11.ポイント追加で
翔太はヨレヨレのノートにボロボロの筆箱からこれまた汚いボールペンを取り出して、サラサラと図面を書き出した。
リュックサックの中身も見えたが本と紙が、グッチャグチャに入ってる。
私の録った統計なんだけど、男の人の研究者の大半って髪の毛ボサボサ、服ダサい、もしくはヨレヨレかボロボロ。使っているデスクの上が汚かったり、バッグの中身がグチャグチャだったりして不潔、極まりないのよね〜。
それに、整理整頓が出来なくて、他の人が綺麗に片付けると「これはゴミじゃなかったんだ!!大事な研究資料だったのに〜。キーッ」とかぬかすのよ。
そして、身だしなみが整っていて見た目は平均点って感じの人は妻子持ちってのもあるある。
売れ残りは大体が落第点以下って所ね。
まっ、お陰で男に目移りする事ないから研究が捗るんだけどね。
「ノートも使ってる筆箱も汚いわね〜。これじゃモテないわ〜。それにカバンの中は整理したらどうなの??これじゃモテないわ〜。」
「はいはい。どうせ僕はモテないよ。っていうか、二度までも!ホラ出来たよ」
翔太は図面を見せてきた。リュックサックの中身とはうって違って、細かく丁寧に文字と図形が書かれていた。
「この家の間取りなの?だとしたらおかしいわね」
「だろ??部屋が明らかに入った時に見た山小屋より大きいだろ?他の部屋は分からないけど、少なくとも一つの階に6部屋は見つけたよ。それに3階まであるよ」
「確かにそうね。ここの他に何部屋か扉があったし、ここは3階にあるみたいだし、思っていた部屋よりも広く感じたけど.....。それより貴方って意外と字とか図面書くの上手いのね。見直したわ」
「まぁね。字は小さい頃から習字やってたからね。それに建物や遺跡の図は良く書いてたから自然と書けるようになったよ」
字が綺麗なのは意外な特技ね。今のところマイナスだけど、5ポイントくらいは上乗せしといてやるわ。
「さぁ!調べるわよ!」
「えっ??勝手に部屋から出ても良いのかい?」
「思い立ったらすぐ行動するのが私のポリシーなのっ。少しくらい大丈夫でしょ?さっ、謎はこの目で確かめないとね。他の部屋がどの位の広さがあるのか見てみないと!!」
この家はすごい不思議だ。好奇心で疲れも吹っ飛んでしまった。私は扉を勢い良く開けて飛び出した。