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1、力の自覚。

 地を蹴り、走り出した瞬間から、変化を自覚した。

 敵の攻撃をスローモーションに感じるようになった。いや、攻撃だけではない。集中すると、全てが、世界そのものが速度を落とした。

 感覚が異常なまでに強化されている。

 空気の粘性。肌をなぞる湿気。草木の揺らめき。踏み潰した雑草の折れた方向。それから滲み出た苦味を含む汁の匂い。風の流れを受け別々の方向に舞い散る花。開いた花弁。その花が放つ甘い香り。月の光によって生まれ、地に落とされた影の形の一つ一つ。遠くにいる巨獣の咆哮。近くに潜む巨獣から醸し出されている野生的な、生乾きの布のような獣臭。

 それらを感じながら、走った。

 巨獣は、すぐに視界に入った。巨大なトカゲ型だ。どっしりと四足を地に付けている。舌が口の端から出て、あチロチロと一個の生き物のように動いている。

 発見と同時に、僕は疾走の速度を上げた。

 巨獣がこちらに気付いた。腕を振り上げた。攻撃が来た。だが、遅い。その腕が振り下ろされ、こちらに到達する前に、僕は左の刀を振るい、半ばから一刀の下、両断した。宙を舞う腕。表面の鱗が月光を反射してぬるりと怪しい光を放った。これで巨獣は攻撃も防御もすぐには出来ない。僕は続けて右の刀を首筋に一閃した。今度は首が宙を舞った。切断面から吹き出る鮮血。熱い血飛沫。それを回避し、バックステップ。体に当たりそうなものは刀を振って吸収した。これで服は汚れない。そうしているうちに、死んだ巨獣が倒れてくる。体が大地を強く打ち、地響きがした。それで終わりだった。

 この一連の動作の中で、血を操る能力が洗練されている事もわかった。

 研ぎ澄まされている。

 硬度が全く違っている。

 いつも通りに形作ったはずなのに、刀は、硬いと感じていた巨獣の肉も骨も、まとめて容易く断ち斬った。


「一撃ではないが、まるで別人だな……」


 トランキノが、感心した風な声を上げた。

 索敵の為にと木々の枝を伝って移動している彼女は、今は僕の真上にいて、こちらを見下ろしている。


「……はい」

 

 見上げずに、頷いた。

 別人。その言葉通りだ。

 以前までの僕とは全く違う。

 何もかもが異なっている。

 本当に、とてつもない実力を持つ何者かと入れ替わってしまったと思ってしまうくらいだ。……まあ、僕は僕であるという自我がちゃんとあるので、そういうわけでないのは確かだけれど……。


「一体何故……どこからこのような力が……ルーレス様はどう思う?」


「俺様に聞かれても困るぞ……」


 トランキノの問いに面倒臭そうに応えたのは、ガチャガチャと耳障りで金属質な音を立てながら歩いてきたルーレスである。

 ルーレス・ノビリス・ベイ・ルーレル。

 かつての大戦時、最前線で戦い、数えきれない程の巨獣を屠ったという吸血鬼。

 全身を一部の隙間もなく、黒鉄色くろがねいろの刺々しいデザインの甲冑で覆っている。

 背は高い。二メートル近い。

 それだけでなく、横幅も大きい。

 一見すると、まさしく岩である。巨岩である。だが、錆びた鉄のような匂いを漂わせているので、近くに寄れば鉄の塊と思うだろう。最初に僕がそう思ったように。


「まあそもそも、吸血鬼は弱くはない。強い。圧倒的にな。かつてたった十二人で無数の巨獣を打ち倒し、この世界を救ったのだからな」


「それはそうだな」


 トランキノが何故か自慢気に頷いた。

 ルーレスは言葉を続けた。


「だが、その強さとは無数の巨獣と戦い、それを倒したからこそ得られた強さであると俺様は思っている」


「どういう事ですか?」


 甲冑越しでくぐもっている声に、僕は疑問を投げた。


「ユーリ。お前も吸血鬼ならばわかっているはずだ。吸血鬼は血を全て失わない限り死なない。どれだけ傷つこうと、その傷はすぐに癒える。そしてその際に、肉体はより強固になる。力も増す」


「はい」

 

 その通りだ。

 吸血鬼は血を全て失わない限り不死身だ。不死に近く、永い時を生きる。それ故に、どこまでも強くなる生き物だ。以前魔女の手で体を何度も傷つけられ、強度を上げられたから、破壊と再生によって強くなるという理屈はわかる。

