14.RPGの主人公
「魔力?」
ソフィアは首を傾げた。
「魔力とは魔法を使う力の事じゃ。お主は強い力を持っておるな。そこのキャンキャンうるさいマンナズの男も微々たるものじゃが、魔力を持っておるようじゃ。どれ、お主らの属性でも調べてやるぞ」
メルナは拳サイズの水晶を取り出すとソフィアに渡した。ソフィアは水晶を受け取ると、水晶は淡く光り出した。白い優しい光だった。
「なんとっ!お主の属性は光のようじゃ!珍しいのう!!どの力より優れた力じゃぞ。光は邪な力を退け、浄化することが出来る。次はその男に渡すが良いのじゃ」
ソフィアは翔太に水晶を渡した。翔太の手に置かれた水晶は薄っすらと水色に染まった。
「何これ?」
翔太は渡された水晶がなんなのか質問してきた。
「自分の持つ魔力の属性を調べられるんだって。私たち、なんだか別の世界に来たみたいだから....」
「それはなんとなく僕も分かったよ。普通じゃないからね。魔力なんてゲームの世界みたいだな。僕の属性はなんだ!?」
メルナは何を言ったか何となく察したのか翔太の質問に答えた。
「ふむ。お主は水じゃな。回復と補助むきじゃが、攻撃もある程度はこなせるじゃろう。しかし、万能ゆえ器用貧乏になりやすいのう」
翔太は分からないので、通訳してあげた。
「ショウタは水だって。回復と補助向きで攻撃もできる万能だってさ」
「うっわーーー!カッコいいな!水かっ!なかなか悪くないんじゃないか?君はなんだったんだい?」
「私は光だって」
「光か。RPGとかだったら君の方が主人公っぽいじゃないか。なんだか羨ましいよ」
「ふふふ。羨ましいでしょー」
「なっ!何をっ!」
「盛り上がってるところ悪いのじゃが...少しよいかの?」
メルナが質問してきた。
「ええ、ミス・メルナ。何かしら?」
「わしはメルナじゃぞ?ミス・メルナではない」
「私達の世界で、女性にはミスをつけるのよ」
「ふむ。そうであったか?それにしてものう.....ふむ。何かが魔力の流れに違和感があるのう。少しよいかのう?」
「ええ。構わないわよ」
メルナはソフィアの額に触れる。