みたい所だが、彼らには意識がないからな」
見ていた有識者達は、キシオーが戦っている間に住民を避難させていた飛行兵器にのってエクスラから逃れる
一息つく住民と有識者
有識者
「さよなら、私達の育てた国よ」
住民は手を振って飛行機で後にする
ぐっ!
人々
「ひゃあああああああっ!!」
「うわあああああああああああ!」
人々が驚いた 飛行機を止めたのは掴んだ赤ん坊エクスラ
少女
「ひぃ、ごめんなさいごめんなさい…」
飛行機の窓で見えるのは赤ん坊エクスラの目玉
ぎょろりと見つめる目玉に恐怖を覚えてひたすら謝る少女
にたぁ と笑う
少女もひきわらい
クリア達
「私達が従わせてるのだから無理な相談だ」
「だな、俺達は人間が憎いのだ」
飛行機諸共、水面へと叩き潰した
赤ん坊エクスラはそのまま悲鳴により町を全壊させる