 しかし、だからこそ、謎だ。


「お前は吸血鬼となってから、かつての俺様たちのような戦いをくぐり抜けたか?」


「いえ」


「うんうん。そうだろう。聞くまでもなかったな」


 傷つけば傷つくだけ肉体の強度は上がる。それなりに戦闘経験はあるので、恐らく、僕は最初の頃よりも肉体的に強くなっている。だけどもそれは、最強と戦える程ではない。


「吸血鬼は強い。だが、少し前に吸血鬼となったお前が、遥か昔から吸血鬼である俺様と同等の力を有しているはずがない」


「そうですね。僕もそう思います」


 素直に頷いた。

 ルーレスは思案げに腕組みして、考えて、少し間を開けてから、口を開いた。


「間違いなく、何かされたのだろうなぁ」


「何かされた……? 誰にですか?」


「魔女にだ」


「魔女に?」


「俺様には他に思いつかん」


 お手上げだ。と言わんばかりに、ルーレスは組んでいた腕を解いた。

 そして、言った。


「何にせよ、そんなことはどうでも良いだろう? 強くなれたことを喜べ。この世界では、力があって困るということはない」


「それは、そうですが……どうでもいいという事もないのですが……」


 ルーレスは陽気というか、大雑把な気質の持ち主らしい。

 少し前に「俺様がルーレスだ」と言われて手を差し出されたので「僕はユーリです。アルザギール様にお仕えしている者です」と応えて握手を交わした途端「話しは聞いた。さっきな。アルザギールの剣とはなぁ……よしっ! では共に巨獣を狩って狩って狩って鍛えまくるぞ!」と挨拶もそこそこに森の中へと走って戻っていった。

 トランキノは「戦いに満足したか」「上機嫌だな」と呟いて後を追った。

 わけもわからないまま、僕もその後に続いた。

 そして「巨獣がいるぞ! さあ、行けぇぃっ! ユーリッ!」と出撃の号令を出されたのでそれに従ってとりあえず走って、二撃で始末した。

 それが今に至るまでの経緯である。


「……」


「何だその変な顔は? 不満でもあるのか?」


「不満と言いますか、何と言いますか……。これが魔女によって与えられていた力だとして……それが何故、これまで発揮出来ていなかったのか……それがちょっと気になっているといいますか……」


 もし最初からこれだけの力があったのだとしたら……。それを発揮出来ていたとしたら……。僕はもっとアルザギール様のお力になれていたはずである。それを思うと、口惜しい気持ちでいっぱいになってしまう。

 過ぎ去った事は変えようがない。過去を嘆く事に意味はない。……それでも、考えてしまう。この力を発揮出来なかった言い訳を探してしまう。かつての僕を慰める言葉がないものかと思ってしまう。悲しい事だが。


「おい。なぁ。お前、そういうやつか?」


「え?」


「理由がないとだめなやつなのか?」


「いえ……あ、いや、そう……ですね。はい」


 駄目というわけではないが、気にはなる。自分の事だから。それなりに。


「うーん」


 ルーレスが再び思案げに腕を組み、首を捻った。


「理由なぁ……」


 彼は少しばかり間を開けてから、甲冑の奥で口を開いた。


「どうしても理由が欲しいのなら……そうだなぁ。頭が無くなったから。というのはどうだ?」


「頭が無くなったから、ですか?」


 どうだ? と同意を求められても困るのですが……という言葉は飲み込んだ。その前にあった言葉だけを拾った。


「お前は戦っているとき、色々と小難しいことを考えるやつだ。そうだろう? 相手がこう来たら自分はこう返す……あれを避けてここで一撃! とか、そんな風に。違うか?」


「まあ……そうですね」


「くくっ。当たりか。思った通りだな」


 ルーレスは低く笑って、僕を指差した。正確には、僕の頭部を指差した。


「だからだ。頭が吹き飛んで、何も考えなくなったから……仕込まれていた力を、本当の全力を発揮することが出来たわけだ」


「えぇ? ……そんな理由で、ですか?」


「俺様の予想ではなぁ」


「……」


 一個人のしょうもない予想とは……。

 明確な答えではない……。

 僕は反応に困った。


「納得出来ないか?」


「……はい」


「まあ、ただの予想だからなぁ……しかし、だ。ならば聞こう。お前は今、そいつを殺すのに二回も攻撃を繰り出した。それは何でだ?」


「何でと言われましても……確実に殺す為ですが……」


 腕を一本飛ばして、敵の攻撃と防御の手段を奪ってからの方が殺しやすい。と思っただけである。


「それだぞ」


「はい?」


「そういうことを考えているせいだ」


「そういう事……?」


「確実とか何とか、そういうどうでもいいことを戦闘中に考えてはだめだ。男なら、吸血鬼なら、一撃で決めてみせろ」


「えぇ……?」

 

 戦術について思考するのは、どうでもよいことでは無いと、僕は思うのだが……。


「さっきのお前は、そういう感じだったぞ」


「……そうですか」


 大きな握り拳を作って、こちらに向けるルーレス。

 一撃。それを示しているのだろう。

 けれども、急に根性論のような台詞を吐かれて、僕は困惑した。


「男でなくても、吸血鬼でなくても、自分は一撃で仕留めている」


 上から声がした。ルーレスの台詞に便乗したトランキノだった。僕は無視した。


「仮に、考えない方が強いとしても……隠されていたというか、眠っていた力を自在に発揮出来るようになった事で、僕はもう充分強くなりましたから」

 

 今は色々と考えているけれど、それで敵を楽に倒せているので大丈夫です。と言おうとしたところ、ルーレスはそれを遮った。


「いやいや、待て待て。満足するな。さっきの方が強かったぞ。今の今よりも、遥かに。あの力を自由に出せるようにならなければだめだ。男ならば常に上を、頂点を目指さなければ」


「頂点、ですか? そこまでの力は……」


「必要ないとは言い切れないはずだ。アルザギールの剣であろうとする者が、最強の力を持っていなくてどうする?」


「どうすると言われましても……」


 アルザギール様はこの世界の頂点に君臨する御方である。そのものであり、剣である僕も、頂点である必要は……ある。と思わないでもない。しかし、その思いはとても小さい。何故ならば、アルザギール様の敵を殲滅するのに充分な力さえあればいい。と、考えているからだ。

 何も最強でなくともいいのではないか?

 最強などという、抽象的な、見果てぬ場所を目指す必要はない。

 僕はそう思っている。


「例えば最強である俺様が、アルザギールの命を取ろうとしたらどうする?」


「殺します」


 そういう思いを抱いたまま、即答した。


「殺せるか? 俺様を。最強と呼ばれる吸血鬼を」


「あなたがどう呼ばれているかなど関係ありません。アルザギール様の敵となるというのなら、殺します」


 空気が変わった。

 あるいは感覚の鋭い者ならば、空間に亀裂が奔ったかのように感じたのかもしれない。

 事実、トランキノは即座に別の枝に飛び移っていた。

 仲裁の声など掛けない。戦闘に……いや、吸血鬼同士の殺し合いに巻き込まれない為の、全力の退避。


「面白いなぁ、お前」


「……」


 甲冑の奥にあるルーレスの顔は見えない。けれど、きっと笑っているのだろう。そんな気がする。

 殺意よりも闘気よりも、この状況を楽しんでいるような気配が強い。

 それでも、やはり、非常に強烈な存在感だ。

 相対していると、それが如実にわかる。全感覚が、目の前にいるのは強敵だと告げている。

 さっきは岩と感じたが……それはルーレスが動いていなかったからだ。一度戦闘態勢に入れば、これはそういうものではない。と直感した。

 これは嵐とか、地震とか、そういうとてつもないものだ。計り知れないものだ。

 大地が割れていたのも頷ける。

 木々が根こそぎになるのも当然だ。

 この吸血鬼は、それだけの事が出来る。いや、それ以上の破壊を齎す事が出来る。


「……」


「……」


 来るか?

 さっきは初撃で意識を飛ばされたようだが、今ならば見切れるはず。

 右か左の拳……あるいは右か左の脚……またはタックルか……何かわからないが、この距離だ。初動を捉えて回避し、即座にカウンターの一撃を叩き込む。

 甲冑はさっきの戦いで傷ついた様子が無い。生半可な攻撃は通用しないのだろう。この巨体からして僕の一撃を回避出来るとは思わないから……狙うなら関節部か。

 腕か脚か。甲冑の薄い部分に刀を突き刺して、斬り落とす。傷はすぐに再生するだろうが、永遠ではない。

 徐々に削って、失血死させる。


「考えているな?」


 考えている。

 どう殺すかを。

 戦いとは単純な力のぶつかり合いではない。

 最強。最も強い力を持っているという事だが、力だけでは勝敗は決しない。

 何か方法があるはずだ。

 最強に勝つ方法が。


「そういうところだぞ」


 かもしれない。けれど、これが僕だ。何も考えずに、これまでの少ない戦闘経験に身を任せて戦える程ではないのだ。


「……」


 ルーレスが握っていた右の拳を開き、そして再び握った。

 ぐ、ぎ、りぃ……という重い音がした。

 凄まじい力で握り込んでいる。

 これから右の拳を放つぞ。と予告しているも同然だ。

 対する僕は、両手を開いた。

 刀を作る。攻撃に移る。では一拍遅れる。敵の攻撃を回避しつつ、刀を掌から勢いよく飛び出させ、突き立てる。

 間合いが近過ぎる気がしないでもないが、そこはスピードでカバーしよう。


「……」


「……」


 何にしても、一瞬だ。

 一瞬……。


「……」


「……」


 ……こうして睨み合って、どれだけの時間が経過しただろうか?

 一秒か? 一分か? もっとか?

 曖昧だ。

 体感時間が引き伸ばされているからだ。

 時間の流れが濃くなっているからだ。

 果てのない海を泳いでいるようだ。

 向こう岸が見えない。

 辿り着くべき地平が見えない。

 どうなるか、わからない。

 だが、この集中力ならば……。

 今の僕の力ならば……。

 不思議と高揚感があった。

 ぞわり、と、肉体に満ちる、何だかよくわからない感覚。

 初めての感覚。

 手に力が入りそうになっている。

 脚が今にも前に踏み出そうとしている。

 緊張か? いや、違う。

 恐れか? いや、そうではない。

 これは、何か、もっと、別の……。

 負の感情、ではなく、それとは、逆の……。


「……むむ。ユーリ、お前も……そうか……くくっ……」


「……?」


 ルーレスが不意に低い笑いを漏らした。

 気の抜けた感じだったので、それは戦いの始まりの合図とはならなかったが、丁度それに被せるように、一本の矢が、僕たちの頭の少し上の辺りを通過した。

 矢は木々の隙間をそこしか無いという程に完璧に潜り抜けて真っ直ぐに飛び、目視出来ないくらいに遠くにいた巨獣の目に突き立ったようだった。

 非常に小さな湿った音がして、巨獣が地に倒れ伏した短い地響きが聞こえた。


「ユーリ、さっき貴様が汚らしく巨獣を殺したせいで、血の匂いを嗅ぎつけた巨獣共が集まってきている」


「……そうですか」


 頭上からの声に事務的に返答した。

 視線はルーレスから外さない。

 隙は見せない。


「ルーレス様。いつまでも遊んでないで、こちらを手伝ってくれ」


「……ああ、わかっている。すぐ行くぞ」


 対してルーレスは、あっさりと僕から視線を外して、体の向きを変えて、のそのそと歩き出した。


「……」


 僕は一切油断せずにその姿を注視していた。

 例え冗談でも、アルザギール様を殺す。などと馬鹿げた事を抜かしたやつを前にして気を抜いたりはしない。

 僅かでもアルザギール様に敵意を抱いているのならば、速やかに排除する。


「考えすぎて、自分から手を出せないか?」


「……」


 つまらなそうに呟いて、ルーレスは僕の隣を通り過ぎた。


「それではだめだ」


「……」


 僕はその場から動かずに、体の向きだけを変えた。常にルーレスを正面に捉える姿勢を維持する。


「心に嘘をつくな」


「……?」


 嘘?

 僕の心に、嘘など無い。

 何を言っている?

 今、向かい合って、僕の中に何を見た?

 ほんの少し、思考の底から泡の如く浮かんできた疑問。

 その問いに対する答えを探している間に、ルーレスは僕から離れていた。もう間合いの外だ。


「いつまでそこでそうしているつもりだ? ユーリ、お前も働いてくれないと困るぞ」


「……言われなくとも、アルザギール様の為に巨獣を始末します」

 

 刀を両手に形作って、ルーレスの後を追う。あまり近くには寄らない。不用意に振るわれた拳が当たらない程度に間合いを取る。


「アルザギールの為、か……ふふん。そう警戒するな。さっきのは冗談だ」


「冗談でも、口に出して良い事と悪い事があります」


「うーむ……まあ、そうだなぁ。ならば謝ろう」


「謝罪より、行動で示してください」


 口だけならなんとでも言える。

 大切なのは、何をするか、である。


「それもそうだな。では、エリに続くとするか」


「はい」

 

 信用しているわけではないが、とりあえず、頷いた。

 そして、エリって誰だっけ……あ、エリエアか。一族の名で呼べというトランキノを名前の方で、それもあだ名っぽい感じで呼ぶのか。森での付き合いが長いだけあるな。などと、至極どうでもいい事を頭の片隅で考えながら、僕はルーレスと共に歩を進めた。


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